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「些細なことでイライラする」40代以降の女性に急増する“心の不調”…→どう対処するのが正解?【医師が回答】

  • 2025.8.29
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

ここ数年、急にイライラ感や片頭痛に悩まされている40代女性は案外多いものです。「疲れているだけ?」と思っていても、鎮痛剤を飲んでもスッキリしない、そんな辛い日々を過ごしている方もいるのではないでしょうか。仕事や家事、子育てに追われる中での心身の不調は、単なるストレス以上の原因が隠れていることも少なくありません。今回は、なかなか改善しないイライラや片頭痛でお困りの方に向けて、鎮痛剤で治らない場合に考えられる対処法や心がけたいポイントについてわかりやすく解説します。

イライラと片頭痛が続く原因は?多角的にみる不調の背景

小さなことでもイライラしたり、片頭痛がすることが多くなりました。 ここ数年、今までならなんともないことでイライラしたり、鎮痛剤を飲んでも片頭痛が治らないことがあるので悩んでいます。(41歳・女性)

片頭痛とイライラが同時に続く場合、複数の要因が関わっています。まず40代は女性ホルモンのバランスが変わっていく「更年期」にさしかかりやすい時期です。ホルモンの変動は感情の起伏を激しくしたり、頭痛を誘発したりすることが知られています。ただの疲労やストレスとは違い、体の内部からのサインともいえます。

加えて、長時間のデスクワークやスマホの使用増加による目の疲れ、姿勢の悪さ、睡眠の質の低下も片頭痛の原因になりやすいです。イライラも睡眠不足や休息不足で起こりやすくなりますし、慢性的な片頭痛があると気持ちが沈みやすくなる傾向もあります。

さらに鎮痛剤の過剰使用により「薬物乱用頭痛」が起きる場合もあります。痛みが続くからと鎮痛剤を頻繁に飲み続けていると、かえって頭痛が増幅することもあるため注意が必要です。こうした複合的な要因が絡み合っていることを理解することは、不調の根本的な対処に繋がります。

具体的な対策や工夫は?背景を知って取り入れたい習慣

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

まず、更年期の影響が疑われる場合は婦人科を受診し、ホルモンバランスのチェックを受けるのがひとつの選択肢です。ホルモン補充療法や漢方薬が有効なケースもあります。また、ストレス軽減や生活習慣の見直しも大切です。

例えば、睡眠の質向上のために就寝前のスマホやパソコンの使用を減らす、軽いストレッチやヨガで体をほぐす、こまめに水分補給をするなど日常に取り入れやすい習慣があります。片頭痛時は暗くて静かな場所で休むだけでも緩和が期待できるので、環境づくりも工夫してみてください。

また、片頭痛に効果があると言われるアロマセラピーや温冷療法(首の後ろに温湿布や冷たいタオルを当てる)を試す人もいます。続くイライラには、自分なりのリラックス法を見つけることが役立つでしょう。これにはマインドフルネス瞑想や深呼吸なども含まれます。

鎮痛剤は用法用量を守ることが大切です。薬を使っても改善しない場合やだんだん薬の効きが悪くなっているようなら、医師に相談して別の治療法や専門的ケアを検討することが望ましいです。

じっくり向き合うことが自然な調子回復のカギ

イライラや片頭痛が長引く場合、単に痛み止めで応急処置を繰り返すだけでは根本的な改善は難しいことがあります。特に40代を迎えると体の変化は多岐にわたり、原因も一つとは限りません。まずは日常生活の見直しと合わせて医療機関を受診しながら、ホルモンバランスや生活習慣を整えるアプローチを心がけることがポイントです。

自分の体の声を丁寧に聴きながら、無理なく続けられるセルフケアを探していくことが、結果として快適な毎日への一歩となるでしょう。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。