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『食べ放題』で置かれた料理→端から取る?真ん中から取る?→覚えておきたい基本のマナーとは【プロが解説】

  • 2025.6.20
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

好きなものを好きなだけ食べられる食べ放題は、今も昔も大人気。気分が高まりやすい場面だからこそ、周囲に不快感を与えない振る舞いを心がけたいですね。今一度、食べ放題での基本的なマナーを確認してみませんか?

ビュッフェは食べ放題とは限らない

食べ放題のことを「バイキング」や「ビュッフェ」ということがあります。でも実は、食べ放題のことをバイキングと呼ぶのは日本だけなのです。

1958年に帝国ホテルが食べ放題のセルフサービス式レストランを作った際、当時流行していた海賊映画『バイキング』から着想を得て「インペリアルバイキング」と名付けたそうです。食べ放題という形式はたちまち人気となり、バイキングが食べ放題を指す言葉として全国に広まっていったといわれています。

対してビュッフェ・ブッフェは元々フランス語のBuffetで、立食やセルフサービスでの食事を表す言葉です。ビュッフェという言葉には、食べ放題という意味はありません。ですから『ビュッフェレストラン』という名前であっても、食べ放題とは限らないことに注意が必要です。

食べ放題で料理を取る順番は?

コース料理では、最初に前菜、次にスープ、サラダ、魚や肉のメイン料理、デザートの順番で出てきます。ランチやディナーの食べ放題でも、基本はコース料理と同じ順番で取ったほうがスマートでしょう。

多くの食べ放題店では、コース料理と同じ順番で料理が並べられています。つまり、カウンターの端から順番に取っていくと、コース料理のような組み立てができるのです。

好きなものを自由に選べるのが、食べ放題の大きな魅力です。目上の人と同席するような改まった場でなければ、順番が多少前後しても構いません。

1皿にどのくらい盛っていい?

取り皿に何種類もの料理を取るのは、あまり上品とはいえません。1皿に盛っていいのは最大でも3種類までと考えておきましょう。また、冷たい物と温かい物を同じ皿に盛りつけるのも、あまりおすすめできません。

魚や肉といったメイン料理は、基本的に1皿に1品です。特にソースがかかっている料理は、ほかの料理と一緒に取り皿に盛りつけてしまうと、味が混ざって美味しく食べられなくなってしまいます。

1回に取る量も、料理が重ならずに置ける程度にしておくのがスマートです。もっと食べたい場合は、食べ終わってから再び取りに行きましょう。

中には同席者の分まで取っていく人もいますが、料理が相手の好みに合わないこともあります。自分で食べる分だけを自分で取ってくるのが、食べ放題の基本です。

料理を取る時に気をつけることは?

食べ放題では、大皿の料理を多くの人が取り分けて食べます。料理を取る際にこぼしたり、取った跡が汚かったりすると、後から取る人の食欲を損なってしまいます。

料理は大皿の端から順番に取るようにして、取り分け用のトングやフォークの持ち手が料理につかないよう注意しましょう。こぼしてしまった際には、自分でどうにかしようとせず、スタッフに一言告げて片付けてもらうのがスマートです。

料理を残したらダメ?

食べ放題では、注文したり自分のお皿に盛った料理はすべて食べ切るのがマナーです。とはいえ、食べてみたら口に合わなかった、嫌いな食材が入っていたといった理由で、どうしても食べきれないこともあるでしょう。

マナー違反を避けるためには、見慣れない料理は最初から大量に取らず、少しだけ盛って試してみるといった対策が必要です。試してみて気に入ったら、再度取りにいけばいいのです。

それでも食べられない場合は皿の端にまとめておき、スタッフにお願いして取り皿を変えてもらいましょう。皿を下げる場所が用意されているなら、自分で下げてもかまいません。

取り皿は何枚使ってもOK?

汚れた取り皿を使っていると、味が混ざって料理が美味しく食べられなくなってしまいます。ですから取り皿は何枚使ってもOKで、スタッフに言えば変えてもらえる、あるいは新しい皿を自由に取れるというお店が多くなっています。

特にビーフシチューやトマトソースの煮込みなど、食べ跡が残る料理の場合は、同じ料理を再度取る場合も皿を変えてもらったほうが無難です。食べ跡の残った皿は見た目があまり気持のいいものとは言えないため、料理を盛る際に周囲の人の食欲を損なう恐れがあります。

好きなものを楽しく食べるのが一番

食べ放題には基本的なマナーはあっても、正式なコース料理ほど神経質になる必要はありません。気兼ねなく、楽しく味わうことも大切なマナーの1つです。

自分だけでなく、周囲の人も同じように楽しく食べられるよう、最低限の配慮は欠かさず食事を楽しんでくださいね。

※記事内の情報は記事執筆時点の情報です。
※シーンなどによってマナーが異なる場合があります。


監修者:鮎永麻琴

元国際線CA。「コミュニケーション帝王学®」開発者。
自分らしいコミュニケーションの在り方や関わり方を伝えるオンラインアカデミーを開校。