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28年前、日本中を魅了した“鮮烈すぎるデビュー曲” J-POPの歴史を変えた“少年たちの美しき衝撃”

  • 2025.5.11
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「28年前の今頃、どんな歌が新たなスターの誕生を告げていたか覚えてる?」

1997年。安室奈美恵やglobe、Every Little Thingがチャートを賑わせ、小室サウンドが全盛を迎える中、突如として現れた2人の"少年"が、日本の音楽シーンに新風を巻き起こした。

KinKi Kids——堂本光一と堂本剛。

そのデビュー曲『硝子の少年』は、初登場1位で最高のデビューを飾る。まさに「伝説」の始まりだった。

“儚さ”と“色気”が共存した衝撃のデビュー

アイドルのデビュー曲とは思えないほど耽美で哀しげな詞に、誰もが耳を疑った。それまでのジャニーズの王道を覆すような、大人びた世界観。しかも作詞・松本隆、作曲・山下達郎という、日本音楽界を代表するレジェンドによる布陣。

煌びやかで儚い、“硝子”のような美しさ。

どこか影を感じさせながらも、抜群の透明感を放つKinKi Kidsの歌声が、この楽曲の世界を見事に体現していた。

ジャニーズが“音楽的評価”を勝ち取った瞬間

それまでのアイドルソングは、どこか“キャッチーでわかりやすい”ことが前提とされていた。だが『硝子の少年』は、明らかに違っていた。アレンジも歌詞も、構成も、すべてが本格的。

“歌うには難易度が高い”と言われたメロディーを、KinKi Kidsは見事に歌いこなし、“本格派アーティスト”としての一歩を刻んだ。

この曲の成功は、ジャニーズの「音楽面での本格路線」への道を拓いた。そして彼ら自身も、その後の軌跡で"アーティストとしてのKinKi Kids"を証明していく。そんなKinKi Kidsのデビューは、ジャニーズにおける音楽的深化の象徴的な一歩となった。

“夏の終わり”に、何度でも聴きたくなる理由

『硝子の少年』が多くの人の記憶に残っているのは、単にヒットしたからではない。その旋律と詞が、“ひと夏の幻”のような切なさをまとっているからだ。夏の終わり、ふとこの曲を耳にすると、誰もが“あの頃の自分”に戻ってしまう。

届きそうで届かない何か。触れた瞬間に壊れてしまいそうな、若さと痛み。それは、恋だったのか、夢だったのか。答えは出ないまま、風だけが吹き抜けていく——

そんな感情を、この曲は確かに抱えている。

28年経った今も、なお“鮮烈”であり続ける

KinKi Kidsはその後、ジャニーズの中でも異彩を放ち続けた。心に響くメロディーと、言葉を大切にした表現で、独自の道を歩んできた。その原点が『硝子の少年』にある。

時代を経ても、色褪せない。むしろ年を重ねるごとに、その美しさと儚さは増している。そして私たちもまた、歳を重ねた今、この曲の“哀しみの奥にある優しさ”に気づくのかもしれない。

それこそが、永遠に語り継がれるデビュー曲の条件なのだろう。


※この記事は執筆時点の情報です。