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23年前、日本中が惚れ込んだ“柔軟すぎるギャップ女優” お茶の間に鮮烈な印象を残した“稀有な表現者”

  • 2025.6.6

「23年前、テレビの人気ドラマで見ていた女優のことを覚えてる?」

2002年、ドラマ『ごくせん』(日本テレビ)に出演した仲間由紀恵。真面目で天然、だけど実はヤクザの跡取りという型破りな教師役である主人公・ヤンクミを、コミカルかつ人情味たっぷりに演じ、お茶の間に鮮烈な印象を残した。

結果、『ごくせん』は見事に大ヒットを記録。現代の学園ドラマにおける「金字塔的な存在」になり、彼女の代名詞の一つとなった。

コミカルと正統派を自在に行き来する“柔軟すぎるギャップ女優”

仲間由紀恵の知名度を上げた作品といえば、2000年放送のドラマ『TRICK』(テレビ朝日)。仲間は、売れない天才マジシャン・山田奈緒子役を演じ、その独特なコメディセンスと存在感を発揮して大ブレイクを果たした。

『ごくせん』においても、『TRICK』と同じようにギャグ要素やコミカルさを多分に含んだキャラを演じた仲間由紀恵。以前まで清楚で落ち着いたイメージが強かった彼女が、テンポよくギャグをこなし、生徒たちに体当たりでぶつかる姿は新鮮だった。それでいてどこか漂う凛とした存在感がキャラクターに深みを与えていた。そんな二面性を持つ稀有な表現者に、日本中が惚れ込んだ。

その一方で、NHK大河ドラマ『功名が辻』(NHK)に出演する、NHK紅白歌合戦の司会を務めるなど、“日本的な品格”を体現する正統派女優としての立場も確立。硬軟自在、どんな役柄にも自然に染まる凄まじい柔軟性は、時代とともに演技の幅を着実に広げていった証だ。

時代に迎合せず、自分のペースで歩んできた30年

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(C)SANKEI

仲間由紀恵のキャリアには、自分のペースで歩んできたという芯の強さを感じさせる。常に第一線にいながらも、作品数を闇雲にこなすのではなく、丁寧にそれぞれの役と向き合い、芯のある人物像を描いてきた。

プライベートでも落ち着いた雰囲気を保ち続け、結婚・出産を経てもなお、透明感と品のある美しさ、それでいて醸し出される親しみやすさは健在で、多くの女性の“理想像”として今も憧れの対象であり続けている。

“変わらない”ことの美しさを体現する女優

ドラマや映画の現場で、今なお新たな表現に挑み続ける仲間由紀恵。どんな作品においても、派手さとは違う、人間の奥底にある情感に触れるような表現でそのキャラになりきってしまう実力は疑いようがない。

1990年代中盤のデビューからおよそ30年が経った今でも、その凛としたまなざしと佇まいは変わらない。だからこそ、彼女が演じる役は時代を超えて観る者の心に残り続ける。


※この記事は執筆時点の情報です。