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知らないうちに『肝臓』に負担をかけているかも…管理栄養士が教える“肝臓に優しい食習慣”とは

  • 2025.9.27
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

私たちの体の中で「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓は、健康を維持するうえでとっても重要な役割を担っています。解毒や栄養の分解・合成など、実に500以上の働きをこなしている肝臓ですが、自覚症状があまり現れないため、知らないうちに負担がかかっていることも少なくありません。肝臓を守るためには、何よりも毎日の食事がカギ。今回は管理栄養士の視点から、肝臓に優しい食事術と毎日の習慣についてわかりやすくお伝えします。

肝臓に負担をかける食習慣とは?知っておきたい基本の仕組み

肝臓は体内でアルコールや薬物、有害物質の分解を行うほか、脂肪や糖質の代謝、タンパク質の合成といった多くの役割をもっています。特に過剰なアルコール摂取や脂肪分の多い食事は、肝臓に負担をかけやすく、脂肪肝や肝炎、さらには肝硬変へと進行するリスクを高めることが知られています。

また、栄養バランスの乱れや食べ過ぎも、肝臓の機能低下につながる大きな要因。たとえば、脂肪や糖質を摂りすぎると肝臓に脂肪が蓄積されてしまい、これが非アルコール性脂肪肝の原因になります。加えて、不規則な食事や加工食品の多用は、肝臓の解毒機能を妨げることもあります。

健康な肝臓を保つためにも、食事の内容や摂り方を見直すことが不可欠。肝臓の働きを助ける栄養素を意識しながら、バランスの良い食事を心がけることが大切です。

肝臓を守るための具体的な食事術

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

それでは実際に、肝臓を守るために効果的な食事のポイントを見ていきましょう。

まず、肝臓の解毒・修復を助ける「抗酸化物質」を豊富に含む食材を積極的に取り入れることがおすすめです。具体的には、ビタミンCやビタミンEを含む野菜・果物、そしてポリフェノールが豊富な緑茶やベリー類などが挙げられます。

また、良質なたんぱく質も重要です。筋肉の維持や肝臓細胞の再生に必要な栄養なので、魚、鶏肉、大豆製品などをバランスよく食べると良いでしょう。ただし、脂肪が多すぎる肉類や揚げ物は控えめに。

食物繊維も肝臓には欠かせません。野菜や海藻、きのこ類は腸内環境の改善を助け、有害物質を排出しやすくしてくれます。特に冬瓜やゴボウ、昆布などは肝臓の調子を整える食材として知られています。

飲酒は肝臓に直接的な負担を与えるため、節度ある摂取を。加えて、食事は規則正しく、よく噛んでゆっくり食べることが肝臓の負担を軽減できます。間食や夜食の習慣がある場合は見直すのが賢明です。

毎日の小さな積み重ねが健康な肝臓を作る!

肝臓は沈黙の臓器といわれるように、自覚症状が出る時にはすでにダメージが進行していることが少なくありません。だからこそ、日々の食事や生活習慣がとても重要なのです。管理栄養士が示す肝臓に優しい食事術は、特別なものではなく、野菜や果物、良質なたんぱく質、そして食物繊維をバランスよく取り入れ、アルコールや脂質の過剰摂取を避けるシンプルなポイントばかり。

これらを意識しながら食生活を見直すことは、肝臓だけでなく全身の健康にもつながります。毎日の小さな習慣を積み重ねて、長く元気に過ごせる体を作っていきましょう。


監修者:かきねキッチン 小池 三代子(InstagramブログX

管理栄養士×保育士|実務経験13年|現在はフリーランスの管理栄養士として、栄養相談や献立作成、記事執筆・監修を中心に活動中。「人に寄り添い、無理なく実現できる食生活のサポート」をモットーに、忙しい中でも続けられる、簡単でおいしい時短レシピを発信している。