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「1000万円か、別れか?」“結婚のリアル”がむき出しになる番組「ウェディングウォーズ」が始まった

  • 2025.5.13

「結婚したい」だけじゃ足りない?生活力・愛情・現実のギャップが露呈する舞台

(C)AbemaTV, Inc.
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ABEMAの新番組「ウェディングウォーズ」は、“結婚を前提にしたカップル”だけが参加できる婚前サバイバル。優勝した一組には、なんと結婚資金1000万円が贈られる。けれど、その舞台はただの恋愛リアリティではない。むしろ問われるのは「この相手と結婚して本当に幸せになれるのか?」という現実だ。

集まったカップルたちは、貯金がなかったり、どちらか一方が無職だったりと、将来設計に不安を抱える組が多数。なかでも話題をさらったのは、みずほ(29)&ひろむ(29)カップル。彼は無職で、しかも彼女であるみずほの母の家に居候中、さらにみずほの貯金額は4万円台。彼らの番組参加の動機は「ひろむに働く気を持ってもらいたい」だった。

スタート直後の泥沼レースで勝利した2人はAランク入りし、個室+最上級の食事付きというハイスペックな待遇を受けることに。だが、これは単なるスタートダッシュ。この番組の真髄は、精神的な過酷さと“本音”をどう乗り越えるかにある。

初回から行われた“クラス替えチャレンジ”では、ポリグラフ(嘘発見器)を用いた質問に答えることで、ウェディングコインの増減が決まる。カップル間の信頼度が数字となって可視化されるこの仕組みは、見ていて痛々しくもスリリングだ。

マミモン(27)&柴助(26)カップルでは、柴助が“隠していたこと”がここで露呈。嘘をついたつもりはなくても、機械はそれを“嘘”と判定する。その判定は、視聴者だけでなくパートナーにも強く突き刺さる。共同生活において、ほかのカップルと比較され、信頼にヒビが入る瞬間はあまりにリアルだ。

るい(29)がマミモンに対して語った「違いも相手の良いところだと思えるのが愛」というセリフに象徴されるように、“違い”をどう受け止めるかが問われている。

「30秒キス」で見えた本気と別れ

(C)AbemaTV, Inc.
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初回の脱落者を決める「脱落デスマッチ」は、“30秒キス”。タイマーなしで30秒間のキスを目指し、誤差の少ないカップルが勝ち抜けるという一風変わった試練だ。

実際に脱落してしまったのは、信頼と尊重をベースに関係を築いていたるい&ムンカップル。36秒とわずかに長すぎたキスが敗因となった。しかし、ムンの「彼女をもっと支えたいと思った」というコメントや、るいの笑顔が印象的だった。

勝ち負けにかかわらず、2人の関係性はこの体験を通じて深まったように見えた。“ゲーム”の結果が、“愛の深さ”と一致しないからこそ、この番組はおもしろい。

共同生活2日目の朝、みずほとひろむの関係性に再びスポットが当たる。サユリ(30)が「まずは自分を満たすこと。余ったぶんで相手をフォローすれば、やってあげたのに!って怒らなくてすむ」と投げかけたアドバイスは、まさに多くのカップルに響く金言だった。結婚後の共依存を防ぐヒントにもなっているのではないか。

「ウェディングウォーズ」のすごさは、愛情や努力では覆せない“生活”や“意識のズレ”をあぶり出す構成にある。目先の愛より、未来のパートナーシップをどう育むか。その試金石を、参加者だけでなく視聴者にも突きつけてくるのだ。

愛か、お金か。見えてくるのは、それぞれの“選ぶ力”

(C)AbemaTV, Inc.
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この番組の醍醐味は、1000万円という額面の大きさではない。

・誰と、どう生きていきたいか。・そのために何を選び、何を手放すのか。

最終的に“別れ”を選ぶことが、必ずしも失敗ではない構造も斬新だ。むしろ「いま別れる決断をして100万円」という選択肢があるからこそ、本音の選択が見えてくる。番組の本質は、“結婚するため”ではなく、“自分たちに合った未来を選ぶため”の時間なのだ。

今後、愛情だけでは乗り越えられない試練が待ち受けるはず。けれどそれでも「この人と一緒にいたい」と思えるなら、それはすでに結婚以上の覚悟がある証拠なのかもしれない。

(北村有)

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