1. トップ
  2. 弁護士「違法になる可能性が」→ハロウィンで『警察官』のコスプレ…意外と知られていない“仮装”の法的リスクとは

弁護士「違法になる可能性が」→ハロウィンで『警察官』のコスプレ…意外と知られていない“仮装”の法的リスクとは

  • 2025.10.28
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ハロウィンシーズンが近づき、街は様々なコスプレを楽しむ人々で賑わいます。中でも人気なのが警察官のコスチュームですが、その精巧さや振る舞いによっては、法律違反になる可能性があることをご存知でしょうか。

どのような場合に違法となるのか、また警察官以外にも注意すべきコスプレはあるのか。

アディーレ法律事務所名古屋支店 正木裕美 弁護士(愛知県弁護士会所属)の解説をもとに、ハロウィンを楽しむための法的な注意点を解説します。

リアルな警察官コスプレは「軽犯罪法違反」に

ハロウィンで警察官のコスプレをして街を歩く場合、最も注意すべきは「軽犯罪法違反」です。

この法律は、資格がないのに法令で定められた警察官の制服や標章(バッジなど)、またはそれに似せたものを使用することを禁じています。本物と見紛うほど精巧なレプリカの制服、警察手帳などを身につけて街を歩くと、違法となる可能性があります。

また、官公職だと詐称することも禁じられているので、警察官を装って職務質問をするなど、警察官だと「騙る」行為も同様にNGです。

これらの規定は、「官公職等に対する国民の信頼を失わせる行為」を防ぐ目的があるため、逆に言えば、本物の警察官だと信じられる恐れがない場合は違反になりにくいと言えます。例えば、海外の警察官の制服や、明らかにデザインが異なるオリジナルの衣装、私有地内での着用、テレビカメラが回っている撮影ロケ、公式な「一日警察官」イベントなどは、本物ではないことが明らかなため、軽犯罪法違反にはならないと考えられます。

消防士や自衛官も注意。キャラクターコスプレと著作権

軽犯罪法違反になる可能性があるのは、警察官だけではありません。

海上保安官、消防士、救急隊員、自衛官といった他の公務員や、検察官バッジ(秋霜烈日章)を使った検察官のコスプレなども、法令で定められた制服や標章を用いたリアルなものは同様に違法となる可能性があります。

また、公務員以外で注意が必要なのが、アニメやゲームの「キャラクターコスプレ」です。こちらは著作権の問題が関わってきます。キャラクターをそのまま使用する行為は「複製権」、創作的なアレンジを加える行為は「翻案権」の侵害にあたる可能性があります。

ただし、自分や家族内だけで楽しむ「私的利用」の範囲内であれば例外的に許されています。しかし、その写真をSNSなどにアップロードしたり、営利目的のイベントで使用したりすると著作権侵害に問われる可能性があるため、注意が必要です。

コスプレだけで逮捕は稀。だが重大犯罪に繋がる危険も

では、実際に街でコスプレをしたことが理由で逮捕や裁判に至った例はあるのでしょうか。

正木弁護士によると、軽犯罪法違反(公務員の制服コスプレなど)だけで逮捕されることは稀だと言います。軽犯罪法の罰則は「拘留または科料」と比較的軽いため、逮捕されるのは、住居不定や氏名不詳、逃亡のおそれがある、または正当な理由なく出頭しない場合などに限られます。

したがって、もし警察官に注意されても、素直に身分を明かし取り調べに応じれば、逮捕に至るケースはまずないでしょう。しかし、コスプレがより重い犯罪と結びついた場合は別です。

例えば、警察官を装って特殊詐欺に加担した場合(詐欺罪の共犯)や、偽の警察手帳を作成・使用して職務質問を装った場合(公記号偽造罪・同使用罪)などで逮捕される事例は実際にあります。

犯罪に加担するのはもってのほかだとしても、せっかくの楽しい時間を水の泡にしてしまわないよう、一定の職業の信頼を損なうようなリアルなコスプレをすることは犯罪になりえるので危険だと覚えておきましょう。

法律の境界線を知り、安全にハロウィンを

ハロウィンは、非日常の仮装を楽しむ絶好の機会です。しかし、警察官や消防士といった公務員のコスプレは、その精巧さや振る舞い次第で軽犯罪法に抵触し、公的な職業への信頼を損なう行為とみなされる危険性があります。

また、キャラクターのコスプレも、SNSへの投稿が意図せず著作権侵害にあたる可能性を秘めています。せっかくの楽しい時間を水の泡にしないためにも、法律の境界線を正しく理解し、節度を守ってコスプレを楽しむことが大切です。


監修者:正木裕美 弁護士(愛知県弁護士会所属) アディーレ法律事務所名古屋支店

undefined
正木裕美 弁護士(愛知県弁護士会所属) アディーレ法律事務所名古屋支店 

一児のシングルマザーとしての経験を活かし、不倫問題やDV、離婚などの男女問題に精通。TVでのコメンテーターや法律解説などのメディア出演歴も豊富。コメンテーターとして、難しい法律もわかりやすく、的確に解説することに定評がある。
アディーレ法律事務所は、依頼者が費用の負担で相談をためらわないよう、弁護士費用で損をさせない保証制度(保証事務所)を導入しています。「何もしない」から「弁護士に相談する」社会を目指しています。

弁護士法人AdIre法律事務所(第一東京弁護士会)

undefined
弁護士法人AdIre法律事務所(第一東京弁護士会)

メディア出演弁護士
保証制度