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「身体がだるい」「生理が1週間ズレる…」40代女性に相次ぐ“謎の体調不良”…これが“更年期”?【医師が回答】

  • 2025.8.27
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

40代に入ると、生理の周期が安定しなくなることを感じる女性が増えてきます。特に「生理予定日が一週間以上遅れることが多くなった」という声は少なくありません。この変化は単純なストレスや生活習慣の乱れによるものとも考えられますが、更年期の入り口に差し掛かっている場合も。また、単なる周期のズレといっても見逃せないサインがあるかもしれません。この記事では、生理のずれが更年期に関連しているのか、多角的に見ていきます。

生理の遅れは更年期に関係ある?多角的に考える

身体のだるさやめまいに加えて、生理不順が続いており、不安です。近所に婦人科がなく、通院が難しく困っています。相談できる相手もいません。身体のだるさやめまいを良く感じるうえ、生理予定日が一週間以上ずれ込むことが多くなり、困っています。これは更年期の症状なのでしょうか、他の方も似たような症状で悩んでいるのでしょうか。(46歳・女性)

生理周期の大きなズレは、まずホルモンバランスの変化が原因であることが多いです。40代を迎えると、卵巣の働きが徐々に弱まり、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌量が不安定になります。この不安定さが、基礎体温の変動や生理周期の乱れに直結。結果として「生理予定日が一週間以上遅れる」ことも珍しくありません。

ただし、生理の遅れは更年期だけではなく、過度なストレスや急激な体重変動、運動不足や睡眠不足、さらには甲状腺疾患やポリープ、子宮筋腫などの病気も要因になります。つまり、生理が遅れるという症状だけでは「更年期によるもの」と断定はできません。ですが、更年期が近づくほど、ホルモンの変動に伴って周期の乱れや量の変化、経血の性状の変化なども現れやすくなるのは確かです。

また、40代後半になると閉経までの数年間、更年期の症状が少しずつ現れ始め、ホットフラッシュや夜間の発汗、気分の落ち込みなどの体調変化も感じるようになることも。生理の遅れが単発のものではなく、その他の身体的・精神的な変化と重なる場合は、より更年期の影響が大きいと考えられます。

具体的な背景と更年期の生理不順を深掘り

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

更年期は一般的に45歳〜55歳頃に訪れ、その間、女性ホルモンの減少により生理周期が不規則になります。たとえば、生理が予定日より一週間以上遅れるだけでなく、突然早まったり、生理自体が数ヶ月来なかったりすることもあります。その間、経血の量がいつもより多かったり少なかったりと不安定になる例も多いです。

ある調査では、更年期女性の約8割が生理不順を経験しており、ずれ込む周期の度合いや症状は個人差が大きいことがわかっています。加えて、精神的なストレスや生活習慣の変化も生理周期に影響を与えるため、同じ年齢でも症状の出方には差があります。

身近な生活の中で例えば、仕事の負担や家庭のストレスが増えると、生理のタイミングが狂いやすくなることも。また、過度なダイエットで栄養が不足するとホルモン分泌が影響を受けて周期がずれることもよく起こります。これらは更年期のホルモン変動に拍車をかける要因にもなり得ます。

つまり、生理の遅れが頻繁に起きている場合は、更年期の症状としての変化とともに、生活環境や体調管理も見直してみる必要があるでしょう。もし生理不順が著しく、出血量の激しい増減や激しい痛み、長期間の無月経が続く場合には、婦人科での検査を受けるのが適切です。

生理のずれが気になる時に知っておきたいこと

生理が一週間以上遅れるなどの周期の乱れに気づいた時、まずは基礎体温を記録して自分の身体の傾向を把握するのがおすすめです。基礎体温の変化はホルモンバランスを知る手がかりになり、生理不順の原因特定にも役立ちます。

また、生活習慣を振り返ってみましょう。バランスの良い食事や適度な運動、質の良い睡眠はホルモンバランスを整える上で重要です。ストレスの緩和も生理周期の安定には欠かせません。

更年期の始まりは個人差が大きく、身体のサインを見逃さずに過ごすことが大切です。そして生理のずれが長期間続く場合や、体調不良が併発する時には専門医に相談し、適切な検査やアドバイスを受けると安心です。加えて、更年期の症状だからとすぐに不安視せず、ホルモンバランスの変化を自然なプロセスの一部と捉えてゆったりした気持ちで向き合うことも大切と言えます。

生理遅れは更年期の一つのサイン、生活の見直しも忘れずに

40代に入り「生理予定日が一週間以上ずれ込む」ことが増えた場合、ホルモンバランスの変動による更年期の影響が大きく関わっている可能性があります。しかしストレスや病気など他の要因も絡むため、症状の全体像を見て判断することが重要です。生理周期の変化は自然な身体の変化のひとつとはいえ、心配なことがあれば婦人科で相談し、必要な検査や対処を受けることが望ましいでしょう。

そして生活習慣の改善やストレス対策も忘れずに取り入れながら、自分の身体の声に耳を傾けていくことが大切です。更年期は新たな人生のステージの始まりとも言えます。自身の変化を理解して、無理のないペースで過ごしていけるといいですね。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。