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「朝からしんどい」「初めて離脱してしまった…」“耐え難い展開”に辛辣な声も…だけど「一番大好き」語り継がれる傑作ドラマ

  • 2025.10.3

朝ドラの中には、その内容や表現をめぐって議論を呼んだ作品があります。今回は、そんな中から"物議を醸した朝ドラ作品"を5本セレクトしました。本記事ではその第5弾として、ドラマ『わろてんか』(NHK総合)をご紹介します。ヒロインを支えるはずの夫・藤吉の破天荒な言動が賛否を呼んだ本作の魅力とは――。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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映画の公開前日イベントに出席した女優の葵わかな(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『わろてんか』(NHK総合)
  • 放送期間:2017年10月02日~2018年3月31日
  • 出演: 葵わかな(北村てん 役)

『わろてんか』は、明治後期から昭和初期の大阪を舞台に、笑いを商売へと育てた女性の一代記です。

京都の薬種問屋の長女・藤岡てん(葵わかな)は、周囲を明るくする笑い上戸の少女でした。ところが、厳しい父から「人前で笑ってはいけない」を言い渡され、心を縛られるような日々を送ることに。そんな彼女が、笑いをこよなく愛する旅芸人・北村藤吉(松坂桃李)と出会い、「笑って生きることこそ自分の人生の希望だ」と確信します。

やがて二人は親の反対を押し切って駆け落ちし、大阪へ。藤吉の実家である船場の老舗米問屋「北村屋」に身を寄せますが、藤吉の芸事好きが災いして店は傾いてしまいます。窮地に立たされたてんは覚悟を決め、「藤吉さんの好きな笑いを、商売にしてみませんか?」と提案。二人は小さな寄席を開き、素人ながら芸人を育てつつ興行の世界に挑みます。

数々の失敗や裏切りに苦しみながらも、仲間や家族に支えられ、寄席を拡大していく二人。やがて大阪は“笑いの都”へと変わっていくのでした――。

大阪から全国へ ─ 笑いで世の中を変えたヒロイン

『わろてんか』は、2017年度後期に放送されたNHK連続テレビ小説第97作です。明治後期から昭和初期の大阪を舞台に、日本で初めて「笑い」を商売にした女性の半生を描いた物語で、吉本興業の創業者吉本せいさんをモデルにしています。

脚本は『ホットロード』『アオハライド』で知られる吉田智子さんが手がけ、音楽は横山克さん、語りは小野文惠アナウンサーが担当しました。主題歌には松たか子さんの『明日はどこから』が起用され、朝の時間帯にふさわしい爽やかな彩りを添えています。

ヒロインを演じたのは、当時18歳だった葵わかなさん。2,378人が参加したオーディションを勝ち抜いての大抜擢でした。

当初は「若いのに演技が上手」と驚かれ、「初々しくて可愛いらしい」と温かく見守る声が多数寄せられました。その後、物語が進むにつれて「演技に貫禄がある」「老け演技に感心した」との感想も寄せられるように。最後までヒロインとして奮闘する姿は「眩しかった」と受け止められ、作品を象徴する存在となりました。

そのほか、松坂桃李さんをはじめ、濱田岳さん、高橋一生さん、遠藤憲一さんら多彩なキャストが出演し、重厚な家族ドラマと興行の世界を支えています。

多くの視聴者に見届けられ、笑いが人を励まし、支える力になることを伝えた作品です。

「クズすぎる夫」が愛されキャラに ─ 夫・藤吉の破天荒な生き様

『わろてんか』で大きな注目を集めたのは、ヒロイン・てんの夫、北村藤吉でした。

商才に乏しく、軽はずみな行動を繰り返す姿に「クズすぎて感情移入できない」「朝からしんどい」「初めて離脱してしまった…」といった辛辣な声が相次ぎます。実際、欠陥品のパーマ機を大量に仕入れて失敗したり、リリコ(広瀬アリス)の家に入り浸ったり、店の土地にまで手を出したりと、周囲を振り回す展開が目立ちました。本来なら支えになるはずの夫が、支えになるどころか足かせとなる耐え難い展開に不満の声も…。

ところが不思議なことに、その苛立ちが積もりすぎた結果、「いらつき過ぎて愛着わいた」「素直で真っ直ぐで可愛い」「素直で憎めない男」と好意的に語る視聴者も現れるようになりました。

やがて藤吉が物語の途中で亡くなり、幽霊となって再登場すると、「一緒に泣く姿に感動した」と、意外な形で評価が反転します。

作品全体についても、「泣いて笑って最高」「誰も傷つけないやさしい物語「一番大好き」といった温かいコメントが寄せられました。

最初は“クズ”と揶揄されながらも、やがて愛着を持たれる存在へと変わっていった藤吉。本作は、この夫・藤吉の破天荒な振る舞いが物議を醸し、それでもなお多くの人に愛される一作となりました。


※記事は執筆時点の情報です