「白髪染めを続けてると“薄毛”になる？」67歳女性の“気になる疑問”…→医師の回答は？！

2025.8.30

「白髪染めをやめたら髪の毛が増えた」という話を耳にしたことはありませんか？白髪を隠すために使う白髪染めは、実は薄毛の原因になるのか、多くの方が気にされるポイントです。毎月の白髪染めが髪にどんな影響を与えているのか、白髪染めをやめたら本当に髪が増えることがあるのか、わかりやすく解説します。髪の健康と白髪染めの関係、今のケア方法に迷っている方もぜひご一読ください。

白髪染めと薄毛の関係ってどうなの？知っておきたい基本の話

60代ですが、白髪染めをやめたら髪が増えてきた、というお話を聞いて気になっています。白髪染めを続けていると薄毛になる、と聞きますが本当でしょうか？（67歳・女性）

白髪染めが薄毛の原因になるのかという話はよく聞きますが、実は直接的に白髪染め自体が薄毛を引き起こす科学的な証拠は限られています。白髪染めに使われる成分は髪の内部まで浸透して色を変えるものが多いのですが、頭皮や毛根に強い刺激を与えることもあるため、頭皮環境への影響が気になる方もいます。

例えば、染料に含まれる化学物質が敏感肌の方にはかぶれやかゆみを引き起こし、それが続くと頭皮の炎症や抜け毛につながる場合があります。また、頻繁に白髪染めを行うことで頭皮の乾燥やダメージを感じる方もいます。しかし、これらは個人差が大きく、必ずしも白髪染めが薄毛の直接原因になるとは言い切れません。

さらに、薄毛の原因は加齢やホルモンバランスの変化、生活習慣、遺伝など多岐にわたるため、白髪染めとの因果関係を単純に判断するのは難しい面があります。このため、白髪染めをやめたことで髪の調子が良くなったと感じる人もいれば、変化を感じない人もいるのです。

白髪染めをやめたら髪が増えた理由とは？具体例と背景を知ろう

「白髪染めをやめてから髪が増えた」という声は実際に見聞きしますが、これはいくつかの理由が考えられます。一つは、白髪染めによる頭皮への刺激が減り、頭皮環境が改善したことです。染料や薬剤が頭皮の負担になるケースでは、白髪染めをやめて頭皮の健康が回復しやすくなり、結果的に抜け毛が減って髪がしっかりしてきたように感じられます。

また、白髪染めの使用頻度を減らすことで髪のダメージを防げるため、髪一本一本が健康的になって見た目のボリュームアップにつながることもあります。髪の毛は成長期・退行期・休止期というサイクルで生え変わりますが、頭皮の刺激による環境悪化が改善されることで、このサイクルの乱れが落ち着くと考えられています。

一方で、白髪染めをやめることが直接髪の本数を増やすわけではないため、「髪の増加」はあくまで相対的な見た目の改善や、健康な頭皮環境による抜け毛の減少として理解するとよいでしょう。ほかにも、生活習慣の見直しや適切な頭皮ケアを同時に行っているケースが多く、これらが合わせて髪質の改善に寄与している場合もあります。

白髪染めと薄毛、その関係を正しく知ることが大切

白髪染めを続けることが薄毛の直接的な原因であるという決定的な証拠は今のところありませんが、頭皮への刺激やケアの仕方によっては髪の状態に影響が出ることがあります。

白髪染めをやめたことで頭皮環境が改善し、抜け毛が減ったと感じる人もいる一方、白髪染めとの因果関係だけで髪の増減を判断するのは難しいのが現実です。

髪のボリュームや健康を維持するためには、適切な頭皮ケアや生活習慣の見直しも大切です。白髪染めをどうするかは、ご自身の頭皮の状態やライフスタイルを考えながら決めることが大切でしょう。気になる症状や不安があれば、専門の医師や美容師に相談してみることも選択肢の一つです。

監修者：PRIDE CLINIC 院長久野賀子（https://pride-clinic.com/）

2017年東京医科歯科大学医学部医学科卒業。
日大板橋病院にて初期研修終了後、湘南美容クリニックに入職し、５年半勤務。
新宿本院皮膚科医局長として通常の勤務だけでなく、新人医師の指導、VIP対応、トラブル対応に従事。
2024年11月新宿二丁目にPRIDE CLINICオープン。