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29年前、日本中がときめいた“伝説のデュエット” 月9の奇跡が生んだ“永遠のラブソング”

  • 2025.5.10
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(C)SANKEI

「29年前の今頃、どんなラブソングが心をときめかせていたか覚えてる?」

1996年といえば、携帯電話が少しずつ普及し始め、渋谷や原宿の街角にはアムラーがあふれていた時代。小室ファミリーがチャートを席巻する中、とある一曲が“まったく違う色”で突如現れ、日本中を恋に落とさせた。

それが、久保田利伸 with ナオミ・キャンベル『LA・LA・LA LOVE SONG』。

フジテレビ系月9ドラマ『ロングバケーション』(主演:木村拓哉、山口智子)の主題歌として登場したこの曲は、その年の恋愛の空気をまるごと封じ込めたような、“時代を超えるラブソング”として今なお語り継がれている。

恋と音楽が完璧にシンクロした“月9の奇跡”

1996年4月、放送が始まったドラマ『ロングバケーション』は、放送前から話題を集めていた。木村拓哉と山口智子の共演、ピアニストとモデルという設定、そして久保田利伸が手掛ける主題歌。

その主題歌『LA・LA・LA LOVE SONG』は、イントロのピアノリフからすでに"ただの主題歌"の域を超えていた。ソウルやR&Bの要素をふんだんに取り入れたメロディと、久保田利伸のスムースなボーカル。そして意外性たっぷりの“ナオミ・キャンベルとの伝説的なデュエット”ーー

お洒落で、都会的で、でもどこか甘酸っぱくて、恋の始まりの“あの高揚感”を絶妙に音楽に落とし込んでいた。

"J-POP"という枠に収まらない、"洋楽クオリティ"の衝撃

『LA・LA・LA LOVE SONG』が当時のJ-POPの中でも異彩を放っていたのは、サウンド面の完成度も大きな要因だった。

久保田利伸は80年代後半から一貫してブラックミュージックをルーツに持ち、独自のスタイルを貫いてきたアーティスト。そんな彼が90年代半ば、“恋愛ドラマの王道”に真正面から楽曲を提供したことで、“月9”という枠すら新しい輝きを放ち始めた。

ナオミ・キャンベルという世界的スーパーモデルとのコラボレーションも話題を呼び、日本の音楽が“世界とつながる瞬間”を初めて感じたリスナーも多かったはず。

“恋”を音楽で描いた、完璧な3分58秒

この曲の最大の魅力は、“恋をしている瞬間の自分”にぴたりと寄り添ってくれるところ。

「まわれ まわれ メリーゴーラウンド」
「言葉よりも本気な LOVE SONG」

言葉の一つひとつが、どこかぎこちなくて、でもリアルで。恋が始まったばかりの不安と期待が同居する、あの浮遊感をそのままメロディに乗せてくれる。そして何より、誰もが口ずさめる"LA・LA・LA"のフレーズ。

ドラマのエンディングで流れるたび、視聴者の胸に“あの高揚感”が残った。音楽と映像、恋と季節ーー

すべてが奇跡的に重なり合った1996年の春。この曲が日本中を包み込んだ。

“今も恋に効く”永遠のラブソングの力

時代は令和に変わり、音楽の形も変化している。それでも『LA・LA・LA LOVE SONG』は、恋をしたとき、ふと聴きたくなる一曲として多くの人の心に残っている。

それはきっと、流行を超えて“恋の本質”を描いていたから。出会いのときめき。ぎこちなさ。すれ違い。そして、ちょっとした勇気。それらが音の中に、声の中に、メロディの中に詰まっているからこそ、この曲は今も、恋をした誰かの背中をそっと押している。


※この記事は執筆時点の情報です。