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27年前、日本中が口ずさんだ“クセになるポップソング” 時代を超えて心に残る“未解決で曖昧な名曲”

  • 2025.6.29

「27年前、誰もが口ずさんだポップなメロディを覚えてる?」

1998年3月14日にリリースされたPUFFYのシングル『愛のしるし』は、シンプルでありながらも心に残るメロディと歌詞で、瞬く間に多くのリスナーの心をつかんだ。この曲は、当時の日本の音楽シーンに新たな風を吹き込んだだけでなく、今でも愛され続ける名曲としてその地位を確立している。

PUFFY『愛のしるし』ーー1998年3月14日、リリース

PUFFYは、1996年にシングル『アジアの純真』で大ブレイクし、その後1990年代後半の音楽シーンを席巻したユニットだ。彼女たちの音楽は、シンプルで親しみやすいメロディと、アメリカンポップやロックの影響を受けたエネルギッシュな歌詞が特徴であり、そのスタイルは当時の音楽シーンにおいて非常に新鮮だった。『愛のしるし』は、そのPUFFYらしいシンプルでキャッチーな魅力を前面に押し出した一曲で、シングルリリースからすぐに大ヒットを記録した。

PUFFYが登場した1990年代後半、日本の音楽シーンは急速に多様化。J-POPの黄金時代が続き、数々のアイドルやバンドが登場し、音楽シーンは多くのジャンルに分かれていた。そんな中で、PUFFYは独特の音楽スタイルで新しい風を吹き込んだアーティストのひとつ。彼女たちの音楽は、肩肘を張らず、ありのままで楽しめるというメッセージが込められており、その素直でストレートな魅力が、多くの人々を惹きつける。

口ずさみたくなるメロディと“曖昧さ”ゆえに輝く歌詞

『愛のしるし』の最も印象的な特徴は、キャッチーなメロディ。編曲は奥田民生が手掛けている。軽快でリズム感の良いイントロから始まり、耳に残るギターリフが印象的だ。メロディ自体が非常に耳に残りやすく、誰もが一度聴けばすぐに口ずさみたくなるような特徴を持っている。このクセになるメロディは、PUFFYの音楽の大きな魅力の一つである。

そして歌詞については、スピッツの草野マサムネ(この曲におけるクレジット名義は草野正宗)が作詞を担当している。シンプルでわかりやすい単語を用いながらも、どこか抽象的。ネット上を見てもその解釈は聴く人によってさまざまに分かれていて、答えと呼べるものは無い。

出会った人への想いが揺れ動き、「ちょっとした気の迷いで愛と呼べるものではないのでは…?」と葛藤しながらも、その想いそのものを大切なものとして楽しんでいる自分もいて、いつかその人に告白してみようと決心しているラブソングーー

と筆者は解釈してみたが、言葉の意味を明確に提示しない、その“曖昧さ”ゆえに興味をそそられ、何度も聴きたくなるような魅力を放ち続けているのではないだろうか、とも感じた。

PUFFYの音楽が与えた影響

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(C)SANKEI

PUFFYは、日本のポップスの枠を超え、エネルギッシュで前向きな歌詞とシンプルなメロディを持つ楽曲を提供し、広い世代層に受け入れられた。その結果、海外でも評価を受け、PUFFYの名前は日本を超えて広まる。

特にアメリカでは、PUFFYの音楽が日本の音楽シーンを世界に紹介するきっかけとなり、感情に訴えかけるメロディと歌詞が、海外のリスナーにも共感を呼んだ。『愛のしるし』も、国内外で多くのリスナーに愛され、広く知られる名曲となった。

PUFFYの爽やかな歌声、シンプルでキャッチーなメロディ、そしてポジティブな歌詞は、時代や国籍を超えて聴く人々に元気を与え、心を温かくする。

27年経っても色あせない“曖昧な名曲”

『愛のしるし』は、リリースから27年が経過した今でもその魅力を失うことなく、多くの人々に愛され続けている。

時代が変わり、音楽シーンも進化していく中で、PUFFYはその独自のサウンドと精神を保ち続け、今もなお新しいファンを惹きつけている。『愛のしるし』は、時代を超えて心に残る“未解決で曖昧な名曲”であり、今後も長く語り継がれるべき作品だろう。


※この記事は執筆時点の情報です。