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「登場人物ほぼ全員嫌い」「凄く不快」“生々しい脚本”に憤りを覚えた視聴者も…それでも「名作の一言に尽きる」大反響の至高ドラマ

  • 2025.9.21

医療ドラマの世界では、緊迫した手術シーンや医師たちの活躍だけでなく、彼らが抱える苦悩や葛藤、患者やその家族との間に生まれる感動の物語が、これまでも数多く描かれてきました。今回は、そんな私たちの心を揺さぶる“医療を扱った名作”5選をセレクトしました。

本記事では第4弾として、2003年放送のドラマ『白い巨塔』(フジテレビ系)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“医療を扱った名作”ドラマ『白い巨塔』

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唐沢寿明(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『白い巨塔』(フジテレビ系)
  • 放送期間:2003年10月9日~2004年3月18日

あらすじ

山崎豊子さんの同名小説を原作に、フジテレビ系列にて全21話で放送された実写テレビドラマ。

天才的な手術の腕を持つ野心家の外科助教授・財前五郎(唐沢寿明)。財前は食道外科のエース的存在でありながら、その飽くなき権力欲と名誉欲から、次期教授の座を狙って院内の権力闘争に身を投じていました。

一方で、内科助教授・里見脩二(江口洋介)は患者一人ひとりと真摯に向き合うことを信条とする実直な人格者。里見は研究者としても優秀でありながら、出世よりもただひたすらに患者を救うことに重きを置いていました。

権力や名誉のために患者を救う財前と、何よりも患者のために行動する里見。同期でライバル同士の対照的な2人を軸に、熾烈な権力闘争、医療の在り方が描かれます―。

ドラマ『白い巨塔』の評価ポイント※ネタバレあり

ドラマ『白い巨塔』では、出世のためなら手段を選ばない主人公・財前五郎をはじめ、登場人物の多くがエゴと欲望にまみれています。清廉潔白な人物はほとんど存在せず、常に人間の醜さや組織の理不尽さと向き合うことになるでしょう。そのため、視聴した方の中には、「登場人物ほぼ全員嫌い」「凄く不快」という意見を持つ方もいたようです。

一方で、映画のような重厚な演出、そして唐沢寿明さんや江口洋介さんをはじめとする名優たちの競演など、見どころが盛りだくさん。大学病院という組織の闇や底知れぬ権力欲など、人間の持つ負の側面を圧倒的なリアリティと緊張感で描き切っています。SNSでは「名作の一言に尽きる」「奇跡の作品」など、絶賛のコメントで溢れていました。

「オペさせてくれないんですよ」手袋のしわで撮影中断…主演俳優が語る制作秘話

大学病院の壮絶な権力闘争を描き、社会現象となった不朽の名作ドラマ『白い巨塔』。作中のさまざまなシーンで見られる圧倒的なリアリティは、俳優と制作陣の徹底したこだわりから生まれています。主演の唐沢寿明さんは、役作りのために手術を見学したこともあったそうです。また、実際の医師監修のもとで進められた撮影中に起きた驚きのエピソードを、2024年6月23日放送のTBS系『日曜日の初耳学SP』で語りました。

一流の外科医は、グローブのこんなところにしわを作らないんだよ。なかなか…それで止められてね、オペ(手術)させてくれないんですよ出典:『日曜日の初耳学SP』TBS系 2024年6月23日放送

セリフや所作だけでなく、医療器具の扱いや手袋のしわに至るまで、一切の妥協を許さない現場の執念。この細部までのこだわりこそが作品に深みと重厚感を与え、今なお人々を惹きつける理由と言えるでしょう。

まだドラマ『白い巨塔』を観たことがない方、また本記事を読んで興味を持っていただけた方は、“大学病院で渦巻く熾烈な権力闘争”をぜひ目撃してみてください!


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です