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「二度と繰り返してはいけない」「痛ましい…」歴史に残る“大惨事を描いた脚本”に驚愕…「邦画1の名作」“異質な演出”が光る衝撃作

  • 2025.7.5

映画の中には、実際に起きた事件とよく似た状況を描いた作品があります。今回は、そんな「実在の事件を彷彿とさせる作品」を5本セレクトしました。本記事では第5弾として、映画『クライマーズ・ハイ』(東映、ギャガ・コミュニケーションズ)をご紹介します。日本史上最悪の航空機事故を前に、新聞社の記者たちは何を報じ、何を守ろうとしたのか。 “伝えること”にすべてを賭けた、あの夏の記憶とは――。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

命を報じるとは何か――地元で起きた大惨事と報道の修羅場

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(C)SANKEI
  • 作品名(配給):『クライマーズ・ハイ』(東映、ギャガ・コミュニケーションズ)
  • 公開日:2008年7月5日
  • 出演:堤真一(悠木和雄 役)

舞台は、群馬県にある地方紙・北関東新聞社。1985年8月12日、乗客乗員524名を乗せた日本航空123便が、群馬県多野郡上野村の御巣鷹山に墜落します。その現場取材の全責任を託されたのは、社内で異端視されてきた記者・悠木和雄堤真一)でした。

報道とは何か。真実とは何か。そして新聞は“命の重さ”を伝えることができるのか――。

組織の論理と、記者としての信念のはざまで揺れながら、悠木は“伝える”という行為の意味を問い続けます。猛暑のなか、極限状態で奔走する記者たちの姿を通して描かれるのは、ひとつの“事件”ではなく、命と向き合う人間たちの記録です。

編集部に渦巻く緊張とクライマーズ・ハイ

『クライマーズ・ハイ』は、1985年に発生した日航機墜落事故をもとに描かれた作品です。原作を書いたのは、当時、群馬県の地方紙“上毛新聞”で社会部記者として勤務していた横山秀夫さん。事故の第一報から現地取材にあたった自身の経験を、小説という形で綴りました。

映画では、事故そのものではなく、その報道に関わった新聞記者たちの姿に焦点が当てられています。編集部内の混乱や組織間の対立、そして“何を伝えるべきか”と悩み続ける個々の葛藤が、緊張感をもって描かれています。物語に登場する新聞社や記者たちはフィクションですが、その背景には記者として実際に現場を経験した横山さん自身の“記憶”と“現実”が色濃く投影されています。

メガホンをとったのは、『日本のいちばん長い日』などで知られる原田眞人監督。特ダネをめぐってぶつかり合う新聞記者たちの姿を、力強く、そしてエネルギッシュに描き出しました。タイトルの“クライマーズ・ハイ”とは、登山者が恐怖や疲労を忘れるほど集中した状態のこと。命を扱う報道の現場で、極限まで追い込まれながら、それでも前へ進もうとする記者たちの姿に、その言葉が重なります。

実在の事件を題材にしながらも、フィクションとして描かれた本作は、事実と想像のあいだで“報道とは何か”を問いかける社会派作品です。

緊迫感と生々しさを生む“異質な演出”

『クライマーズ・ハイ』の撮影では、原田眞人監督が“ワンシーン・ワンカット”にこだわったそう。それは、演技中にセリフを間違えても、途中で止めることなく、最後まで演じ切るというスタイルです。

その異質な演出によって誰ひとり気を抜けない緊張感のなか、こだわりぬいた撮影は、現場の熱量をそのまま映し出しているかのような生々しさを感じさせます。

本作については、「こんな大きな事故だったとは…」と驚きの声とともに、「痛ましい…」「二度と起きてほしくない」「二度と繰り返してはいけない」といった悲しみや祈りの声が多く見受けられ、本作が視聴者の心に深く訴えかける作品になっていることがうかがえます。さらに、「邦画一の名作」といった称賛の声も多数寄せられている作品です。

圧倒的な緊張感のなか、それでも言葉を紡ごうとした記者たち――忘れがたい“あの夏”は、今を生きる私たちにも、何かを問いかけてくるようです。


※記事は執筆時点の情報です