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ウエディングドレスの染め直しサービスを開始。ブライダルルックの再着用を後押しする、ジ・オウン・スタジオ

  • 2025.6.8
『VOGUE』に掲載された記事がきっかけで、ウエディングドレスをリメイクすることを思いついたというスミス。
『VOGUE』に掲載された記事がきっかけで、ウエディングドレスをリメイクすることを思いついたというスミス。

ハネムーンが終わると、結婚式の余韻もいよいよ抜け、ウエディングドレスをどうするかという問題が本格化してくる。ドレスをレンタルするのではなく思い切って購入したのはいいが、人生で一番高い買い物であろう1着をたった1日しか着ないのは、いろいろな意味でもったいない。サステナビリティの観点からしてもそうだ。

伝統的にブライダルルックは白いため、染め直すのもひとつの手だ。実際に2024年8月に挙式したトリ・スミスも、この方法で自身のウエディングドレスに第二の人生を与えている。「ウエディングドレスを染め替えた花嫁がいることをネットで知って、自分もそうしたいと思ったんです」と彼女は語る。スミスがドレスのリメイクを思いつくきっかけとなったその花嫁とは、ジェマ・ソート・シルヴァースだ。昨年、彼女は自身のウエディングドレスをピンクに染め直し、UK版『VOGUE』で取り上げられた後に話題になった。

結婚式当日、ジ・オウン・スタジオのドレスを纏ったトリ・スミス。
Tori & Broghan結婚式当日、ジ・オウン・スタジオのドレスを纏ったトリ・スミス。
染め直したウエディングドレスは、お呼ばれドレスとして友人の結婚式で着用。
染め直したウエディングドレスは、お呼ばれドレスとして友人の結婚式で着用。

幸運なことに、ふたりのウエディングドレスを手がけたロンドン発のブランド、ジ・オウン・スタジオ(THE OWN STUDIO)がスミスのドレスのリメイクに手を挙げた。ジ・オウン・スタジオはちょうど今月、グラスゴーを拠点とする天然染色家のキャバン・ジェーンと共同で、新たな染色サービスを開始する。その試験利用をスミスに持ちかけたのだ。「ブランドを立ち上げた理由のひとつは、繰り返し着られるウエディングドレスを作りたかったからです。『ブライダルルックを再着用する』というコンセプトをとても大切にしています」と共同創業者のジェス・ケイとロージー・ウィリアムズは説明する。「それを実際に可能にする自社サービスを展開することは、私たちにとってごく自然な成り行きでした。染色からお直しまでのすべてを請け負うサービスを作りたかったのです」

いつまでも大事にされる1着だからこそ、リメイクして着続けるべき

染め上がったサンプル生地の見本。
染め上がったサンプル生地の見本。

「Own Again(オウン・アゲイン/“再び自分のものになる”)」と名付けられたこの新たなサービスを試してみることにしたスミスは、まず送られてきたデジタル色見本の中からカラーを選んだ。その後、ウエディングドレスと同じ生地のサンプルを染めた見本が届き、ドレスそのものを染める前に実際の仕上がりを確認することができたという。染色を担当したジェーン曰く、ジ・オウン・スタジオのブライダルピースは主に天然素材を使用しているため、染め直しの工程が比較的簡単だそうだ。「これまでさまざまなタイプの衣服を染め直してきましたけれど、オウンが手がけるデザインと生地は、染料をとてもよく吸収してくれることに気づたいのです」と彼女は言う。

グラスゴーのアトリエでドレスを染め直すキャバン・ジェーン。
グラスゴーのアトリエでドレスを染め直すキャバン・ジェーン。
ピンクに生まれ変わったドレス。
ピンクに生まれ変わったドレス。

最終的にスミスは、ドレスが持つモダンな雰囲気を引き立ててくれるディープピンクに、ストラップレスのシルクミカドガウン(スタイル053)を染め直すことにした。「(ウエディング)ドレスは絶対に取っておきたかったんです。でももう着ることはないかも、と思うと本当に残念でもったいなくて」と彼女は振り返る。「この特別なドレスに第二の人生を与えることができたら、どれだけいいだろうと思っていました。そうすればずっと手もとに残しておいて、何度も繰り返し着ることができますから」。より着やすくするために、裾上げもしてもらったと彼女は付け加えた。

そしてつい先日、ピンクに生まれ変わったガウンをスミスはロンドンで行われた友人の結婚式に着て行った。最初は誰も、それがもともとは彼女が挙式で着用したウエディングドレスだとは気づかなかったそうだ。「ひとり、同じブランドの1着かと聞いてきた人がいました。でも、私が実際に式で着ていたウエディングドレスだとは気づいていなかったです」とスミスは言う。「染め直したことを知ったときはびっくりしていました。でも、みんなすごく素敵だとも言ってくれましたね」

ケイとウィリアムズは、これからも多くの人がこの染色サービスを通じて、それぞれのジ・オウン・スタジオのウエディングドレスに、新たな息吹を与えてくれることを願っている。「ウエディングドレスはとても特別なもので、大きな投資であることが多いです」と言うふたり。「いつまでも大事にし、繰り返し着るのにふさわしい1着なのです」

Text: Emily Chan Adaptation: Anzu Kawano

From VOGUE.CO.UK

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