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芸妓になって、できるようになったこと3選 「ならでは」のその場に合わせる・空気を読む技術【さっぽろ芸妓日記vol.21】

  • 2025.5.17

札幌で芸妓をしております、「こと代」と申します。 「芸妓」といえば、京都のイメージが強いと思います。
しかし北海道にも、開拓期から道内各地に花柳界がございました。

現在は札幌のみになってしまいましたが、「さっぽろ 名妓連」には11名の芸者衆が所属し、毎日お稽古、お座敷などで活動しております。

Sitakke

連載「さっぽろ芸妓日記」では、札幌の花柳界の歴史や 文化などをご紹介していきたいと思います。お付き合いのほど、どうぞ宜しくお願いいたします!

芸妓になって、できるようになったこと

今年で芸妓としてデビューして丸7年が経過しました。
この7年間で本当にいろんなことがありました…。

今回は、その中で私が感じた
「芸妓になって、できるようになったこと」
「芸妓になって、できなくなってしまったこと」
こちら、2つのテーマに沿ってお話していこうと思います!

最後までお付き合いいただけますと嬉しいです。

Sitakke
今から約7年前、お披露目直後のお座敷での様子。かなり緊張気味の模様です

芸妓になって、できるようになったこと①着物をひとりで着られるようになった!

私の連載では散々申しておりますが、真っ先に思いつくのがこちら。
知識ゼロからスタートしましたが、今では着物の種類やTPOなどが少しずつ分かるようになってきました。なにより、ひとりで着付けができるようになったのが嬉しいところ。

Sitakke
お姐さんと歌舞伎を観に東京へ行った時の写真。旅先でも和装を楽しめるのが嬉しいです

見習いの頃は、お姐さんに着付けを教えていただきます。早くひとりで着られるようにと、休日に一生懸命練習したのが懐かしい思い出です。
当時、熱心に指導してくださったお母さんやお姐さん方には感謝の気持ちでいっぱいです。

今でも「こういうシーンでこのお着物と帯の組み合わせは大丈夫でしょうか?」なんて相談させていただくこともよくありますよ。身近に着物の先生がたくさんいてくださり有難いですね。

プライベートでは、着物に興味のある友人と一緒に和装を楽しんだりしています。

芸妓になって、できるようになったこと②人見知りが直った!

もともと、母親の後ろに隠れて、ひたすらもじもじしているようなシャイな子でした。

今でも人前に出るのは緊張しますが、昔の自分が今の自分の姿を見たらびっくりするだろうな…という程、変わったなと自分でも思います。笑
お仕事柄、初めましてのお客様とお話をする機会が多いので、そこで鍛えられましたね。

かしこまった接待の場ではあまりでしゃばりすぎず、プライベートの少しくだけたようなお席ではちょっぴり込み入ったお話を…など、“その場に合わせる・空気を読む”のは今でもやはり難しいなと感じます。

ちなみに、札幌のお姐さん方は皆さんお話が上手でとてもおもしろいんです。ご一緒させていただくときは、いつもお勉強させていただいています。

芸妓になって、できるようになったこと③初めての経験だらけ!わくわくの毎日

お客様に美味しいものを食べにいろいろなお店へ連れていただいたり、
お仕事で全国あちこちに行かせていただいたり、
お座敷でお立場のあるすごい方々とお話させていただいたり…。

他のお仕事ではなかなかできない貴重な経験を毎日させていただいております。

Sitakke
お仕事で大倉山に寄せていただいた時のお写真。皆でわいわいと遠足のようで、とても楽しかったです

このお仕事を続けるのって、体力的にも精神的にも大変なことが本当に多いのですが…それ以上にたくさんの経験をさせていただけるので、やはりやりがいがあります。

ですが、それと同時に残念ながらできなくなってしまったことも。
次回の記事で、そちらを紹介いたしますね。どうぞお楽しみに!

***

連載「さっぽろ芸妓日記」
文:さっぽろ名妓連 こと代
編集:Sitakke編集部IKU

<「こと代」プロフィール>
札幌生まれ、札幌育ち。2018年にお披露目して以降、現在も最北の花柳界「さっぽろ 名妓連」で芸妓として活動中。開拓期から続く北海道の花柳界文化をたくさんの方に 知っていただくべく日々奮闘中。飼い猫達と遊ぶことが日々の癒し。

※掲載の内容は記事執筆時(2025年5月)の情報に基づきます

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