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【砂糖不使用】体をいたわるアジアのおやつ

  • 2025.4.9

砂糖をやめたら、驚くほど体が軽いという薬膳・発酵料理家の山田奈美さん。
冬から春に変わる時季、体の変わり目でもある大人世代に、体調をいたわりながら楽しめる、甘くておいしいアジアのおやつを教えていただきました。

教えてくれたのは・・・
薬膳・発酵料理家
山田奈美さん
雑誌やテレビなどで発酵食や薬膳レシピを提案。自宅での料理教室は人気で予約待ち必至。著書に『かんたんでおいしい砂糖なしおやつ』(小学館)ほか多数。

自然の甘味を使うことで 体を冷やさず、不調知らずの軽やかな体に

ここ十数年、料理に砂糖を使わなくなったという山田奈美さん。
きっかけは妊娠だったそう。
 
「結婚前から少しずつ食生活の見直しをしていましたが、甘いものだけがなかなかやめられなくて。でも冷えや胃もたれなど不調の原因は砂糖なのではという思いはありました。私の食生活は子どもにも影響するので、妊娠を機に砂糖をやめてみたんです」
 
はじめの頃は精製された砂糖の代わりに甜菜糖を使用。
しかし体調の変化をさほど感じられなかったため、市販のおやつを買うのをやめ、手作りするように。
その際に砂糖の代わりに違う甘味を使うようになりました。
 
「中医学では砂糖は体を冷やすと言われています。また糖反射といって一時的に胃腸の働きを止めてしまうため、消化がうまくいかないことが胃もたれの原因に。砂糖を完全に断って2週間程度で胃もたれ、だるさが改善されて体が軽くなって。ただ甘いものは大好き。おやつも砂糖を使わずに作って楽しんでいます」

春にかけてデトックスに向かう時季 気血水の巡りを良くしよう

冬から春に向かうこの時季、体調にどんな変化があるのでしょう。
 
「中医学では体内の気血水がバランスよく循環していることが健康な状態で、冬は気や血が滞り、気分が沈んだり、冷えを感じやすい季節。また体内が乾燥して熱が生まれ、のぼせやほてりなどの症状を感じる人も」
 
その後、春になると、体内の不要なものを排出しようとする時季に。
気や血が体の上のほうに上るため、イライラ、目の充血、赤ら顔、目の下のくまなど上半身の症状となって現れます。また、大人世代は更年期の影響で、1年じゅう、冷えやインナードライによる乾燥、便秘などに悩まされる傾向も。
 
「この時季のおやつ作りには、気巡りをよくし、デトックスを後押しする柑橘系のもの、また血を補って巡りを良くする黒ごまやなつめ、レーズンなど色の濃いもの、体を潤すさつまいもやココナッツミルクがおすすめです」

甘味に使うのはこの4 種

はちみつ

奈美さんはクセが少ないアカシアのはちみつを使用。
個性があまりないからこそ万能でどんなおやつにも合うそう。また、切ったり煮詰めたりする必要がないので、手軽に使えます。

みりん

材料の色がつくので、チョコレートやココアを使ったおやつを作るときに。みりん独特のコクが出るのも特徴で、プリンにかけるカラメルや和菓子とも相性が良い甘味です。

甘酒

奈美さんは米麹と水だけで手作りしたものを使用。
甘さはかなり控えめなので、ケーキなどしっかり甘味がほしいものより、フルーツなどほかの甘味があるものに併せて使うのがおすすめ。

ドライフルーツ

よく使うのはデーツ、干し柿、レーズン。デーツは少量でしっかり甘味が出て、あんこやケーキ作りに最適。
爽やかな甘さの干し柿、酸味があるレーズンは、ほかの甘味とミックスすると味に深みが出ます。

