「エアコンにある『風ないス』ボタン」ダイキンへの取材で判明した“当時の開発秘話”に涙「周囲から笑われた」

家電のリモコンには、普段使わないボタンや使い道が分かりにくい機能が付いていることがあります。何となく押すのをためらってしまい、使い方が分からないまま放置してしまうことも少なくありません。

チカ（＠chikachikarin0403）さんが、「ずっと気になっているエアコンのリモコンにある“ボタン”」についてThreadsに投稿し、「気になってた」「うちもコレ」と注目を集めています。

いったいどんな機能のボタンなのでしょうか？

気になる投稿が、こちら！

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ダイキンのエアコンのリモコンにあったのは「風ないス」と書かれたボタンでした。たしかに、どういう機能のボタンなのか気になりますね。

「ナイスな風が出るよ」ということなのか、「風、ないっス」と風が出ないことなのか不思議に思った投稿者さんは、ボタンを押してみることに。

すると、風が普通に出てきていたといいます。ますます気になるこのボタンは、いったい何のためのものなのでしょうか。

エアコンの開発元であるダイキン工業の当時の開発担当者に詳しくお話を伺いました。

「風ないス」の使い方は？

---「風ないス」というネーミングの意味について教えてください。

風が当たらないことから「風がない」、風がなくて嬉しいで「ナイス！」となり、両方をあわせて「風ないス」です。

---とても素敵なネーミングです！「風ないス」とはどのような機能なのでしょうか？

風量と上下風向を自動で調節して、風が直接体に当たりにくくする運転です。この運転のときは、風量設定は「自動」になり、風量は変更できません。

---風ないス機能にすると電気代は変わってきますか？

本運転モードは、風が直接体に当たらないようにすることで、より快適にお過ごしいただくための機能です。節電を目的としたものではございません。

---過ごしやすくするための機能なのですね。

---どのような経緯でこのネーミングに決まったのでしょうか？

当初、「風ないス」の機能提案した際には名前もなく、リモコンの風向の一つ（上向きの矢印）とのことでした。

そのうちに新しい機能にネーミングすることになり、いくつか候補を挙げた中に「風ないス」がありました。

いつものおやじギャグかと周囲から笑われましたが、すでに「カビないスティック」という機能があり、その後「ニオイないス」なども出てきます。

それとのゴロ合わせから当時の商品企画を担当された営業の皆さんにチョイスされたと認識しています。

---「カビないスティック」と「ニオイないス」！どれも笑ってしまうネーミングです！採用には至らなかった候補にはどのようなものがありましたか？

ネーミング案では、「ドラフトレス」「風よけ」「天井気流」などを挙げたと思いますが、私の思いは「風ないス」一本でした。

---シンプルなものからユニークなものまでさまざまですね！当時の開発チームの体制や雰囲気についてはいかがでしたか？

開発チームは若手から中堅クラスの技術者が多く、新しい技術に挑戦する雰囲気に満ちていたと思います。

---今あらためて振り返って、このネーミングについてどのように感じていますか？

20年たっても話題になっているので、しかけた本人としては、してやったり感はあります。

でも私がネーミングしましたというのは、ちょっと恥ずかしい気もしています。この記事で少しでもお客様の微笑みにつながればいいですね。

---使うたびに「今日もナイスだね！」と声をかけてあげたくなりました。貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました！

こちらの投稿には、さまざまなコメントが寄せられていました。

うちもダイキンやから風ないス気になってたぁ解決したなぁああスッキリ

これ、商品企画担当者が見たら喜ぶだろうな。で、「実はこれ…」と言いたくて仕方がないと思う。

うちのもこれです！かぜないっスと呼んでますスってなんだろ？とおもったけど風邪が当たらないスイングのスかな…

同じようにボタンの意味を疑問に思っている人は多いようです。どのような機能があるかわかれば、今後はさらに上手に使いこなせそうですね！

取材協力：チカ（＠chikachikarin0403）さん、ダイキン工業株式会社さん（公式HP）