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「誰が作ってもおいしい炒飯」を実現!大阪・関西万博「テラスニチレイ」で見た、ロボットと冷凍食品が切り拓く未来の外食

  • 2025.8.9

55年の時を経て再び万博へ!冷凍食品の未来を提案するレストラン

冷凍食品の進化を味わって体感できる「スペシャル炒飯」「凍ったまま食べられる今川焼」「アセロラMixスムージー」のセット/¥2,420(税込み)
冷凍食品の進化を味わって体感できる「スペシャル炒飯」「凍ったまま食べられる今川焼」「アセロラMixスムージー」のセット/¥2,420(税込み)

大阪・関西万博(以下、万博)のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」は、パビリオンだけでなく、会場内のさまざまなレストランでも体験することができます。その一つが今回クローズアップする「テラスニチレイ」です。冷凍食品の大手メーカーが提案する「食の未来」とは?取材で確かめてきました。

「テラスニチレイ」があるのは、会場中心部に広がる「静けさの森」に隣接する「EARTH TABLE~未来食堂~」と呼ばれるフードコートエリア。ガラス張りの開放的な雰囲気で、扉を開けると赤×白のポップなインテリアカラーが飛び込んできます。入り口から注文レジまでの壁には、冷凍食品の歴史を紹介する展示があり、行列の待ち時間も楽しめるよう工夫されています。

1970年大阪万博から受け継がれる想い

「テラスニチレイ」の店内。「ニチレイフーズ」の企業カラー「赤」がアクセントになっています。
「テラスニチレイ」の店内。「ニチレイフーズ」の企業カラー「赤」がアクセントになっています。

実は、「テラスニチレイ」は1970年開催の『大阪万博』で話題となったレストラン。当時は「テラス日冷」の店名で、業務用冷凍食品のハンバーグやビーフシチューを使ったメニューを提供して人気を博し、その後の外食産業における冷凍食品の発展に大きな影響を与えた歴史があります。

1970年の大阪万博から、2025年の大阪・関西万博へ。55年ぶり2度目の出店に込められた想いを、店長の原山高輝さんは次のように語ります。

「1970年頃の万博出店で来店に応じて冷凍食品を温めて熱々を提供するという今では当たり前の外食の調理オペレーションを確立されたと聞いています。今回の万博出店では、冷凍食品のステータスをもう1段階レベルアップさせて、新しい価値や未来の飲食業のあり方を提案できたらと思っています」(原山高輝さん)

調理ロボットが作る!看板メニューは3種の炒飯

カメラのシャッター速度が追いつかないスピードで調理ロボットがプロの炒めを再現!
カメラのシャッター速度が追いつかないスピードで調理ロボットがプロの炒めを再現!

2025年版「テラスニチレイ」の看板メニューは、炒飯(チャーハン)です。「ニチレイフーズ」の技術を結集し、万博のために開発した『スペシャル炒飯』(税込み1650円)、1食で40gのたんぱく質が摂れる「たんぱく米」を使った『エブリオンミール炒飯』(税込み1650円)、自分好みに味付け・具材・卵の量をカスタマイズできる『オリジナル炒飯』(税込み1980円~)の3種類を味わうことができます。しかも、炒飯の味を左右する炒め調理を行うのは、なんと調理ロボット(I-Robo2)。半調理の状態で急速凍結しておいしさを閉じ込めた冷凍炒飯を、調理ロボットがしっかり炒めて仕上げます。

ロボットと人の協業が生み出す未来の厨房

盛り付けは、人の手で丁寧に仕上げ、おいしさをワンランクアップさせます。
盛り付けは、人の手で丁寧に仕上げ、おいしさをワンランクアップさせます。

特別にキッチンで、調理ロボットの炒め技を見学させていただきました。加熱された調理ロボットの釜がくるくる回転し、ラードの香ばしい匂いが立ちこめます。さらに、ロボットの画面指示に従って店員さんが卵、ベースとなる冷凍炒飯、具材の順に釜へ投入し、ロボットが回転しながら自動で炒め調理を行って完成! 最後に店員さんがお皿に盛り付け、トッピングを美しく整えます。注文から完成まで、わずか3分ほど。ロボット×手仕事のコンビネーションが、実に見事です。さらに、ロボットは次の調理に備えて釜の洗浄まで自動で行います。未来のわが家のキッチンにも1台ほしい…。

「冷凍食品×調理ロボットの掛け算で、誰が作ってもおいしい炒飯を提供することが可能になり、食材のムダも大幅にカットできます。今後どの業界でも深刻化が予想されている人手不足問題の解決の糸口を、今回の2025年版「テラスニチレイ」から全世界へ拡げていけたらうれしいですね」(原山高輝さん)

そう言われてみると、キッチンには野菜クズなどの食材ゴミが一切なく、調理スペースには包丁とまな板も置いてありません。調理ロボットによって調理に割く人員が減らせたことで、接客対応などを充実させることにもつながっているそうです。調理ロボットと人間が協働する、一歩先ゆく未来のレストランと言えそうですね。

2種類の炒飯を食べ比べてみた!

 ニチレイフーズの技術が総動員された『スペシャル炒飯』。具材の焼豚のやわらかさ、エビのプリプリ感も満足度が高く、冷凍食品とは信じがたいほど。
ニチレイフーズの技術が総動員された『スペシャル炒飯』。具材の焼豚のやわらかさ、エビのプリプリ感も満足度が高く、冷凍食品とは信じがたいほど。

できたての『スペシャル炒飯』と『エブリオンミール炒飯』を実食させてもらいました。どちらの炒飯も、ごはんのパラパラ感、お米の粒感が半端ないクオリティ!家庭で作る炒飯と違い、プロの料理人が作ったような香ばしさと味わいです。冷凍食品が、こんなにおいしいなんて目からウロコです。

独自の「たんぱく米」を使った『エブリオンミール炒飯』。見た目も味も、お米の炒飯としか思えない!
独自の「たんぱく米」を使った『エブリオンミール炒飯』。見た目も味も、お米の炒飯としか思えない!

『エブリオンミール炒飯』は、お米ではなく、植物性たんぱく質×米粉などを組み合わせた「たんぱく米」を使用しているそうですが、言われなければ全く気づかないレベル。『スペシャル炒飯』と引けを取らない、おいしい炒飯です。18歳以上の女性が1日に必要なたんぱく質が50gなので(※)、その8割を1食で補うことができます。筋活意識の高い人や足腰を強くしたい高齢者の方にもおすすめです。(※)『日本人の食事摂取基準2025年版』より

組み合わせは20通り!オリジナル炒飯で自分だけの味を

もう1種類の『オリジナル炒飯』は、味付け(醤油、コク旨ガーリック、旨辛キムチ)、具材(焼豚、えび、五目)、卵の量(シングル、ダブル)を好みで組み合わせることができ、総バリエーションは「スペシャル炒飯」「エブリオンミール炒飯」とあわせて20種類に及びます。おいしいだけでなく、楽しさも感じられるのがポイント。店長・原山さんの“推し組み合わせ”は、「コク旨ガーリック味の焼豚+卵シングル」「醤油味のエビ+卵ダブル」「旨辛キムチ味の五目+卵シングルor卵なし」とのこと。迷ったら、ご参考あれ!

後編記事では、炒飯に負けないこだわりと冷凍技術が詰まったスイーツ&スムージーをクローズアップします。

※価格はイートインの税込価格です(炒飯はテイクアウトできません)

(野村ゆき)

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