医師「なるべく避けて」→実は『寝る前のアイス』は危険だった…医師が教える、“３つのNGポイント”とは？

2025.7.23

寝る前にひんやりと甘いアイスクリームを食べたい気持ち、ついわかりますよね。夜のリラックスタイムに、冷たくて甘いデザートは最高のご褒美。でも、医師たちは「寝る前のアイスはなるべく避けて」とアドバイスしています。その理由を知らずに甘い誘惑に負けてしまうと、健康や睡眠に悪影響が出るかもしれません。

この記事では、寝る前のアイスがなぜNGなのか、医師の視点からその「ワケ」をわかりやすく解説します。

甘い誘惑の裏側に潜む睡眠の妨げと健康リスク

夜にアイスを食べたくなる理由は大きく分けて2つあると考えられています。ひとつは甘さによる「満足感」、もうひとつは冷たさによる「リフレッシュ効果」。この組み合わせが寝る前のリラックスタイムにぴったり。

しかし、医師が「避けたほうが良い」と言うのは、アイスに含まれる糖分や脂肪が眠りの質や体調に影響を及ぼす可能性があるためです。

まず糖分。寝る直前にたくさんの砂糖を摂ると血糖値が急上昇し、その後急降下することがあります。この血糖値の乱高下は、体を落ち着かせるホルモンの働きを妨げ、深い眠りを阻害します。また、糖分の過剰摂取は肥満や糖尿病といった生活習慣病のリスクを高めることも指摘されています。

さらに、アイスに含まれる乳脂肪は消化に時間がかかるため、寝る直前に食べると胃腸に負担がかかりやすいのです。特に睡眠中は胃腸の働きがゆっくりになるため、消化不良や胃もたれを感じる場合もあります。これらの影響は眠りの妨げになるだけでなく、翌朝のだるさや不快感にもつながることが多いのです。また脂質の過剰摂取も脂質異常症のリスクとなります。

その他、冷たいアイスを食べることで胃腸を冷やしてしまい、自律神経のバランスを崩すことや、胃腸の血流が悪くなり消化機能が低下することがあります。その結果、胃もたれや食欲不振、下痢や腹痛、便秘などの症状を起こす可能性があります。

NGポイントを深掘り！改善策や注意したいポイントも紹介

さらに詳しく見ると、寝る前のアイスの問題は「時間帯」と「量」も大切なポイントになります。医師のアドバイスでは、寝る1～2時間前には甘いものは控え、もしどうしても食べたい場合は量を少なめにし、低脂肪や糖質控えめのアイスを選ぶことが望ましいとされています。

具体的には、寝る直前にミルク系の濃厚なアイスではなく、ヨーグルト味やシャーベット系の軽いものを選ぶのがおすすめ。こうした選択は摂取カロリーを抑え、消化もしやすく、睡眠への悪影響を減らせます。また、アイスの代わりに温かいハーブティーやホットミルクを飲むことで、リラックス効果を得られ、睡眠の質向上につながるケースも多いです。

生活リズムによっては、どうしても夜遅くに甘いものが欲しくなることもあるでしょう。そんな時には、食後の時間を確保して、少し早めに食べるようにするなど工夫も可能です。もちろん、健康状態や個人差もあるため、気になる場合は医師や栄養士に相談することも大切です。

夜のアイスは、ほどほどに…

寝る前にアイスが食べたくなる気持ちは誰にでもあるもの。

しかし、糖分や脂肪の多いアイスを夜遅くに食べることは、血糖値の乱高下や消化の負担となり、結果的に翌日の疲れや体調不良にもつながりやすいのです。

どうしても食べたい時は、時間帯や量を調整し、低カロリー・低脂肪のものを選ぶなどの工夫をしましょう。アイス以外にもリラックスできる飲み物や軽いおやつに切り替えることも睡眠の質を高めるうえで効果的です。毎日の健康は小さな習慣の積み重ね。寝る前の甘い誘惑に上手に付き合いながら、快適な睡眠と元気な毎日を目指しましょう。

池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院院長：柏木宏幸

埼玉医科大学医学部卒業。東京女子医科大学消化器内科にて助教として勤務。複数の医療機関で臨床経験を重ね、2023年に現クリニックを開院。胃がん・大腸がんの早期発見と内視鏡検査の普及を目指し、企業や地域住民を対象とした健康診断や生活習慣病の治療をはじめ、一般内科および消化器疾患の診療に幅広く取り組んでいる。また、クリニックのYouTube(https://www.youtube.com/@HKa-wb4jw)を通じて医療知識や内視鏡検査の重要性を発信し、医療情報の普及活動にも尽力中。

池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院：https://www.ikebukuro-cl.com