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「事実を描いて何が悪い」「本当に酷い」テレビ局に意見書が届く“異例事態”に苦言あがるも…「神作だった」大絶賛の名ドラマ

  • 2025.6.30

誰かのお世話になることも、また誰かを支えることも、決して簡単なことではありません。今回は、そんな“介護をテーマにした作品”を5本セレクトしました。
本記事ではその第5弾として、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』 (フジテレビ系)をご紹介します。幼い頃から人を思いやってきた音が選んだ“介護という仕事”——その先に描かれる希望と再生の物語とは――。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

「音へ…」と記された手紙 - 交わらないはずの人生が動き出した瞬間

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(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)
  • 放送期間:2016年1月18日 - 3月21日
  • 出演: 有村架純(杉原 音 役)

北海道の小さな町で、杉原音(有村架純)は養父母と暮らしていました。夢や自由とは無縁の生活の中で、息苦しさを感じながら過ごす日々…。一方、東京で暮らす曽田練(高良健吾)は、運送会社で荷物と時間に追われながら、先輩に雑用を押しつけられても黙々と働いていました。

そんなある日、練の友人・中條晴太(坂口健太郎)が持ち帰ったかばんの中から、“音へ”と書かれた古い手紙が見つかります。この見知らぬ相手に手紙を届けなければ…そう感じた練は、北海道へ向かいますが――。

「家族に介護をやめさせようと思った」“ブラック職場”の描写に衝撃

家族に介護の仕事をやめさせようと思った」――。

ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』の放送後、日本介護福祉士会には、そんな切実な声が届きました。主人公・杉原音(有村架純)が働く介護施設での24時間勤務やパワハラまがいの言動、月収14万円という厳しい環境が描かれ、視聴者に強い印象を与えたのです。

この反響を受け、日本介護福祉士会はフジテレビに意見書を提出。「すべての施設が過酷なわけではない」「介護は人間性や思考力が求められる誇りある仕事」とし、働きやすい職場づくりに取り組む現場があることにも目を向けてほしいと訴えました。

しかし、ネット上では「事実を描いて何が悪い」「あれが現実」「介護現場の過酷さ、給料の安さは本当に酷い」といった声が相次ぎました。現場で働く人たちからも「あんなひどい現場ではない」という声があったものの、「ドラマ通りの職場もある」「理想だけで語らないでほしい」という率直な意見が多く寄せられ、福祉士会に対する反発も少なくありませんでした。

『いつ恋』は、切ないラブストーリーとして多くの人の心をつかんだ一方で、音が働く介護現場の描写もまた、人々の記憶に強く残りました。

本作は、さまざまな専門家の監修や実際の現場取材を経て制作されたそうですが、SNSにも「自分も経験してるから本当にブラックなんだなと改めて思った」「いつ恋の介護士のこの気持ちわかるよ。うちは消耗品ですか?って」といった声が寄せられています。

少子高齢化がますます進む日本…。このドラマは、そんな日本の介護現場に光を当て、介護士のリアルを描き出しています。

「精一杯生きてるドラマは他にない」 やさしさと再生の物語

音は、幼い頃に引き取られた家で家事や養父母の世話をする日々を送っていました。 そんな音にとって、介護という仕事は、ごく自然な選択だったのかもしれません。

このキャラクターは、介護施設や、地方から上京して働く若者たちへの丁寧な取材をもとに生まれたといいます。だからこそ、音の言葉や行動にはリアリティがあり、押しつけがましくない優しさが伝わってくるのでしょう。

SNSには、「こんなに精一杯生きてるドラマは他にない」「1番大好きな月9」「今まで観た中で1番好き」「神作だった」といった声も寄せられています。

幼い頃から、常にひたむきに生きてきた音――。

本作は、介護を“仕事”として選んだ一人の女性の物語であると同時に、彼女を取り巻く人々の温かさや、そこから生まれる希望、そして音自身の成長を丁寧に描いた、心に残る名作です。


※記事は執筆時点の情報です