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レイチェル・ゼグラー主演『エビータ』、「アルゼンチンよ、泣かないで」を劇場外で歌う演出に賛否両論

  • 2025.6.20
Rachel Zegler Performs On The Balcony Of The London Palladium In "Evita"

レイチェル・ゼグラーが主人公エバ・ペロンを演じる、ジェイミー・ロイド演出の舞台『エビータ』。現在、ウェストエンドで最もチケットが入手困難な舞台として注目を集めているが、6月14日(現地時間)にプレビュー公演が行われ、その斬新な演出が物議を醸しているようだ。

アンドリュー・ロイド=ウェバーの最高傑作とされるミュージカル『エビータ』は、私生児として生まれ、大統領夫人となり、民衆から深く慕われたエバ・ペロンの半生を描く。見せ場のひとつとして、エバが民衆に向けて「アルゼンチンよ、泣かないで」を歌い上げるシーンがあるが、今回のリバイバル公演では、スティーヴン・スピルバーグ監督の『ウエスト・サイド・ストーリー』(2021)のマリア役でブレイクを果たしたレイチェルが、実際にパレイディアム劇場のバルコニーに出て、道行く人々に歌いかけ、チケットを購入した劇場内の観客は、映像でこれを目撃するという斬新な演出が取られた。

英紙『The Guardian』によると、この演出には賛否両論あるようだ。「劇場に足を運ぶのは、演者と同じ空間を味わいたいからだ」「高額なチケットを購入したのに、一番の見せ場をお金を払っていない劇場外の人に見せるのか」とする声が上がる一方で、『OnStage Blog』の創始者クリス・ピーターソンは「話題を呼んでいるのは確かだが、単なる巧妙な演出でもなければ、ソーシャルメディアを賑わせるだけの出来事でもない。エバ・ペロンについて我々が知っていると思っていたすべてを再構築する、新たな劇場表現だ。個人的な告白の瞬間を公共パフォーマンスに昇華させた」と評価する。劇場前の通りに居合わせた人からも好意的な声が上がっているようだ。

Rachel Zegler Performs On The Balcony Of The London Palladium In "Evita"

1978年にロンドンのウエストエンドで初演されて以来、何度も再演されきた『エビータ』だが、今回のリバイバル公演を手がけるロイドは、現代的なミニマリズムと表現主義的な演出で知られ、斬新な解釈で古典を蘇らせてきた。本作と同じくロイド=ウェバーの名作舞台『サンセット大通り』を手がけた際も、キャストが劇場外に出る演出を取り、ローレンス・オリヴィエ賞とトニー賞を受賞。昨年、トム・ホランド主演で上演された『ロミオとジュリエット』でも、トムがデューク・オブ・ヨーク劇場の屋上でパフォーマンスを行い、観客はドローンで撮影した映像を楽しむという手法を取っていた。

『エビータ』のリバイバル公演は、7月1日から9月6日まで本公演を行う。これがウェストエンドデビューとなるレイチェルは公演期間中、午後9時ごろにアーガイル通りにある劇場バルコニーで歌声を披露する予定だ。

Text: Tae Terai

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