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“英国ロイヤル”映画3選!エリザベス女王やダイアナ元妃の物語に触れる

  • 2025.6.9

『エリザベス』© 1998 Universal Studios. All Rights Reserved.


6月といえば、イギリスでは王室関連のイベントが相次ぐ季節。君主の公式誕生日を祝う式典「トゥルーピング・ザ・カラー」や王室主催の競馬「ロイヤルアスコット」などが開催され、王室メンバーが姿を見せる機会が増えます。そこで、イギリス王室に関係する映画に注目。数多くの作品がありますが、今回は、エリザベス女王1世、エルザベス女王2世、ダイアナ元妃を描いた3作を紹介します。

イングランドと結婚した“処女王”をケイト・ブランシェットが熱演 『エリザベス』

『エリザベス』© 1998 Universal Studios. All Rights Reserved.

母親のアン・ブーリンが処刑されるなど不遇な生い立ちながら奇蹟的にイングランド女王となったエリザベス1世の数奇な半生を、ケイト・ブランシェット主演で描いた歴史大作です。

16世紀のイングランドでは、敬虔なカトリック信者であるメアリー女王がプロテスタントを激しく弾圧していました。異母妹のエリザベスも王位継承者でありプロテスタント派であることから、メアリーによりロンドン塔に幽閉されてしまいます。しかし、メアリーが病で崩御。25歳のエリザベスは新女王として即位します。

『エリザベス』© 1998 Universal Studios. All Rights Reserved.

エリザベスは宮廷のモテ男であるロバート・ダドリーと相思相愛ですが、重臣からはフランスやスペインとの政略結婚を勧められます。自身の結婚は国の命運にかかわることであり、宗教対立も解決しなければならない、なにより宮廷内には陰謀や策略が渦巻いている……。心休まることのない環境のなか、エリザベスは毅然とした態度で数々の危機を乗り越え、神々しいほどの風格を備えていく様が圧巻です。

イングランドと結婚した“処女王”として知られるエリザベス1世の治世の初期を描いた本作は、重厚で、スリリングで、見応え満点。本作と同じくシェカール・カプール監督とケイト・ブランシェット主演で女王のその後を描いた『エリザベス:ゴールデン・エイジ』(2007年)も必見です。

『エリザベス』

王妃になるよりも……。ダイアナの心の叫びと運命の3日間に迫る 『スペンサー ダイアナの決意』

『スペンサー ダイアナの決意』©Pablo Larrain

イギリスの名門貴族スペンサー家に生まれ、19歳のときにチャールズ皇太子(当時)と婚約、20歳で豪華絢爛な結婚式を挙げたダイアナ妃。その美貌だけでなく、慈善活動などを通じて世界中から愛されたダイアナ妃は、1997年に36歳という若さでこの世を去ってしまいます。そんな悲劇のプリンセスを題材にした作品は数多くつくられていて、『スペンサー ダイアナの決意』もそのひとつです。

『スペンサー ダイアナの決意』©Frederic Batier

1991年のクリスマス。エリザベス女王の私邸サンドリンガム・ハウスにロイヤルファミリーの人々が集いましたが、いつもとは違う空気が流れていました。チャールズ皇太子とダイアナ妃の仲は冷え切り、不倫や離婚の噂が飛び交っていたのです。世界中がプリンセスの動向に注目するなか、ダイアナは心身のバランスを崩していきます。彼女にとって心休まるのは、愛する二人の息子たちと過ごすひと時だけ。母として、ひとりの人間として、この先どう生きるのか、彼女はある決意を固めます。

主演は、クリステン・スチュワート。ダイアナ妃の特徴的な眼差しを再現するとともに、孤独感に苛まれている彼女の揺れ動く心情を細やかに演じました。また、ファッションアイコンとしても常に注目の的だったダイアナ妃らしい華やかでおしゃれな装いにも注目です。

『スペンサー ダイアナの決意』

エリザベス王女のお忍びの一夜をロマンティックに描く 『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』

『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』© GNO Productions Limited

最後に紹介するのは、2022年に死去したエリザベス女王(2世)の若き日を描いたロマンティックな物語。1945年5月8日、ヨーロッパ決勝記念日を祝う夜のこと。当時19歳のエリザベス王女は妹のマーガレット王女とともに、父である国王ジョージ6世の許しを得て外出し、王宮の外で父の演説を聞き、リッツ・ホテルでワルツを踊ったといいます。この史実に着想を得て、創作されたのが本作です。

『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』© GNO Productions Limited

お城を飛び出した王女たちにとって、目にするものすべてが新鮮。心躍らせるエリザベスは、護衛の目を盗んで逃げだした妹を追いかけるうちに、バスの中で軍人の青年、ジャックと出会います。『ローマの休日』さながら、身分を偽り、ジャックと束の間の冒険を楽しむエリザベス。彼女はジャックと話すうちに、戦争の悲劇も知ることになります。

『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』© GNO Productions Limited

心を通わせる二人ですが、それぞれ元居た場所に戻る時間がやってきます。別れを惜しむ切ないひとときの、ジャックのふるまいが素敵!

エリザベス王女を演じたのは、カナダの女優、サラ・ガドン。愛らしく気品があり利発そうなガドンは、どことなくオードリー・ヘプバーンのアン王女に似ていて、その美しさに引き込まれます。

『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』

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構成・文

ライター 中山恵子

中山恵子

ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。

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