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医師「放置しないで」→最近、爪が弱くなってきた気がする…実は加齢のサイン?!見逃せない “病気の症状”とは?【医師が解説】

  • 2025.6.2
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「最近、爪が以前よりももろくなった気がする…」なんてことはありませんか?実はこれ、加齢の1つのサインかもしれません。意識していなくても、私たちの体の一部である爪も、年を重ねると様々な変化を見せるものです。

この記事では、年齢と共に起こりやすい爪のトラブルとその原因について詳しく解説していきます。

年齢を重ねると現れやすくなる爪のトラブル

爪は私たちの体の末端にあり、小さな変化が見落とされがちですが、実は体の健康状態を反映する重要な要素です。年齢を重ねると、爪が以前よりも割れやすくなったり、厚みが変わったりすることがあります。これらの変化の多くは加齢によるものですが、健康状態を示すサインが隠れていることもあります。

例えば、爪が薄くなって割れやすくなるのは、加齢による爪の水分量や減少が原因の1つといわれています。また、爪が厚くなったり、色が変わる場合は、栄養不足や血流の問題、爪への物理刺激の繰り返しが関係していることも。

加えて、さまざまな病気の可能性もあり、これらのトラブルは、放置すると悪化することがあるため、早期発見がカギとなってきます。

加齢と共に訪れる具体的な原因と背景

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

加齢に伴う爪の変化には、いくつかの原因があります。まず、爪はケラチンというたんぱく質でできており、年齢と共にこのケラチンの生成能力が低下することが多いです。このため、爪がもろくなったり、薄くなったりするといわれています。また、加齢とともに体内の栄養吸収力が落ち、必要な栄養素が不足することも爪の健康に影響を与えます。

もう1つの原因として、血行不良が挙げられます。年を取ると血流が悪くなりがちで、それが結果として爪への栄養供給を妨げ、健康を損なうことも。適度な運動やバランスの取れた食事を心がけることが、爪の健康維持には重要です。

また、ハンドクリームなどで保湿をしたり、洗い物の時に手袋をするなどのケアも大切です。こうすることで潤いを保ち、爪の保護にも繋がります。

加齢以外でも気をつけたい爪の症状

加齢による爪の変化はもちろん、気をつけたいのは病気による変化です。

爪白癬(つめはくせん):爪白癬は、白癬菌というカビの一種が爪に感染することによって引き起こされる病気です。この白癬菌は、湿気の多い場所を好んで繁殖する特徴があります。ですので、足元が湿気を持ちやすい靴の中は、彼らにとって絶好の繁殖地なのです。この症状は爪が白く濁ったり、黄色く変色したり、厚みが出たり脆くなったりと、爪の見た目が明らかに変わることで気付きやすいです。

爪が白く濁るのは爪甲(そうこう)が壊れ、爪床(そうしょう)との密着性を失い透明度を失うためです。また、傷んだ爪に物理刺激が加わると弱く出血し壊れた爪や爪の成分に染み込み黄色やオレンジ色に見えます。爪白癬の方の中には、爪の肥大や割れが生じている場合があり物理刺激の影響を受け易く爪が黄色に変化し易くなります。

黄色爪症候群(おうしょくそうしょうこうぐん):黄色爪症候群はその名の通り、爪が黄色く変色してしまう症状が特徴で、しばしば爪の成長が遅くなったり、爪が厚くなることも伴うことがあります。リンパ液の流れが悪くなっている場合や、呼吸器疾患などが関係していることがあります。

他にもさまざまな病気の可能性がありますが、見た目だけでは他の爪の病気とも混同しやすいため、自己判断するのは危険です。症状が気になる場合には、皮膚科などの専門医に相談することをおすすめします。

爪の状態をきちんとチェックして

加齢に伴う爪の変化は自然なことですが、予防や改善のためのケアを行うことは可能です。日々の生活習慣を見直し、適切なケアを行いましょう。また、爪の色に変化があらわれたり、長期間治らない症状などがある場合は医師や専門家の受診をおすすめします。

加齢のせいだと放っておかず、きちんと状態を把握し適切なケアを受けましょう。


監修者:医療法人社団日進会 院長、理事長
平岩 亮一(ひらいわ りょういち)

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1995年、埼玉医科大学医学部卒業。2017年、医療法人社団日進会開設、にっしん皮フ科・形成外科開業。今年で開業20周年。所属学会(日本形成外科学会他)。平成28年より【生体皮膜剤】【痒み防止剤】にて日本・アメリカフランスを含む13件の特許を取得し現在に至る。