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26年前、日本中が息を呑んだ“進化する天才の1曲” 初週100万枚を叩き出した伝説のシングル

  • 2025.8.4

「初週でミリオンって、今の時代じゃ信じられる?」

1999年の終わり、日本の音楽シーンはまだ“CD全盛期”の真っ只中だった。けれど、その中でも異質な光を放った1曲がある。

それは“J-POPの異端児”が放った、まるで都市の夜のようにクールで、でも熱量の高いラブソングだった。

宇多田ヒカル『Addicted To You』(作詞・作曲:宇多田ヒカル)――1999年11月10日リリース。

すでに時代の象徴となっていた彼女が、誰も想像しなかった方向から“とんでもない一手”を繰り出した――まさにJ-POPの常識を突き破る一曲だった。

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2004年 映画『CASSHERN』プレミア試写会に訪れた宇多田ヒカル (C)SANKEI

“First Loveの次”という期待を、あっさり裏切った衝撃作

同年に発表されたアルバム『First Love』は、驚異的な売上とともに社会現象クラスのヒットとなった。

あれだけの大ヒット作を生み出した直後、誰もが「次も同じ路線で来るだろう」と思っていた。だが――宇多田ヒカルは新たな次元にシフトしてきた。

デビュー当初からR&Bをベースにしていた彼女はそのエッジをさらに研ぎ澄ませる。ビートはより強く、構成は大胆に削ぎ落とされ、より洗練されたグルーヴ感を獲得していた。

ジャム&ルイス――まさかの世界的プロデューサーが、宇多田に音を与えた事実

『Addicted To You』を語る上で外せないのが、本作のプロデューサー、ジャム&ルイスの存在だ。ジャネット・ジャクソンを筆頭に、グラミー常連の世界的ヒットメーカーが、若手の日本人アーティストを手がけたというのは、業界的にも衝撃だった。

宇多田自身が作詞作曲を担い、ジャム&ルイスが編曲を担う。有名プロデューサーが日本の若手アーティストと共同作業で曲を生み出すという、“日本の音楽シーン”ではなく、“世界基準”で、宇多田はその未来を示してくれていた。

MVとビジュアル――“可愛い”と“洗練”が完璧に共存した、衝撃の映像体験

この曲のもう一つの魅力が、ミュージックビデオの完成度の高さだった。

派手な演出があるわけではない。けれど、ビートの効いた楽曲に合わせてテンポ良く切り替わるカメラワークと、無駄のない構図設計。映像全体が“音にちゃんと寄り添っている”感覚があった。

そして何よりも、映像の中心にいる宇多田ヒカルが圧倒的に可愛かった

ぱっつん前髪に少し茶色がかったロングヘア。カメラを見つめる眼差し、リズムに合わせたさりげない身振り。どこを切り取っても絵になる、完成された“スターの瞬間”がそこにあった

『First Love』までのイメージから、一段ギアが上がったような“洗練された存在感”が漂っていた。まさに、“宇多田ヒカルの第二章が始まった”――そう感じさせる映像だった。

“次元が違った”と言わざるを得ない、冷静な革命

このシングルは発売初週でミリオンを達成するという驚異的な記録を叩き出した。数字だけ見ても異常だったが、それ以上に、“誰にも似ていない音”を突き付けてきたその存在感が、音楽業界全体を震わせたのだ。

宇多田ヒカルの存在が、日本の音楽シーンにおいて“異次元”だった理由は、ヒット曲を連発したからではない。“自分が良いと思う音”をただ冷静に提示し続け、それが結果として市場もファンも巻き込んでしまったこと。

『Addicted To You』は、その象徴のような一曲だった。

音楽的な革命は、いつも派手なわけじゃない。むしろ、この曲のように――静かに、深く、ゆっくりと心に侵食してくるものこそ、長く残る


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。