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「本当辛くて鬱になる」「苦しさしかなかった」天才女優“15歳”の圧巻演技に騒然…公開から16年、今も評価され続けるワケ

  • 2025.6.21

マスコミの在り方やSNSでの情報交錯とその危険性が生み出す闇に苦悩する家族と、家族を保護する警察ら。一つの事件に多くの人間が絡む故に複雑化していく物語、2009年1月24日に公開された映画『誰も守ってくれない』をご紹介!加害者家族が受ける追い打ち…、守られるべき人とは?悲劇的な結末に、視聴者も絶句する映画です。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

幸せな毎日が一転、マスコミに追い回される家族の辛辣な物語

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(C)SANKEI

作品名:映画『誰も守ってくれない』
公開日:2009年1月24日

あらすじ

小学生の姉妹を殺害したという事件で、家族の長男・直人(飯嶋耕大)が逮捕されました。父親の礼二(佐藤恒治)、母親の澄江(長野里美)、15歳の妹の沙織(志田未来)は、渦中の人となり、世間のバッシングに追い詰められる毎日となります。バッシングが日に日に強くなる一つの理由は、マスコミ。どこまでも執拗に追いかけ回してくるマスコミ対策として、二人の刑事、勝浦(佐藤浩市)と三島(松田龍平)が保護に付きました。父親、母親、妹、それぞれが別に保護される中、妹・沙織の担当は勝浦に。世間の目、マスコミから家族を守るため奮闘しますが、母親は自殺という悲劇的な結末となってしまいます。妹・沙織は、どのような運命を辿ることになるのか…。

「観ないほうが良かったと後悔したけど...」残酷なストーリーの裏にある強いメッセージ

映画『誰も守ってくれない』は、奇しくもタイトルにふさわしいと言わざるを得ない、辛辣なストーリー。映画を観て、後味の悪さ、胸糞悪さを感じた視聴者が多いようです。「苦しさしかなかった」という声がある一方で「観ないほうが良かったと後悔したけど、一度は観ておく価値はある」という声も多数ありました。

一方、圧倒的に多かったのは「考えさせられた」という声。「もしかしたら自分に降りかかってくる可能性も無くはない物語」と自分事として想像思案する視聴者、「加害者が圧倒的に悪い。それを前提として加害者家族は悪いのか?」という点でモヤモヤが晴れない視聴者が多かったようです。「加害者は悪いけど家族...難しい立場」「家族は悪くない!でも家族だから晒される」「家族は悪くないと思っている人もいるけど、被害者の立場になればそう思える?」など様々な意見が飛び交っていました。

加害者家族は悪くないのか?加害者家族は被害者になるのか?答えが出ない問いでしょう。答えが出ない問いだけに、視聴者は苦しい、後味の悪い想いが沸き起こってくるのでしょうね。

時を経ても評価され続けるワケ

映画『誰も守ってくれない』は、第32回モントリオール世界映画祭で最優秀脚本賞を受賞しています。この映画は、君塚良一監督のオリジナル脚本作品となっています。

君塚監督といえば、『踊る大捜査線』シリーズの脚本を手掛け、第一線で活躍し続けています。監督はこの作品について、ほっとこうちwebのインタビューで次のように語っています。

(前略)この作品のテーマはどんなに考えても答えが出るものじゃない。なので僕は、観客の皆さんに委ねようと思ったんです。だから、観客のみなさんが見終わった後に、考えたり話合ったりしてくれたら嬉しいなと思ってます(後略)
出典:君塚良一監督×佐藤浩市 ほっとこうちweb 2009年2月1日掲載

事件というものは、必ず加害者と被害者が存在します。そして、どちらにも家族が存在するでしょう。被害者家族のことは、否応なしにも世の中の大半が同情します。しかし、今回の映画は事件後の加害者側家族が描かれています。珍しい視点からの作品だけに、監督の思惑通り、考えさせられた人が多かったのではないでしょうか。

視聴者は「確かに容疑者家族についてあまり目を向けた事はないな」などの声がある一方で「家族は関係ないと言いたいけど、実際は大きく巻き込まれる世の中」「犯人である家族を心底恨むと思う」などの意見が寄せられていました。

15年振りに観たけど色褪せてない」「SNSが浸透した今現在更に複雑且つ過激になっているのかな…」という感想も見受けられ、改めて本作の持つテーマの重さが浮き彫りになりました。

長年の月日を経てもなお評価され続ける本作は、普遍的な問いを投げかけるが故に、多くの人々の記憶に深く刻まれているのではないでしょうか。時代や技術が変わっても、人間の本質や社会の問題はそう簡単には変わらないことを本作は鋭く描き出し、むしろ現代においては、その問題提起がより現実味を帯びて感じられ、観る者に強いインパクトを与える作品といえます。

天才女優・志田未来の圧巻演技に絶賛の声が続出

映画『誰も守ってくれない』で名演技を見せた志田未来さん。当時は15歳。引き込まれるような演技に、絶賛の声が集まっていました。

兄が人殺しを犯し、逮捕された日に母親が自殺する。壮絶な役柄を見事15歳で演じ切っています。視聴者は「未来ちゃんの演技が神がかっている」「志田未来は天才的だな」「志田未来の演技が一番感情移入させられた」志田未来ちゃんはやっぱり天才」など虜になっていたようです。特に表情や仕草に気持ちを反映させていることに、高評価の声が集まっていました。

君塚監督からは役作りをしないで、現場に来た時の感覚でやってくれればよいと言われており、志田さんはなかなか慣れず苦労したようです。そうとは思えない演技力ですよね。ぜひ、15歳の志田さんの快演を観てみてはいかがでしょうか。


※記事は執筆時点の情報です