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「壁の中に、こびとの部屋が…」小さな世界から、物語が広がる 『Mozuミニチュア展』の魅力をミニチュア作家目線で深掘り/札幌

  • 2025.5.16

壁の中に広がる、小さな世界。

SNSで大きな話題を呼び、注目を集めるクリエイター・Mozuさんの作品です。驚きと感動が詰まったミニチュア作品を、実際に見て楽しめるイベントが、5月23日(金)から札幌で開かれます。

Mozuさんの作品は、ほかのミニチュア作家から見ても「うっとりする」といいます。Mozuさんを「あこがれの作家」と話す、北海道出身のミニチュア作家・碧aoさんのインタビューを通して、「Mozuミニチュア展」の見どころに迫ります。

「こんなミニチュアの世界もあるんだ!」驚きの出会い

Sitakke
「こびとの角部屋」

碧aoさんがMozuさんの作品と出会ったのは、自身がミニチュア制作を始めた3年前のことです。「すごい作家さんがいるよ!」と夫に勧められて、MozuさんがYoutubeで公開している「こびとシリーズ」の動画を見たといいます。「自分の部屋にこびとが住んでいたら」という世界観を再現した作品のシリーズです。

「『こんなミニチュアの世界もあるんだ!!』と驚きを隠せなかったのを今でも覚えています」

Sitakke
碧aoさん制作のミニチュア作品

碧aoさんは主に、石狩鍋にコマイ、飯寿司に松前漬けなど、北海道民にはなじみ深い食べものをミニチュアで表現しています。「ミニチュア=食べ物」というイメージがあったため、空間を表現するMozuさんのミニチュアに衝撃を受けたといいます。

細部へのこだわりが生む「あるある」の発見

Mozuさんを「あこがれの作家」と話す理由は、「とにかく芸が細かい」からだといいます。
「わたし自身も細かいこだわりを設計するのが好きなので、Mozuさんの作品の中の『あるある』という細かい設定を発見するたびに、心が躍ります」

Sitakke
「こびとのお風呂」

例えば、「こびとのお風呂」という作品。
「あいうえお表や、あひる、サメの人形、子ども用シャンプー容器…まるで子どもがいる我が家のお風呂場を見ているようです。少し古いバスタブや蛇口、栓がたまりません」と話します。

「細かいタイルの制作、タイルを並べる作業は時間を要したかと想像できます。それを本物のタイルの中に表現しているアイディアが素敵です。もっと奥を覗いてみたいです」

その表現は、高い技術があるからできることです。歪みやズレなどがなく、本物そのものに作り上げられた世界観に引き込まれます。## 日常の中に隠された、小さな物語

ただ、魅力は高い技術だけではないといいます。
「ワクワクするの一言ですが、色々な意味で『奥(空間)が深い』作品であると思います。まるで自分がMozuさんの作品の中から出てきたのではないか?と思うほど、作品に物語を感じられるところに惹かれています」

Sitakke
「こびとの牛丼屋」

例えば、「こびとの牛丼屋」という作品。
「看板の『台所東口店』というネーミングや、少し斜めに掲示されている『ポテサラ入荷しまたし』が最高です!カウンターの下の色合いや、タイルにもこだわっているのがすごいです」

Sitakke
「こびとの牛丼屋」

夜になると、また物語が見えてきます。
「夜中の牛丼屋さんで、〆の牛丼を食べたサラリーマンが傘を置いて帰ってしまったのかな?と想像が膨らみます」

Sitakke
「こびとの秘密基地」

続いて、壁のコンセントの裏をのぞくと見つかる「こびとの秘密基地」。
テレビがついていたり、Wi-Fiケーブルの電飾が光っていたりと、こだわりがつまっています。

さらに細部の「あるある」を見れば、物語が広がります。
「冷蔵庫の取っ手にかかっているタオルや、扉に貼ってあるメモ、レンジの中のお皿は、生活感があふれていて微笑ましいです。夜の21時38分を想像しましたが、真相はいかに。見ているだけでこびとの物語が想像できて、おもしろい作品です」

「Mozuミニチュア展」で注目したいポイント

こだわりの作品の実物を、間近で見ることができる「Mozuミニチュア展」。
碧aoさんであれば、どんな点に注目して見てみたいか、聞いてみました。

「どこにどのような材料が使われているのかを想像をしながら、Mozuさんの作品の細かいこだわりを、いろいろな角度から眺めたいです。実際にどのような空間に再現されているのか見られるのは、ミニチュア展ならではかと思います」

Sitakke
「こびとの旅館」

今回ご紹介した作品は、ごく一部。イベントではさらに多くの作品をじっくり見ることができます。さらに、自分がこびとになったような気分を味わえるフォトスポットなど、リアルな会場ならではの楽しみ方も盛りだくさんです。

ぜひ作品の世界観の細部まで目をこらして、物語を想像してみてはいかがでしょうか。

Mozuミニチュア展 ようこそ、ちいさな世界へ

・期間:2025年5月23日(金)~7月6日(日)
・時間:平日午後1~6時/土日午前10時半~午後6時 ※入場は閉場の30分前まで
・会場:サッポロファクトリー3条館3階 特設会場(北海道札幌市中央区北2条東4丁目)
・入場料などの詳細は、イベントのホームページからご確認ください

Mozuさんプロフィール

1998年生まれ。東京都立総合芸術高等学校映像メディア表現卒業。コマ撮りアニメ、ミニチュア、トリックラクガキという3つの分野で活動。
高校2年生の時に自分の部屋をミニチュアで再現すると、それが「本物にしか見えない」と話題になりテレビやメディアから取材を受ける。同年、すべてを一人で作ったコマ撮りアニメ「故障中」がアジア最大の映画祭「DigiCon6」 JAPANYouth 部門の最優秀賞を受賞。作品集の出版や映画のミニチュア制作への参加など、活躍の幅を広げている。

取材協力:ミニチュア作家・碧aoさん

北海道・札幌市出身、2児の母。札幌で7年間、栄養士として勤務した後、横浜に移住。2022年頃、「北海道が恋しい!」という思いをきっかけに、北海道の料理をミニチュアで再現する活動をスタート。
「北海道愛あふれるミニチュアで地元を懐かしみつつ、大好きな故郷に貢献したく活動しております。“リアルだけど可愛い”作品作りがモットーです。わたしと同じく北海道が大好きな方の心に響いたら嬉しいです!」

Instagram: @miniature.aosan_1625

・編集:Sitakke編集部IKU

※掲載の情報は記事執筆時(2025年5月)の情報に基づきます

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