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忙しくて心が疲れたらインスタント&冷凍食品に頼ってもOK 精神科専門医が強調するワケ

  • 2025.7.16
忙しくて精神的に疲れているときはインスタント食品に頼りがちだけど…
忙しくて精神的に疲れているときはインスタント食品に頼りがちだけど…

仕事が忙しくて、カップ麺のようなインスタント食品や、冷凍食品を食べる機会が多い人は少なくないと思います。Xでは「忙しい時はインスタント食品に助けてもらっている」「冷凍食品は、忙しい時や時間がない時に便利」といった声が上がっている一方、「インスタント食品ばかり食べたら健康を害する」「食事が冷凍食品だけって寂しい」という内容の声もあります。

インスタント食品や冷凍食品を食べ続ける生活を続けた場合、メンタルに悪影響が生じる可能性はあるのでしょうか。仕事が忙しくて精神的に疲れ気味のときは、どのような食事を心掛けるとよいのでしょうか。精神科専門医の田中伸一郎さんに聞きました。

何も食べない方が不健康

Q.そもそも、日々の食事によってメンタルは変化するものなのでしょうか。

田中さん「日々の食事は私たちの体調に直結し、メンタルの調子にも影響を及ぼしています。『快食』こそ、心身を快調に保つ基本の一つと言ってもよいかもしれません。ここで、快食とは『おいしい物をおいしく食べる』という意味です。いつ(食事の時間)、どこで、誰と、何を(食事の内容)、どれくらい食べるか(食事量)がポイントとなります」

Q.日々、忙しくてカップ麺のようなインスタント食品や冷凍食品を食べ続ける生活を続けた場合、メンタルに悪影響が生じる可能性はありますか。

田中さん「必ずしもメンタルに悪影響が生じるとは言えないと思います。忙しくて食事の時間が取れない、あるいは給料日の前に懐が寒くなりがちな現代人にとって、インスタント食品や冷凍食品は必要不可欠な食べ物です。最近では小学生も、インスタント食品や冷凍食品の食べ方を学ぶ機会があると聞きます。忙しくて食事を抜くよりも、電気ポットや電気ケトルで安全にお湯を沸かしたり、電子レンジをセットしてきちんと温めたりする生活スキルを身に付けることが大事になってきています。

ちなみに、インスタント食品、冷凍食品を食べ続けることについて、過去の調査研究などから『体の健康に悪い』という印象があるかもしれません。例えば、『塩分量や刺激物が多い商品はたまに食べるようにする』『カップ麺などのスープは飲み干さない』などの工夫も必要でしょう。

しかし、人生の忙しい時期を乗り越えるためにインスタント食品や冷凍食品を活用することは、結果的にメンタルの健康を保持、増進させる可能性があることを指摘したいと思います。食事を抜いて甘い物ばかり食べたり、食事内容に潔癖になり過ぎて何も食べなかったりする方が、よほど不健康でしょう」

Q.「仕事が忙しくて精神的に疲れ気味」といった場合、どのような食事を心掛けたらよいのでしょうか。

田中さん「答えはずはり『快食』です。精神的に疲れ気味のときに欲する食べ物をおいしく食べましょう。じゃあ、何を食べたらいいか、という疑問が出てくるかもしれませんが、個人的には『そのときの自分が欲する物』であれば、そして適量であれば、何でもよいと考えています。

『自分が疲れたときには(だいたいいつも)これを食べたい』という定番をつくっておきたいですね。腹八分目にして、なるべく揚げ物の大量摂取を控え、タンパク質と炭水化物、野菜の摂取バランスが取れていれば、インスタント食品でも冷凍食品でも、自炊でも外食でも構いません。1人で食べたいのか、誰と食べたいのか、そういうことも想定して『精神的に疲れ気味なときほど気分よく食べる』ようにしましょう」

Q.インスタント食品や冷凍食品に頼り切りの生活を送っても問題はないのでしょうか。

田中さん「先述のように人生の忙しい時期に、しかも精神的に疲れ気味の状態が続いているときに、完璧な栄養管理のもと、作りたての料理をたらふく食べるという理想的な生活を実現できる人はまれではないでしょうか。特定の商品だけを食べるのではなく、さまざまな商品を食べ比べるなど、インスタント食品や冷凍食品を上手に活用しながら人生の次のステップを目指すことも、僕はありと思います」

オトナンサー編集部

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