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『コレステロール値の上昇』を遠ざける → 管理栄養士が教える、“体が喜ぶ”食べ物…サバ、ナッツ、そして“意外なもう1つ"とは

  • 2025.10.11
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「健康診断でコレステロール値が高めと言われた…」そんな場面を想像すると、ちょっとドキッとしますよね。でも、実はコレステロールは私たちの体にとって必要不可欠な存在。すべてのコレステロールが悪者ではありません。問題は悪玉コレステロール(LDL)。これが増えると、動脈硬化や心疾患のリスクが高まってしまいます。


そこで鍵になるのが、毎日の食事。今回は管理栄養士の視点から、悪玉コレステロール値の上昇を遠ざける“体が喜ぶ”食べ物をご紹介。良質な脂質を含んでいるとしてよく知られているサバやナッツ、そして意外なもう1つの食材まで、健康的でおいしいヒントが満載です!

知られざるコレステロールの真実と食の影響

まずは、健康診断の項目でもよく目にするコレステロール値について、簡単におさらいしましょう。血液中のコレステロールには善玉(HDL)と悪玉(LDL)があり、特に悪玉コレステロールが増えると動脈硬化や心疾患のリスクが高まることが知られています。つまり、血液中の悪玉コレステロールを抑えることが健康維持のポイントになります。

コレステロールを下げたいときにおすすめの食材のひとつが、青魚のサバです。サバには血中の悪玉コレステロールを減らす働きがあるEPAやDHAといった良質な脂肪酸が豊富に含まれています。また、ナッツ類も見逃せません。アーモンドやくるみには不飽和脂肪酸や食物繊維が多く、善玉コレステロールを増やしつつ、悪玉コレステロールを抑える効果が期待できます。

そして、これらに加えてぜひ取り入れたい注目食材が”豆類”です。豆類は主に大豆、レンズ豆、ひよこ豆、黒豆などがありますが、これらには食物繊維や植物性タンパク質、そしてコレステロールの吸収を抑える働きを持つ「サポニン」や「イソフラボン」といった成分が豊富に含まれています。これらがどのように働くのか、詳しく見てみましょう。

豆類のパワー徹底解剖!コレステロール抑制のメカニズム

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

豆類の中でも特に大豆がコレステロール対策に効果的と言われる理由は、大豆に含まれる「サポニン」と「イソフラボン」にあります。

可溶性食物繊維は腸内で水分を吸収してゲル状になり、コレステロールの一種である胆汁酸と結びついて体外に排出を促進します。この働きによって、血中の悪玉コレステロールが減少しやすくなるというわけです。サポニンは大豆に多く含まれる成分で、コレステロール値の改善に役立つ理由の1つです。強い抗酸化作用があり、悪玉コレステロールの酸化を防いで動脈硬化の進行を抑えます。さらに、腸内でコレステロールと結びつき、吸収を減らす働きも

さらにイソフラボンは女性ホルモンに似た作用を持つ成分で、コレステロールの代謝を助け、血管の健康維持にもつながることが複数の研究で示されています。また、豆に含まれる「サポニン」は抗酸化作用もあり、血管の老化防止に役立つとされます。大豆に含まれるこれらの成分をバランス良く摂取することでコレステロール値の上昇を抑える効果を生み出しているわけです。

では、具体的にどのように豆類を食生活に取り入れれば良いのでしょうか。日常的に大豆製品を使った味噌汁や豆腐、納豆を1日1品食べるだけでも十分です。さらに、豆類は不足しがちな食物繊維や、植物性タンパク質も補えるので、特に肉や脂っこい食品を控えめにしたい人にとっては重宝する食材といえるでしょう。

コレステロール値と上手に付き合うために

コレステロール値の上昇を防ぐには、「脂質 脂肪を減らす」だけではなく、「善玉を増やし悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす す」食材を賢く選ぶことが鍵です。豆類はその代表格であり、体にやさしい成分がたっぷり。科学的にもコレステロールの改善に効果が認められているため、いつもの食事にぜひ取り入れてほしい食材です。

難しく考えず、豆腐や納豆、お味噌汁を日常的に取り入れたり、に加えたり、豆サラダや豆乳 レンズ豆スープで食卓を彩ったりと、バリエーションを楽しみながらコントロールをしていきましょう。健康と美味しさを両立できる豆類のパワーで、元気な毎日を支えていきませんか?


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。