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「朝起きてから汗が止まらない」「体が熱い…」56歳女性を襲う“不安”…これも更年期症状の一つ?【医師が回答】

  • 2025.8.31
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

朝、目が覚めた瞬間に汗がドッと噴き出してびっくりした経験はありませんか?特に50代の女性なら、「これもしかして更年期の症状?」と気になるところですよね。更年期は体調の変化が多い時期で、汗にまつわるトラブルも意外とよく見られます。この記事では、「朝起きたとたんの汗」が更年期の影響なのか、どうしてそんな症状が出るのか、わかりやすく解説します。

毎朝の汗で寝苦しくなったり、着替えが大変になったりすると、生活の質も下がってしまいますよね。汗の仕組みや更年期との関係を知ることで、不安や疑問が少しでも軽くなれば嬉しいです。

突然の朝汗はなぜ?更年期とホットフラッシュの関係とは

56歳です。40代にも更年期障害があったのでもう大丈夫だろうと思っていたら、55歳くらいからホットフラッシュの症状が出てきました。そんなに何回も更年期障害ってくるのでしょうか?また、朝起きたとたんに汗が噴き出して、めっちゃ体が火照って熱くなります。これって更年期の症状なのでしょうか?(56歳・女性)

50代女性の中には、起きてすぐに大量の汗をかく「夜間や早朝の発汗」に悩む人が増えています。これは一般的に「ホットフラッシュ」と呼ばれる、更年期特有の症状の一つであることが多いです。ホットフラッシュは急に体が熱くなり、汗が止まらなくなる現象で、日中だけでなく夜間や朝方にも起こります。

女性ホルモンのエストロゲンが減少すると、体の「温度調節中枢」が敏感になり、少しの温度変化でも大汗をかくようになるのです。特に朝は体温調節が不安定になりやすく、寝ている間の温度や布団の厚みの影響もあって汗が出やすくなるケースがあります。

また、ストレスや睡眠の質の低下も更年期の症状を悪化させることがあるので、睡眠環境の見直しやリラックス方法の工夫も効果的。一方で、ただの汗だけでなく、ほかの病気が隠れている場合もあるため、症状が長引いたり重かったりする場合は専門の医師への相談を検討することも大切です。

具体的な対策と生活の工夫で汗の悩みを和らげる方法

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

朝の汗に悩む女性にとって、毎日の工夫が楽な生活につながります。まずは室内の温度管理。寝る前に部屋を適度に涼しく保ち、寝具は吸湿性や通気性の良い素材を選ぶと汗をかきにくくなります。例えば、麻や綿のシーツ、軽い掛け布団が人気です。

次に、体を冷やしすぎない程度に調節することもポイント。冷え過ぎは体の負担になることがあるので、温度差を小さくするイメージを心掛けてください。さらに、ホルモンバランスを整えるために、日常の食生活でバランスの良い栄養素を摂ることや、適度な運動で汗の質を変えることも役立ちます。

また、リラックスやストレスケアが症状の緩和に繋がるケースも多いので、深呼吸やお風呂での温冷交代浴などを試してみるのも良いでしょう。必要に応じて婦人科専門医の診察を受け、ホルモン補充療法などの相談も検討できます。

朝の汗を理解して、快適な毎日を目指そう

50代の女性が朝起きた直後に大量の汗をかくという症状は、更年期によるホットフラッシュが原因の一つとして多く見られます。女性ホルモンの変化で体温調節が乱れ、汗が止まらなくなる現象なのですが、生活の工夫や専門的なサポートを上手に活用することで、症状を和らげることが可能です。

朝の汗は「自分だけの問題」ではなく、多くの女性が経験する自然な体の変化のサイン。無理をせず、自身の体と向き合いながら、心地よい毎日のための方法を少しずつ見つけていけるといいですね。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。