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「手足がこわばる」「ダイエットしても痩せない」57歳女性の“悲痛な悩み”…更年期は“何歳まで”続く?【医師が回答】

  • 2025.8.28
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

食生活は変わっていないのに体重だけが増加している…。そんな経験はありませんか?50代に差し掛かると、体の変化はもちろんですが、体重や体型の変化に悩む女性は少なくありません。特に更年期の影響がどのくらい続くのか、その終わりは一体いつなのか、疑問に思う方も多いはずです。

この記事では、更年期とは何歳までとされているのか、そして閉経後も体重が増えやすい理由についてわかりやすく解説します。体の変化に上手に向き合うヒントを知りたい方に寄り添った内容をお届けします。

更年期ってそもそも何歳まで?知っておきたい基礎知識

50代に入ったあたりから、暑がりになり、寝つきも悪く、朝起きると手足のこわばりが気になってきました。閉経して4年。まだそれらの症状は治らず不安です。更年期とは何歳までをいうのでしょうか?
代謝が悪く、食生活は変わらないのに体重が増加傾向にあります。ダイエットしても体重が減る事もなく、とても辛いです。(57歳・女性)

更年期とは、一般的に「閉経の前後5年間」を指す期間のこと。日本の女性の平均閉経年齢は約50歳前後と言われており、40代後半から50代半ばごろまでが更年期にあたります。その期間は女性ホルモンの分泌量が大きく変動し、体調や気分の変化、体重調整の難しさなどさまざまな症状があらわれるのが特徴です。

しかし、更年期期間の定義はあくまで目安であり、個人差がとても大きいのが現実です。閉経自体は終わっても体内のホルモンバランスが安定するまでには時間がかかり、場合によっては閉経後数年にわたり症状が続くこともあります。

そのため、閉経して4年経っている50代女性の場合でも、ホルモンバランスのゆらぎが続いている可能性があり、その影響で体重増加を感じることも珍しくありません。

なぜ閉経後も体重が増えるの?女性ホルモンと基礎代謝の関係

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

閉経によって体内のエストロゲン(女性ホルモン)が減少すると、身体の代謝が変わります。これにより、基礎代謝が低下しやすくなり、同じ食生活を続けていても消費エネルギーが減るために太りやすくなります。筋肉量の減少も代謝低下につながり、エネルギー消費が減ってしまうのです。

さらに更年期には、身体の脂肪のつき方が変わり、特にお腹周りに脂肪がつきやすくなることも多いです。これはエストロゲンの減少により脂肪分布が変化するためで、体のシルエットの変化に驚く方もいます。

また、精神的なストレスや睡眠の質の低下も自律神経のバランスに影響し、これが体重コントロールをさらに難しくさせる場合も。つまり、体重増加は単に「食べ過ぎ」だけでなく、身体の内側の大きな変化が関係しているのです。

閉経後の体重管理|食事以外にもできることは?

閉経後に体重が増える原因は食生活だけではなく、多面的な身体の変化であることはご理解いただけたと思います。では、何ができるかと言えば、食生活の見直しに加えて生活習慣の改善も重要です。

例えば、筋肉量を維持または増やすための適度な運動や、良質な睡眠をとることは体重管理にプラスになります。また、ストレスを溜めない工夫やリラックスする時間作りも、自律神経のバランスを整える手助けに。こうした日々の積み重ねが、ホルモンバランスも含めた体全体の調子を整えやすくします。

もちろん一人ひとりの体は違うので、「これが正解」といえる方法はありませんが、体の声に耳を傾けながら無理なく続けられることを選ぶのが良いでしょう。

閉経後の体重増加は自然な変化のひとつ

閉経してから数年経っても体重が増えるのは、身体のホルモンバランスや代謝が大きく変化している証拠とも言えます。更年期とは一般的に閉経の前後5年程度とされますが、その期間や症状の長さは個人差があり、閉経後の変化も続く方が多いのです。

食生活が変わらなくても体重が増えるのは、代謝低下や脂肪のつき方の変化、ストレスや睡眠の質の影響が重なっているから。それを理解することで、体重増加に対して少し肩の力を抜けるかもしれません。

体重管理は食事だけでなく、運動や睡眠、ストレス対策など、複数の側面からアプローチすることが大切です。50代の体は変化の真っただ中ですが、自分の体とじっくり向き合うことで、より快適な毎日を目指す一助になれば幸いです。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。