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「正気じゃない…」「何考えてるんだ」“公開阻止運動”が勃発→一時上映中止の事態に…「鑑賞するなら覚悟必須」心に刺さる驚愕映画

  • 2025.9.10

「事実は小説よりも奇なり」という言葉があるように、実際に起きた出来事ほど、人々の心を強く揺さぶる物語はありません。映画やドラマで描かれた劇的なストーリーが実話に基づいていると知ったとき、衝撃を受けた方も多いでしょう。今回は、そんな“実話を元にした”衝撃の作品5選をセレクトしました。

本記事では第5弾として、2004年公開の映画『コンクリート』(ベンテンエンタテインメント)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“実話を元にした”衝撃の作品・映画『コンクリート』

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舞台の公開舞台稽古に参加した高岡奏輔(C)SANKEI
  • 作品名(配給):映画『コンクリート』(ベンテンエンタテインメント)
  • 公開日:2004年7月3日

あらすじ

1989年に発生した、当時16~18歳の少年たちが女子高生を誘拐・監禁・強姦・暴行・殺人・死体遺棄した通称「女子高生コンクリート詰め殺人事件」をモデルに制作された作品。渥美饒兒さんのノンフィクション・ノベル『十七歳、悪の履歴書 女子高生コンクリート詰め殺人事件』が原作。

高校を中退した大杉辰夫(高岡奏輔)は、恋人と同棲しながらも粗暴な振る舞いが絶えず、不安定な生活を送っていました。やがて辰夫は仕事を辞め、ヤクザの下部組織「龍神会」を結成し、仲間たちと共に悪の道へと深く踏み込んでいきます。

組に利用されている怒りとシンナー中毒による感覚の麻痺から、少年たちの暴力性は次第にエスカレートしていきます。そしてある日、辰夫は帰宅途中の女子高生・美咲(小森未来)をレイプした後、仲間たちの部屋に監禁しました。

閉ざされた一室で、辰夫らによる美咲への虐待は日に日にエスカレートしていきます。後戻りのできない状況に陥り、理性を失った少年たちの暴走は、やがて取り返しのつかない残酷な結末へと向かっていくのでした―。

実在事件を描くことの難しさ

映画『コンクリート』は、実際に起きた凄惨な少年犯罪をもとにしており、およそ人間が起こしたとは信じられない残虐非道な事件の内容を描いているため、SNS上では「ほんま胸糞」「トラウマになる」「正気じゃない…」といった声が寄せられました。興味本位で見るには、閲覧注意な作品です。

本作では、物語が加害少年たちの視点で進行する点に批判が寄せられています。本作が事件の悲劇を風化させないという意図があったとしても、彼らの背景や仲間意識を描く時間がほとんどのため、「加害者を美化した映画」「何考えてるんだ」という声が寄せられています。しかしながら、演じるのも辛いことが容易に想像できる役柄を最後まで演じ切った俳優陣に「いい役者さん」とその覚悟を称える声も見られました。

実在の事件を題材にすることが、いかに難しく、同時にどれほど大きな可能性を秘めているのか――その両面を浮かび上がらせたと言えるでしょう。

過激な内容に一部で公開阻止運動が発生

日本犯罪史上に残る凶悪な事件の一つとして知られる「女子高生コンクリート詰め殺人事件」。この凄惨な事件を題材に、少年たちの凶行を描いた映画『コンクリート』は、SNSで「鑑賞するなら覚悟必須」という声があがるほど、観る者に言いようのない衝撃を与えました。そんな本作の制作の裏側では、映画そのものの存在意義を問う壮絶な出来事がありました。

当初、本作の劇場公開は2004年5月に予定されていましたが、そのあまりにセンシティブな内容から一部で激しい公開阻止運動が発生したのです。この強烈な批判を受け、配給会社は一度正式に公開を中止。その後、上映館を変更するという異例の形で、2004年7月3日に初公開されました。

そんな出来事もあってか、本作は現在配信サイトでの配信はなく、DVDの入手やレンタルも非常に困難な状況です。もし本記事を読んで映画『コンクリート』に興味を持っていただけた方は、機会がありましたら“日本中を震撼させた事件を描いた衝撃作”をぜひ視聴してみてください。


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です