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「辛すぎる」「途中で観るの辞めた」“あまりにも残酷な現実”に離脱者も…だけど「観るべき」主演女優“覚悟”の一作

  • 2025.6.14

映画には、心を揺さぶり、涙を誘う“号泣必至の名作”があります。今回は、そんな感動作を5本セレクトしました。本記事では第4弾として『余命1ヶ月の花嫁』をご紹介します。「明日が来ることは奇跡」――24歳で余命を宣告された女性の言葉が、観る人の胸に深く響く、実話に基づいた感動作です…。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

「わたしはもう長くない」交際を断った理由と“変わらぬ想い”に応えた再会

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(C)SANKEI
  • 作品名:『余命1ヶ月の花嫁』
  • 公開日:2009年5月9日
  • 主演:榮倉奈々(長島千恵 役)

イベントコンパニオンとして働く長島千恵(榮倉奈々)は、イベント会場で出会った赤須太郎(瑛太)と惹かれ合います。太郎に告白された千恵は、乳がんを理由に一度は断りますが、その後、ふたりは交際を開始。

治療の副作用や手術を経て、千恵はいったん太郎の前から姿を消しますが、変わらぬ想いに応え、再び彼のもとへ…。しかし病は再発し、千恵は余命1ヶ月を宣告されます。

太郎は千恵の夢だったウェディングドレス姿を叶えるため、サプライズで結婚式を準備。ふたりは家族や友人に見守られながら式を挙げるのですが――。

“叶わないはずだった夢”が現実に――奇跡の結婚式

映画『余命1ヶ月の花嫁』は、実在の長島千恵さんと恋人・赤須太郎さんの体験をもとに制作された作品です。

2007年4月5日、千恵さんは太郎さんと都内で結婚式を挙げましたが、その時すでに医師から「余命1ヶ月」と告げられていました。同年5月、ニュース番組『イブニング5』が千恵さんの闘病生活を報道。7月には特番も放送され、千恵さんは乳がん検診の重要性を訴えました。

番組は大きな反響を呼び、同名のノンフィクション書籍が刊行。累計88万部を超えるベストセラーとなり、2009年に映画化されました。

主演女優の葛藤と快演

映画『余命1ヶ月の花嫁』の撮影にあたり、榮倉奈々さんは強い重圧と向き合いました。

たくさんの人が千恵さんの思いを伝えようとするプロジェクトに携わることはプレッシャーで、撮影中は迷いながらやってました。絶対失敗はできないし、この映画がうまくいけばもうお芝居しなくてもいいかな、という思いで神頼みしていました。
出典:『余命1ヶ月の花嫁』榮倉奈々&瑛太 単独インタビュー』シネマトゥデイ 2009年5月1日配信

真摯に役と向き合った榮倉さんは、本作で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しています。SNSでは「余命1ヶ月の花嫁を見て、榮倉奈々が好きになりました」と絶賛の声も。

多くの葛藤や重圧の中で、榮倉さんは丁寧に千恵さんの思いをすくい上げ、スクリーンの中でその人生を静かに、しかし力強く表現しました。その姿が観る人の心を打ち、涙を誘ったのではないでしょうか。

「ちえさんの思いがどうか伝わりますように」― 24歳の“生の記録”

何気ない毎日がどれほど愛おしいものか――実話に基づく物語だからこそ、千恵さんの想いがまっすぐに伝わってきます。

あまりにも辛い現実に「観てられない」「辛すぎる」「耐えれな過ぎて途中で観るの辞めた」と言った声も。
一方で「ラストはとにかく号泣」「ちえさんの思いがどうか伝わりますように」「みんな観るべき」というコメントからは、深く心に響く内容であったことが伺えます。

そんな声が多く寄せられるのも、この映画が“生きること”“愛すること”の意味を問いかけるから…。
観る人自身の“今日”がかけがえのないものに思えてくる――その実感こそが、“号泣必至の名作”といわれるゆえんです。


※記事は執筆時点の情報です