フリマアプリで購入した着物が話題に！ 中田クルミが語る“モダンな着物の楽しみ方”

大舞台で輝く着物スタイル

今年1月に開催された第82回ゴールデン・グローブ賞授賞式に、『SHOGUN 将軍』で助演男優賞に輝いた俳優の浅野忠信とともに、パートナーであり俳優でモデルの中田クルミが出席し、美しい着物にルイ・ヴィトン（LOUIS VUITTON）のバッグを合わせた着こなしが国内外で反響を呼んだ。その後、中田は「着物の話」と題したインスタグラムのポストで、着物へのこだわりや、着物と帯をメルカリで購入したものであることを明かし、その意外な選択が、多くの注目を集めた。

昨今、レッドカーペットに立つセレブリティたちの間でヴィンテージのドレスをチョイスするのがひとつのトレンドであるものの、現物のチェックができない二次流通アプリでは、晴れ舞台の衣装を探すのは至難のわざのはず。今回は、そんな中田に、授賞式で着物を纏う理由から、中古市場での着物の買い方、そして着こなしのコツまで様々な話を訊いた。

──ゴールデングローブ賞授賞式でなぜ着物を選んだのでしょうか。また、着こなしのポイントを教えてください。

ノミネートされた作品『SHOGUN 将軍』と夫への敬意を表したかったので、戦国時代をテーマにした作品に合わせて着物を選びました。物語の内容にちなんで合戦柄を選び、着物の色と帯の柄は夫が演じた役『樫木薮重』をイメージしました。彼がよく着ていた深緑色と、家紋である銀杏柄を取り入れています。

衣装を自分で用意するにあたり、ドレスは準備も管理も大変ですが、着物なら四角く畳んで持ち運べるためシワにならず、自分で着ることもできる。そうした実用性も選んだ理由のひとつです。

──レッドカーペットで着物への反響はありましたか？

現地の方々に喜んでいただけたのが何よりでした。名前も顔も知っているような俳優さんたちから 「Nice dress!」と声をかけてもらえたのは、とても嬉しかったです。

──メルカリで購入したものを選んだ理由はあったのでしょうか。

さまざまな古着物を扱うサイトを何ヶ月も見て、イメージに合うものを探していたところ、たまたまメルカリで理想的な着物を見つけました。昨年エミー賞に出席した際は、新宿の古着物屋さんで購入したものを着ています。

もちろん、自分にぴったり合うサイズで仕立ててもらうのが理想ですが、なかなか手の届かない価格帯なので、価格よりも、その着物が持つ雰囲気を大切にして選んでいます。

二次流通での買い物のコツとは？

──メルカリをはじめとする二次流通サイトやアプリで着物を購入する際、何を重視していますか？

まず、何よりサイズです。自分のサイズに合ったものを選ぶことが、着物選びで最も重要だと思います。よほど着付けが上手な人でない限り、合わないサイズの着物は扱いづらいんです。私が特に気にするのは「裄丈」（肩から手首までの長さ）が合っているかどうか。古着物で自分の裄丈にぴったり合うものを見つけるのはほぼ不可能に近いですが、できるだけ長めのものを選ぶようにしています。また、汚れや破れがないかもチェックします。ただ、着たときに隠れる場所にある小さな汚れなら問題ないと判断することもありますね。

──着物は何着ほど所有していますか？ 特にお気に入りの一着があれば、教えてください。

数えてみたら15着ほどでした。もう収納スペースがないので、それ以上増やさないように気をつけています（笑）。

お気に入りは、京都で見つけた祇園祭の鉾柄の着物です。京都のスタジオで撮影していた期間中に出会い、衣裳部さんにお願いしてサイズを直してもらいました。自分の体にぴったり合うように仕立ててもらえたこともあり、とても思い入れのある一着です。

着物を身近に楽しむ方法

──着付けはご自身で行なったと伺いましたが、どのように学んだのでしょうか？

時代劇に出演することが決まり、その準備のために練習を始めたのがきっかけです。所作を少しでも美しくしたい、着物についての知識を身につけて撮影に臨みたいと思いました。そして、友人のマドモワゼル・ユリアちゃんが着付けの講師をしているので、すぐに連絡を取り、教えてもらったんです。「手を動かした回数で着られるようになる」と言われたので、撮影が始まるまでの1ヶ月間、ほぼ毎日着物を着て過ごしたことで、自然と自分で着られるようになっていました。

──最後に、着物の着こなしのコツや楽しみ方を教えてください。

基本的なルール（例えば、左前にしないなど）はありますが、着付けの美学は習う人によって細かく違うこともあります。なので、自分が好きな着こなしをしている人を見つけて、その人のスタイルを参考にするのがいいと思います。また、結婚式に出席する際にドレスをきちんと着てヘアセットをするのと同じように、フォーマルな場ではシワのない、きちんとした着付けを心がけることですね。

一方で、友人と映画を観に行くときのようなカジュアルな場では、ブーツを合わせるなど自由にアレンジしてもいい。普段の服装と同じようにTPOを意識しながら、着物を楽しむことが大切だと思います。

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