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53歳女性「生理がピタリと止まった…これって閉経ですか?」婦人科に行かず放置はNG?【医師がスバリ回答】

  • 2025.8.15
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

いつも当たり前のように来ていた生理が、突然こなくなると戸惑いますよね。もしかして閉経?それとも何か体の調子がおかしい?そんな不安や疑問を抱えている方も多いと思います。特に40代後半から50代にかけては、ホルモンバランスの変化で生理が不規則になったり止まったりすることがありますが、一方で病気のサインの場合もあります。この記事では、突然の生理不順や無月経が示す可能性と、婦人科を受診したほうがよいかどうかのポイントをわかりやすくお伝えします。

生理が突然来なくなる理由は?閉経かどうかを見極めるポイント

生理が突然なくなって閉経したのか分からないのでどうしたらいいのかわかりません。婦人科に行って診てもらった方がいいのか、自分で閉経したと思って病院に行かなくてもいいのか、どのように判断したら良いですか?(53歳 女性)

生理が急に来なくなると、まず思い浮かぶのが「閉経」です。閉経とは、女性の卵巣の働きが徐々に低下し、月経が永久に止まることを指します。日本人女性の平均閉経年齢は約50歳前後ですが、個人差が大きく、40代後半から50代半ばくらいまで幅があります。

しかし、生理が止まったからといってすぐに閉経と断定するのは早いです。閉経かどうかを判断するためには、「生理が12か月連続で来なかった」ことがひとつの目安となります。この期間を満たすまでには、まだ生理が戻る可能性もあります。

また、閉経の時期には「更年期」と呼ばれる期間があり、ホットフラッシュ(急な体のほてり)やイライラ、睡眠の乱れなどの不快な症状が現れることも多いですが、これらの症状がなくても閉経している場合もあります。

逆に、生理が止まった原因が閉経以外にあることもあります。たとえば、急激な体重変動、激しいストレス、過度のダイエットや運動、甲状腺のトラブル、生殖器系の病気(子宮や卵巣の疾患)、ホルモンのバランス異常などが考えられます。これらが原因で無月経(生理が3か月以上続けてこない状態)になっていることもあるため注意が必要です。

婦人科に行くべき?受診のタイミングと検査内容を知ろう

生理が突然止まって閉経かどうか気になるとき、婦人科を受診することはとても有効です。専門医は問診や身体検査、必要に応じて血液検査を行い、ホルモンの状態を調べて原因を突き止めます。

受診を考えたほうがよいタイミングのポイントをいくつか紹介します。

  • 生理が3か月以上来ていない場合:無月経の基準であり、婦人科での検査が望ましいです。
  • 生理不順に加えて、強い体調不良や異常な出血がある場合:子宮筋腫や内膜症、ポリープなどの子宮の病気の可能性もあるため、早めの受診がおすすめです。
  • 更年期と考えられる年齢(40代後半以降)で、ホットフラッシュなどの症状が気になる場合:生活の質を上げるための相談や治療を受けられます。
  • 妊娠の可能性がある場合:妊娠検査や適切なアドバイスを受けるために婦人科へ。

婦人科では、血液検査で卵胞刺激ホルモン(FSH)やエストロゲンの値を測り、閉経に近い状態かどうかの判断材料とします。さらに超音波検査で子宮や卵巣の状態を確認することもあります。必要に応じてホルモン補充療法などの治療が提案されることもあります。

迷ったら専門家の意見を頼りにしよう

生理が突然来なくなって「閉経したのかも?」と感じると不安になりますが、閉経かどうかの明確な判断には一定期間と検査が必要です。無月経が3か月以上続く場合や、体調の変化を感じた場合は婦人科で相談することが安心につながります。

閉経は自然な体の変化の一つですが、同時に様々な健康のシグナルが隠れていることもあるため、自分の体の状態を正しく知ることが大切です。適切なタイミングで専門家に相談することで、納得のいくケアやサポートを受けることができます。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。