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「20回以上観てる」「もう10回は観た」“異常な回数”のリピーターが続出するワケ…「近年稀に見る傑作」“中毒性抜群”の名ドラマ

  • 2025.7.22

ドラマの中には、初回視聴率が大きくは伸びなかったものの、物語が進むにつれ、だんだんと人気を集める作品があります。今回は、そんな“じわじわファンを増やした作品”を5本セレクトしました。

本記事では第3弾として、ドラマ『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)をご紹介します。突然の事故死を経て、人生を“やり直す”ことを選んだ主人公。転生の先に待っていた、思いがけない結末とは――?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)
  • 放送期間:2023年1月8日 - 2023年3月12日
  • 出演: 安藤サクラ(近藤麻美 役)

地元の市役所で働く近藤麻美(安藤サクラ)は、33歳・独身。実家暮らしで、気の合う友人たちと平凡な日々を過ごしていました。ところがある日、突然の事故で命を落とし、気づけば真っ白な空間に――。

死後案内所の受付係(バカリズム)に「次は人間以外に生まれ変わる」と告げられた麻美は、もう一度同じ人生をやり直し、徳を積めば人間に戻れると知り、“やり直し”を決意。こうして彼女の2周目の人生が始まります。

これまでの後悔を、少しずつ塗り替えていく人生ドラマです。

バカリズム脚本が描く、リアルな会話劇

本作の脚本を手がけたのは、バカリズムさん。日常のさりげない違和感や、くすっと笑えるテンポの会話劇に定評があり、『架空OL日記』『住住』などでも独特のユーモアと人間観察眼を発揮してきました。本作では、緻密な構成と細やかな台詞まわしが絶妙に組み合わさり、タイムリープという設定をリアルに感じさせる世界観を生み出しています。

主人公・近藤麻美を演じるのは、安藤サクラさん。映画を中心に活躍してきた安藤さんが、民放ドラマで主演を務めるのは本作が初めて。親しみやすくも芯のある演技で高い評価を集めました。

麻美の親友・門倉夏希を夏帆さん、米川美穂を木南晴夏さんが演じ、3人の自然な掛け合いは“本当に長年の付き合いがあるようだ”とSNSでも話題に。

また、同級生・田邊勝役を演じたのは松坂桃李さん。ミステリアスな存在ながら、物語の進行とともに鍵を握る人物として存在感を増していきます。

このほか、黒木華さん、臼田あさ美さん、水川あさみさんらが出演。バカリズムさん作品にゆかりのあるキャストも多く、緻密な世界観を支えるキャスティングとなりました。

気づけばTVerで首位常連…リピーター続出のワケ

本作の平均視聴率は大きく伸びることはなかったものの、TVerでは配信期間中、たびたび再生数ランキング1位を記録。見逃し配信で“首位常連”となった裏には、繰り返し視聴する人が続出したという背景があります。

その理由は、考察を楽しむ視聴者や、小ネタを再確認したいという人が多かったから。SNSでも考察がさかんに発信され、物語の細部に潜む伏線や仕掛けをめぐって盛り上がりを見せました。

一見何気ない会話や描写にも意味があると気づいた視聴者たちが、「もう一度確かめたい」と何度も再生。最終話までTVerを席巻しました。

また、バカリズムさんが描くクセになる世界観が多くの人を虜にし、SNSでも「もう10回は観た」「20回以上観てる」「小ネタや言葉遊びのキレが第一級」「平成リスペクト満載!バカリズムのオマージュに脱帽」といった称賛の声が相次いでいます。

小ネタとオマージュが光る、“共感型”タイムリープ・ドラマ

本作には、懐かしの楽曲や"わかる人にはわかる"オマージュが随所に散りばめられています。

劇中では『粉雪』レミオロメン)、『White Love』SPEED)、『負けないで』ZARD)といった名曲が流れ、当時を知る視聴者からは「選曲が刺さる」という共感の声が多数寄せられました。

また、作中のテレビ番組やセリフには、過去の人気ドラマやバラエティを彷彿とさせる表現が巧みに織り込まれています。安藤サクラさんが出演していた朝ドラ『まんぷく』を連想させるセリフも登場し、SNSでは“セルフオマージュ”として話題になりました。

ドラマレビューノートに並ぶ『ナースのお仕事2』『ビーチボーイズ』『ラブジェネレーション』などの名作タイトルからも、平成ドラマへの深いリスペクトが感じられます。

こうした演出の数々が、視聴者の間で新たな発見と盛り上がりを生み出しました。

本作は、これらの小ネタやオマージュを効果的に盛り込みながら、「劇的な出来事がなくても、自分らしく生きる人生には価値がある」というメッセージを伝えています。転生をきっかけに何度も人生をやり直す主人公を通して、日常の尊さが描かれているのです。

SNSでは「近年稀に見る傑作」「老後も仲良くできる友情 本当に憧れる」「友情ドラマでここまで泣いたのは初めて」といった声が寄せられています。

最終話放送後も、共感がじわじわと波紋のように広がった名作です。


※記事は執筆時点の情報です