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31年前、日本中が痺れまくった“棘ある名曲” バブル崩壊後に爆誕した“90年代ビジュアル系の金字塔”

  • 2025.6.28

「31年前、日本中が痺れまくった名曲が爆誕したのを覚えている?」

1994年は、J-POPがさらなる発展を遂げ、特に若者の心をつかむ音楽が次々と登場した時代。音楽シーンにおけるジャンルの多様化が進み、ロックやヴィジュアル系バンドもますます注目を集めていた年である。

この年にリリースされたLUNA SEAの『ROSIER』は、その革新的なサウンドと深い歌詞で、音楽シーンに強いインパクトを与え、現在でも語り継がれる名曲となった。

LUNA SEA『ROSIER』ーー1994年7月21日、リリース

未定義
(C)SANKEI

1994年7月21日にLUNA SEAの3枚目のシングルとしてリリースされた『ROSIER』は、ヴィジュアル系バンドとしての地位をさらに強固にした一曲だ。

『ROSIER』というタイトルは、フランス語で「バラの木や茂み」、つまり美しいが棘を持っており容易に近づけない二面性を持つ花を意味しており、美しいが触れると怪我をしてしまう危険な人を比喩していると想像できる。歌詞は、その愛する人に近づくことのできない葛藤や一種の諦め、それを慰めてはくれない都会の厳しい孤独感や残酷さ、そしてこれからの人生を自ら切り拓いていく覚悟を表現している。

華々しい時代が終焉を迎え、虚無感や将来への不安、愛に対する渇望ーーそういった漠然とした負の感情がはびこっていたバブル崩壊後の日本の状況。それらと、この曲の歌詞やLUNA SEA独自のロックサウンドがぴったりとマッチし、そのすべてに日本中が痺れまくった。結果として、1990年代のヴィジュアル系の金字塔となりえたのだ。

時代を超えて共鳴するロックの名曲

『ROSIER』が日本の音楽シーンに与えた影響は計り知れない。リリース当初、LUNA SEAはヴィジュアル系バンドとしての認知度は高かったものの、この曲のリリースによって彼らの洗練された音楽や芸術性は一段と広く知られ、より多くのリスナーを引き寄せ、ロックシーンの中で確固たる地位を築くこととなる。

『ROSIER』は、2014年公開のホラー映画『喰女 -クイメ-』のイメージソングとして華原朋美によってカバーされるなど、さまざまな場面において色あせることなく聴き継がれており、今でもLUNA SEAの代表曲として語られる。特にライブパフォーマンスにおいては、ファンの熱狂的な反応を引き出し、バンドのエネルギーと情熱を観客に伝える重要な役割を果たしてきた。

現在に至るまで多くのアーティストがLUNA SEAの影響を受けたと公言していたり、ライブ演奏の素晴らしさについてリスペクトを表明していたりと、LUNA SEAはその後の日本のロックシーンにも多大な影響を与えたが、『ROSIER』がその象徴的な一曲と言っても差し支えないだろう。

31年経っても色あせない名曲

LUNA SEAは昨年35周年を迎えた。それでいて、その音楽は世代を超えて多くの人々に感動を与え、今もなお新しいファンを惹きつけている、まさに1990年代を代表する伝説的なバンドである。

その代表曲とも言える『ROSIER』は、聴くたびに、あの頃の情熱や痛み、感情が蘇る。当時、社会の変革や経済の不安の中で若者たちが抱えていた心の葛藤を、LUNA SEAは音楽という形で見事に表現した。その力強いメッセージと共鳴するサウンドは、今聴いてももなお、新たな発見があるような魅力を放ち続けている。それこそが、『ROSIER』が31年経ってもなお多くのファンに愛され続ける理由だ。


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