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50歳を超えて、謎の倦怠感や『ドカ食い』が止まりません…。これも、“更年期”症状の一つですか?(52歳・女性)

  • 2025.8.14
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

年齢が50歳を超えると、なんとなく身体がだるく感じたり、食べ過ぎてしまったりといった心身の変化を実感する方が増えます。

これらの症状は単に疲れやすいだけなのか、それとも更年期特有のサインなのか気になるところですよね。

特に「倦怠感」や「暴飲暴食」が続くと生活の質が下がり、何とか改善できないかと思うことも多いはず。この記事では、50歳前後の方に多いこれらの症状が更年期とどう関係しているのか、またその背景や具体的な対策についてもご紹介します。

倦怠感や暴飲暴食は更年期の一部?多角的にみる原因とは

世に言うホットフラッシュは5年ほど前に経験をし、その後は特に悩む程の症状がなかったのですが、50歳を越えたあたりから倦怠感や暴飲暴食が続いていて、ひどいときはなにもしたくなくなり、ちょっとしたことでイライラして家族に当たってしまいます。
痩せにくさに加え、ときに暴飲暴食になるため、体調不良のことが多いのですが、これも更年期症状のひとつなのでしょうか。(52歳・女性)

50歳を過ぎた頃から感じる「倦怠感」や「暴飲暴食」が更年期症状の一つである可能性は決して低くありません。

更年期とは、女性の生殖ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少し、それに伴い様々な身体的・精神的な症状が起こる時期を指します。この時期はホルモンバランスが不安定になるため、身体が疲れやすく、気分の浮き沈みや睡眠障害、食欲の変化が表れることも多いのです。

例えば、エストロゲンの減少によって自律神経が乱れることで疲労感が強まったり、ストレス発散の一環として暴飲暴食が増えるケースもあるでしょう。

しかし、これらの症状は更年期だけが原因とは限らず、慢性的な睡眠不足や運動不足、精神的なストレス、栄養バランスの偏りなども影響します。

たとえば仕事や家庭でのストレスが重なり、疲れを抱えたまま暴飲暴食へ走ってしまうこともあります。つまり「倦怠感」や「暴飲暴食」は更年期のサインである場合もあれば、日頃の生活全体を見直す必要があるサインとも言えるのです。

更年期の背景と具体的事例から見る対処法のヒント

更年期は通常、45歳~55歳頃に訪れ、女性ホルモンの急激な減少が大きな特徴です。

ホルモンの変動により体温調整が乱れ「ホットフラッシュ」と呼ばれる突然のほてりや発汗、寝つきの悪さなどが続き、これが体力の低下や倦怠感につながることがあります。また、精神面ではイライラや無気力感が出やすく、食欲のバランスを崩してしまう場合も少なくありません。

具体的には、夜眠れず昼間に強い疲労感を感じることで、昼食後に甘いものや高カロリーな食事を摂ってしまう、ストレスを感じるとつい過食に走るなど、体調と気分の悪循環に陥りがちです。

こうした状況の中で、自分に合ったペースで軽い運動を取り入れたり、栄養バランスの良い食生活を心がけることが負担を和らげるポイントになります。また、症状が特に辛い場合は専門医に相談することも選択肢の一つです。ホルモン補充療法や漢方薬、生活習慣の指導など、それぞれの状況に合った方法を提案してもらえます。大切なのは一人で悩まず、自分の身体の声をしっかり聞きながら、適切なサポートを受けることです。

倦怠感や暴飲暴食、50代の「今」に優しく向き合うために

倦怠感や暴飲暴食は、確かに更年期症状として現れることが多いものの、生活習慣や心身の状態とも深く関係しています。

50歳を過ぎた時期は、身体の変化を感じやすい一方で、新たな生活スタイルを見つける絶好のタイミングとも言えます。焦らずに自分のペースで、適度な運動やバランスの良い食事を心がけることが、心身の安定につながります。

必要に応じて専門家の力も借りることで、より自分らしい毎日を過ごせるかもしれません。倦怠感や暴飲暴食が続く中でも、身体と心の声を大切にしながら、ゆっくり丁寧に向き合っていきたいですね。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。