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「一生観れない」「鑑賞は自己責任で…」“度肝を抜く過激シーン”が物議醸すも…「未だに超えるものがない」称賛相次ぐ名映画

  • 2025.9.10

映画鑑賞の醍醐味は、必ずしも爽快感や感動だけではありません。なかには観終わった後、心にずっしりと重い何かを残し、なんとも言えない複雑な気持ちにさせる作品が存在します。今回は、そんな“後味が悪い”邦画を5選セレクトしました。

本記事では第4弾として、1999年公開の映画『黒い家』(松竹)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“後味が悪い”邦画『黒い家』

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女優・大竹しのぶ(C)SANKEI
  • 作品名(配給):映画『黒い家』(松竹)
  • 公開日:1999年11月13日

あらすじ

貴志祐介さんの同名小説を原作に、監督・森田芳光さん、脚本・大森寿美男さんで実写映画化。

金沢の生命保険会社に勤める真面目な社員・若槻慎二(内野聖陽)は、菰田重徳(西村雅彦)という契約者から呼び出しを受けます。菰田の家に向かうと、菰田家の息子・和也(針谷俊)が首を吊って亡くなっている第一発見者となってしまいました。

和也には保険金がかけられており、父親の重徳と母親の幸子(大竹しのぶ)は、若槻のもとへ毎日やって来ては執拗に保険金の支払いを要求します。あまりにも異様なその態度に、若槻は「息子を殺害して保険金を得ようとしているのではないか」と疑いを抱き始めました。

独自に調査を始めた若槻は、夫婦の黒い過去を知ることになります。それは、保険金詐欺のためなら平気で自分の指を切り落とすような、人間の心を持たない者たちとの想像を絶する戦いの始まりでした―。

映画『黒い家』の見どころ※ネタバレあり

映画『黒い家』は、日本映画史に残るトラウマ級のホラーとして、その強烈な内容から評価が分かれる作品です。本作が描く恐怖は単なる心霊的なものとは一線を画し、人間の底知れぬ悪意を観客に直接突きつけます。SNSでは「不快とか胸糞とかいうレベルじゃない」という声もあり、嫌悪感や視覚的な恐怖が強く記憶に残る後味が悪い作品です。

一方で、生半可なホラーでは決して到達できない人間の本質的な恐怖を描いた本作は、時代を超えても色褪せることのない唯一無二の作品です。特に、本作のメインキャストである西村雅彦さんと大竹しのぶさんの狂気に満ちた演技は、作品の恐怖度を何倍にも引き上げています。作品を視聴した方からは、「人間の狂気と愚行を描いた最悪で最高の映画」「未だに超えるものがない」「当時も衝撃的で今観ても凄かった」などの声が寄せられていました。

原作にはない衝撃的な追加シーンに物議

映画『黒い家』は、大竹しのぶさんが演じる保険金殺人を疑われる女性・菰田幸子の怪演が今なお語り継がれているジャパニーズホラーの傑作です。内野聖陽さん演じる主人公・若槻が体験する恐怖とまとわりつくような不気味な雰囲気は、多くの観客の記憶に深く刻み込まれています。そんな本作の中でも、特に観る者に強烈なインパクトを与えたのが“原作にはない過激シーン”です。

そのシーンとは、幸子が若槻を包丁で襲っている最中に常軌を逸した形相で迫る場面物語の異常性を一気に加速させ、観客を恐怖のどん底に突き落としました。このシーンについて、「衝撃を覚えた」「一生観れない」「鑑賞は自己責任で…」など、多くの視聴者が衝撃を隠せない声を上げています。

このあまりに唐突で理解を超えた行動は、脳裏に焼き付いて離れないトラウマシーンとして有名です。原作ファンからは「なんであんな場面いれたんだ」など、物議を醸していました。

一方で本作は、「騙されたと思って一度観て」など多くの称賛の声が相次ぎ、公開から26年を経ても語り継がれている傑作映画です。

まだ映画『黒い家』を観たことがない方、また本記事を読んで興味を持っていただけた方は、“常識が崩壊する底知れぬ人間の悪意”をぜひご覧ください!


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です