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10歳小学生「“親のクレカ”で約460万円課金」→保護者は“全額返金”を請求できる?【法律のプロが解説】

  • 2025.10.23
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出典元:photoCA(画像はイメージです)

最近、動画投稿アプリで当時10歳の小学生が家族のクレジットカードを使い、約460万円もの高額課金を行ったとして、返還を求める訴訟が起こされ話題となりました。

この事件は、保護者が気づかぬうちに子供がSNSやゲームで課金してしまうトラブルの典型例と言えます。もし我が子が同意なく高額な課金をしてしまった場合、法的に返金を求めることはできるのでしょうか。また、発覚時に親はどう対応し、どうすれば未然に防げるのでしょうか。

本記事では、アディーレ法律事務所 近藤姫美 弁護士への取材をもとに、未成年者が行った課金の法的効力、返金請求の方法、そして家庭でできる予防策について詳しく解説します。

原則は取り消し可能。ただし「詐術」には注意

まず、保護者の同意を得ずに未成年者が行った契約行為は、原則として取り消すことが可能です(民法第5条)。

これはSNSなどでの課金も同様で、保護者が許可していない過大な課金については、全額が返金される可能性もあります。

しかし、例外も存在します。未成年者が自身を成人と偽ったり、成人であるかのように振る舞って課金した場合(民法第21条)、取り消しが認められないことがあります。

例えば、課金時に表示される年齢確認で「成人である」と意図的に選択したり、保護者名義のスマートフォンを無断で利用したりした場合は、「成人であるかのようにふるまった」にあたると判断され、返金が難しくなる可能性があります。

年齢詐称や家族アカウント利用は返金困難? 

では、子供が明確に年齢を偽ってアプリを利用した場合や、親や兄弟のアカウントを使って課金した場合はどうでしょうか。

この場合も、年齢を偽る行為が「詐術」とみなされれば、法的に返金を請求することは困難になります。ただし、事業者の確認体制が杜撰で、明らかに未成年者が嘘をついていると分かる状況だった場合などは、取り消しが認められるケースもあります。

また、事例のように460万円といった常軌を逸した高額課金の場合、「正常な判断能力を持つ成人の行為とは考えにくい」という事情が考慮される余地もあるでしょう。法的な可否とは別に、企業側も「未成年者の家族アカウント利用は一切返金しない」という強硬な態度が噂として広まれば、ユーザー離れにつながるリスクがあります。

そのため、事情を丁寧に説明することで、企業側が任意の返金に応じてくれる可能性も残されています。 

発覚時は冷静に事業者へ相談を。家庭でできる予防策とは

もし我が子の過度な「投げ銭」や「課金」が発覚した場合、保護者はまず何から手をつけるべきでしょうか。

まずゲームの提供会社やプラットフォーム事業者に問い合わせ、事情を説明して取り消し(返金)を求めることが重要です。法的な判断以前に、事業者側が任意に返金に応じてくれる可能性は相当程度期待できるからです。

その際、子供を責め立ててしまうと、恐怖心から課金に至った経緯を正確に話してくれない恐れがあります。まずは保護者が冷静になり、子供から「どのように課金操作を行ったのか」という事実関係を正確に聞き出すことが肝心です。

予防策としては、ペアレンタルコントロール機能の導入や、未成年者には子ども用携帯を持たせることが有効です。また、端末にクレジットカード情報を保存しない、保存している場合は削除し、課金の際は都度子供が知らないパスワード入力を必須にする、クレジットカード本体も番号が分からないように保管するといった対策が考えられます。 

冷静な初期対応と予防策が鍵

 未成年者が保護者の同意なく行ったSNS課金は、原則として取り消しが可能ですが、年齢を偽るなどの「詐術」があった場合は返金が難しくなるケースもあります。

万が一トラブルが発覚した際は、慌てずに子供から状況を聞き取り、速やかに事業者へ相談することが大切です。企業側が任意で返金に応じる場合も少なくありません。

最も重要なのは、こうしたトラブルを未然に防ぐことです。ペアレンタルコントロールの設定やクレジットカード情報の管理徹底など、家庭内でルールを定め、デジタル機器の利用環境を整えておくことが求められます。


監修者:近藤姫美 弁護士(埼玉弁護士会所属) アディーレ法律事務所大宮支店

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