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「初めて映画館を途中で出た」「残念すぎる」原作ファンから“苦言”あがるも…「珍しく原作よりも好き」絶賛の声が殺到した名映画

  • 2025.7.1

あなたの大切なものは何ですか?それと引き換えに1日の命を与えると言われたら、あなたはどうしますか?

人は、失って初めてその大切さに気づくことが多いものです。今を生きる自分にとって何が大切か、今一度見つめ直してみませんか?今回は、“切ない恋愛映画”5選をセレクトしました。本記事では第3弾として映画『世界から猫が消えたなら』をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

大切なものを引き換えに1日の命を貰える...失って気づくかけがえのないもの

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(C)SANKEI
  • 作品名(配給):映画『世界から猫が消えたなら』(東宝)
  • 公開日:2016年5月14日

あらすじ

飼い猫と暮らす30歳の郵便配達員“僕”(佐藤健)が、腫瘍により余命宣告を受けます。そんな時、“僕”とまったく同じ容姿の悪魔(佐藤健)が目の前に現れました。そして「大切なものと引き換えに1日の命を与える」と告げられます。時計、電話など大事なものが無くなる毎日の中で、元恋人や疎遠になった親友との再会を果たし、また、父親の想いに触れ、亡き母が残した手紙を手にします。そしていよいよ迎える最期の日に、“僕”はある決断をします…

僕と悪魔の取引の果てに得たものは?今を生きるために考えさせられるヒューマンストーリー

余命宣告をされ、悪魔と出会い「大切なものと引き換えに命を貰える」ということで、引き渡す時計や電話、そして失う人との思い出や記憶。引き換えるたびに、何かが心に引っ掛かり、最終的に本当にかけがえのないものに気づく“僕”。ストーリーが進むにつれ、ジワジワと気づいていく“僕”に、自分を照らし合わせて観ている視聴者も多かったようです。

「大切な人を大事にして生きたい」「共通の趣味を持つ友達はマジで大事にしたい」「人生において人を取ると、むなしいだけなのかもしれないと思った」など、観終わった後にそれぞれ大切な誰かを思い浮かべ、愛しい気持ちになった様子。当たり前にあるものに気づかず、それがいかに大切か実感した視聴者が多かったようです。

かけがえのない大切なものに気づいた“僕”は、自らの死を受け入れる覚悟を固めます。家族の絆を守るために最期を迎えるのは、自己犠牲ではなく、愛に気付いたゆえの決意ではないでしょうか?

「何かいい物語があって、それを語る相手がいる。それだけで、世界は捨てたもんじゃない」このセリフは、多くの人の心に刺さっており、著名人も自身のSNSや公式サイトにコメントを残しています。

(前略)『世界から猫が消えたなら』でも言っていたようにね。いい映画だし、いい夜だったよ。
出典:古市憲寿さん X 2016年4月19日投稿
伝える相手がいてくれるから、いい物語に価値が生まれるのですね。
出典:語る相手がいてくれるから、いい物語が生まれる。 中谷彰宏公式サイト 2017年7月31日配信

過酷な撮影スケジュールに疲労困憊...悪魔っぽくない容姿には裏話が!

映画『世界から猫が消えたなら』は、佐藤さん演じる“僕”と悪魔が主人公。両方を佐藤さんが演じており、撮影は、ほぼ出ずっぱりということもあり大変だったようです。映画.comのインタビューで以下のように語っています。

疲れますよ(苦笑)。共演者も自分、もしくは猫なので孤独感もあったし、けっこう大変でした。でも、この映画の出来に対する自分の比重がすごく大きいと思っていたので、頑張らないと、と。
出典:世界から猫が消えたなら : インタビュー 映画.com 2016年5月13日配信

映画の撮影中、佐藤さんはずっと「自分がダメだったら映画もダメだと思っていた」そうで、クランクアップの際、達成感はそれまでの出演作の比ではなかったそうです。

また、今回の“僕”と悪魔役の2役をやることになり、当初、悪魔はいかにもデビルという様相の予定だったとか。しかし、監督が、

健くんで当て書きを始めて、絵を想像すると健くんがそのまま2人で話していた方が面白いかなと(後略)
出典:世界から猫が消えたなら : インタビュー 映画.com 2016年5月13日配信

ということで、同じ容姿になったそうです。同じ容姿になることで、表現的に表情や仕草、言葉の抑揚などで緻密な違いを表現してくことになる、そういうことを佐藤さんにやってほしいという想いだったようです。ただし、佐藤さんはインパクトは付けたいため、指が長いという特徴だけはつけほしいと依頼したとのこと。

キャストや制作陣の苦悩とこだわりが感じられる本作ですが、原作ファンからは「原作の大ファンだからちょっと不安」「観に行くの少し怖い」と不安の声があがっていました。視聴後の原作ファンの反応は「最後まで観てられなかった」「初めて映画館を途中で出た」「残念すぎる」など厳しい声も。

一方で「原作は僕の一番好きな本ですが、映画の方も一番好きな映画になりました」「原作は元々読んでましたが途中何度もうるうる」「原作も面白かったけど映画も良かった!」「珍しく原作よりも好き」「原作よりも映像でメッセージが強く出ていて面白い」「原作より映画の方が泣けた」と絶賛する声が多く見られました。

忙しい日常で見失いがちな、自分の本当に大切なものを改めて考えさせる映画です。ぜひ大切な人とご覧になってください。


※記事は執筆時点の情報です