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「異様に生々しい」「人間として最低」“期待を裏切る展開”に憤慨する声も…だけど「人生一好きな映画」心震わす至高の名作

  • 2025.6.20

二人が出会い、やがて惹かれ合う、どこにでもある甘酸っぱい恋物語。しかし、恋人となる2人が健常者と障害者だったら...。綺麗ごとだけでは語れないリアルなストーリーは、多くの人の心に温かさと切なさを残しました。

今回は、“切ない恋愛映画”5選をセレクトしました。本記事では第1弾として映画『ジョゼと虎と魚たち』をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

障害を持つ女の子と普通の大学生の恋と成長の物語

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(C)SANKEI
  • 作品名:映画『ジョゼと虎と魚たち』
  • 公開日:2003年12月13日

あらすじ

麻雀屋さんでアルバイトをしているごく普通の大学生・恒夫(妻夫木聡)が、ある日帰り道で、坂の上から降りてくる乳母車に遭遇しました。中にいたのは少女のジョゼ(池脇千鶴)。ジョゼは生まれた時から病に侵されており、歩けません。恒夫とジョゼは、出会ってから、逢瀬を重ね惹かれ合い、様々なことを語り、やがて恋人に...。しかし、頭では理解していても、歩けないジョゼとの恋愛には障害がつきもの。さらに周囲の状況で、関係が複雑化し、やがて2人の間に溝が生まれていきます。果たして、2人の恋の行方は...。

綺麗事ではないリアルなストーリーに涙が止まらない

恒夫とジョゼは、お互い惹かれ合い恋人となり、最後には別れに辿り着くことになります。

恒夫とジョゼは健常者と障害者の恋。別れの理由は、恒夫がジョゼを将来を共にすることを躊躇したことでした。この理由に視聴者は「好きだけじゃ乗り越えられないこともある」「恋愛と結婚は別物だから仕方ない」「異様に生々しい」などの声とともに「こうなるのはわかっていたのでは?軽々しく付き合うものではない」「こんなのジョゼだけがかわいそう」「人間として最低」など悲しみと怒りを抑えきれない声も届いています。

しかし、ジョゼも自分自身が恒夫に依存してしまっていることに気づいていました。そのため、ジョゼも自立を求めていたのです。別れることになったものの、最後には2人の間に愛情があったことは確かだったことを確かめ合っています。

多くの恋愛ドラマは、障害や病があっても懸命に支え合うという描写が描かれがちですが、同作では“人間臭い”部分が描かれており、異質とも言える脚本となっています。そのことに「健常者が逃げ出すところをしっかり描いているのは珍しい」「素晴らしく最低で人間くさく綺麗で汚い」「人生一好きな映画」「一回は観た方がいい」綺麗ごとだけではない、リアルなストーリーを多くの視聴者が絶賛していたようです。

「僕が逃げた」セリフに胸が痛む...

映画『ジョゼと虎と魚たち』の物語の終盤、ジョゼと別れた後に恒夫のモノローグで「別れの理由は、まあ色々。てことになっている。でも本当はひとつだ。僕が逃げた」というセリフがあります。この言葉に、胸を引き裂かれる思いを抱いた視聴者が多数いたようです

「事実はそうかもしれないけど、言葉にしてしまうとつらい」「恒夫は一生ひきずるのではないか」「恒夫は自分を責め続けるのかな?」などの声が集まっていました。いざ家族と会わせるというところで、今までは目を瞑っていた部分から目を逸らせなくなった恒夫。そこで別れを選んだため、“僕が逃げた”という気持ちになったのでしょう。

また、恒夫の元カノ・香苗(上野樹里)は、ジョゼに恒夫を取られたことで「障害者のくせして、私の彼氏を奪うなんて...」と言い放ちます。また、ジョゼの足が悪いことを“武器”とまで言いました。酷い差別感情「口にしていいことではない」「言い方が悪い」「本音だとしても言うことではない」などの声も多く、観る者の感情を激しく揺さぶる作品であったことが伺えます。

名俳優・妻夫木聡の代表作!胸を締め付ける恋物語

映画『ジョゼと虎と魚たち』は妻夫木聡さんの代表作のひとつで、非常に高く評価されている作品です。

ハッピーエンドともバッドエンドともいえない、切なく胸を締め付ける恋物語、ぜひご覧になってみてください。


※記事は執筆時点の情報です