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「辛すぎる」「あまりにきつい…」“救いのない結末”に沈痛な声も…「もっと評価されるべき」大絶賛の衝撃作

  • 2025.6.5

ストーリーや演技、構成、演出などに強烈なインパクトがあり、一度観ただけでも深く心に刻み込まれるような作品。今回は、そんな“ずっと心に残る”秀作5選をセレクトしました。

本記事では第2弾として、2021年公開の映画『すばらしき世界』をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“ずっと心に残る”映画『すばらしき世界』

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(C)SANKEI
  • 作品名:映画『すばらしき世界』
  • 公開日:2021年2月11日

あらすじ

佐木隆三さんの小説『身分帳』を原案に、西川美和さん監督・脚本で実写映画化。

13年の刑期を終えて旭川刑務所を出所した三上正夫(役所広司)は、弁護士夫妻の温かい迎えを受け、東京で新たな生活を始めることに。三上はかつて殺人を犯した過去を背負いながらも、今度こそ堅実に生きようと心に誓うのでした。

一方、小説家を目指すテレビディレクターの津乃田龍太郎(仲野太賀)は、社会復帰を図る前科者のドキュメンタリー番組制作の依頼を受けます。受刑者の詳細な記録である「身分帳」に目を通した津乃田は、三上の壮絶な過去に圧倒されながらも、下町のアパートで新生活を始めた彼への取材を開始しました。

強面ながらも実直で情に厚い三上は、社会の壁にぶつかりながらも懸命に生きようとしています。そんな三上を番組のネタにしようと、近づく津乃田とプロデューサーの吉澤遥(長澤まさみ)。彼の過去と現在を追ううちに、津乃田は予期せぬ出来事を目の当たりにするのでした――。

衝撃の結末…社会問題を提起するストーリーに高評価多数 ※ネタバレあり

映画『すばらしき世界』を視聴した一部の方からは、「物語だから仕方ないのかもだがあの結末は辛すぎて泣けた」「映画としてはこうやって終わらせるしかなかったのだろうけど、なんともやるせない」「さあこれからというところで最後辛すぎるな…」「すばらしき世界ほんとにすごい映画だったがあまりにきつい」など物語の結末に悲痛の声があったようです。

一方で、不器用ながらも懸命に生きた男のまさかの結末に、多くの視聴者が胸を打たれたことでしょう。SNSでは「やるせない結末だったけれど光ある映画だった」「まさかの結末… 考えさせられる映画だった」という声も見受けられました。

そして、現代社会の冷酷さや生きづらさ、そして人間の尊厳といった社会問題を提起するテーマが好評でした。三上は決して許されるべきではない犯罪者ではあるものの、社会には更生した彼よりも不道徳な行為や言動をする一般人が数多く存在し、何が正しいのか、この世界は本当に素晴らしいのか、考えさせられる内容となっています。

主演俳優・役作りで刑務所へ…

映画『すばらしき世界』の出演にあたり、主演を務めた役所広司さんは役作りに相当励んだのだとか。

三上が刑務所で覚えたミシンの練習もしました。あと、監督と一緒に旭川刑務所へ見学に行ったり。出典:シネマトゥディ 『すばらしき世界』単独インタビュー

ほかにも減量することで身体作りを行うなど、三上正夫というキャラクターをよりリアルな存在に作り上げました。

力を入れられたのは、役作りだけではありません。第45回トロント国際映画祭のワールドプレミア上映時に、監督・脚本を務めた西川美和さんは次のように語っています。

たくさんのエピソードが詰め込まれている小説を2時間の映画にどう集約するかということが、オリジナルで映画を作ってきた私にとっては、とても手こずった部分でしたが、2、3年かけて取捨選択して書き上げました。出典:『すばらしき世界』「第45回トロント国際映画祭」ワールドプレミア上映 記者会見より 現地時間9月10日

SNSなどでも「感性を試すだとかに留まらない、強い映画」「現代社会の生きづらさの中にある日常の幸せや人々の暖かさを描き考えさせてくれる」「映画『すばらしき世界』はもっと評価されるべきだ。結末も含めてすげーリアルな映画だったから」など、本作のテーマに心を揺さぶられた方が多く見られました。

まだ映画『すばらしき世界』を観たことがない方、また本記事を読んで映画『すばらしき世界』に興味を持っていただけた方は、“まっとうに生きることの難しさと人の温かさ”をぜひ目撃してみてください!


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です