精製された砂糖の代わりに甘味として使うのは、はちみつ、みりん、甘酒、ドライフルーツの4種類。
これらを使う理由はふたつ。
ひとつは血糖値の上昇が緩やかなGI 値が低いこと。血糖値は急激に上がると、血管への負担が大きくなり病気になるリスクが高まります。反対に急激に下がれば、エネルギー不足の状態になり、さらに甘いものが食べたくなるなど、体への負担が大きくなります。
もうひとつはショ糖の含有量が少ないこと。
ショ糖は腸内や口内の悪玉菌のエサとなり増殖させてしまうため、腸内環境の乱れや虫歯の原因にもなります。

牛乳やバターなども、奈美さん流にアレンジ

おやつ作りに欠かせないのが牛乳やバターなどの乳製品、卵、小麦粉などの粉物。
 
乳製品は体を冷やす特性があるので、できるだけ使わず、牛乳は豆乳に、バターの代わりに米油を使用。米油は揚げ物に使うとドーナツのような甘味が出るそう。
 
卵はできるだけストレスなく育った平飼いのものを。
小麦粉はケーキなどふわっとした高さを出したいときに、米粉はもっちりした食感に仕上げたいときにと使い分けています。

「気の巡りを整える」おやつ

体の上のほうに上る「気」を鎮めて巡りよく
冬から春にかけては、「『気』が上がる」と言われ、体の上のほうに気が集まってしまい巡りがよくない状態に。
この時季は、酸味と香りのいい柑橘類や、精神を落ち着かせる食材をとることで、気の巡りを整えることができます。

〈ベトナム〉ホットチェー

材料〔 2〜3人分 〕
白いんげん豆…20g
はとむぎ … 大さじ1
緑豆 … 大さじ2
かぼちゃ … 120g
キウイ … 1/2個
みかん … 1/2個
ココナッツミルク … 200 mL
豆乳 … 150 mL
甘酒 … 30g
( 甘さは好みで増やしても)
塩 … ひとつまみ

作り方
1. 白いんげん豆とはとむぎは洗ってたっぷりの水に一晩つけ、鍋に入れ、ひたひたの水(分量外)を加えて30 〜40 分ほどゆでる。緑豆は洗って10 分ほど浸水しておく。

2. かぼちゃは2cm角に切り、キウイ、みかんは皮をむいて輪切りにしておく。

3. 緑豆と1 の水気をきって鍋に入れ、かぼちゃとココナッツミルクの半量、豆乳を入れて中火にかける。ふつふつしてきたら弱火にし、緑豆とかぼちゃがやわらかくなるまで10 分ほど煮る。

4. 残りのココナッツミルクと甘酒、塩を加え、沸騰直前まで温める。器に盛り、フルーツを加えて混ぜながらいただく。

〈中国〉マーラーカオ

材料〔 1台分〈直径15cmの丸型〉 〕
卵 … 4 個
薄力粉 … 200g
ベーキングパウダー … 小さじ1
重曹 … 小さじ2/3
A
煮詰めたみりん … 50g
しょうゆ … 小さじ1
豆乳 … 大さじ2

米油 … 大さじ2
レーズン … 20g

作り方
1. 型に濡らしたクッキングシートを敷いておく。蒸し器のお湯は沸騰させておく。A のみりんは小鍋に入れて中火にかけ、ふつふつと泡立つまで煮詰めて粗熱をとっておく(煮詰めすぎると冷える際に固くなるので注意)。

2. ボウルに卵を入れて溶きほぐし、Aを入れて混ぜ合わせる。

3. 薄力粉、ベーキングパウダー、重曹をふるい入れ、ゴムベラで混ぜる。粉っぽさがなく
なったら米油とレーズンを入れて混ぜ合わせる。

4. 型に流し入れ、飾り用のレーズン(分量外)をのせて、蒸気の上がった蒸し器で30 分ほど蒸す。竹串を刺して生地がつかなければ火を止める(蒸しあがりが遅い場合は、型から外してクッキングシートのまま蒸すとよい)。

( memo )
小麦粉は心の機能を高めて精神を安定させ、興奮状態を鎮める効果も。
卵も同様に気持ちを落ち着かせて、イライラや怒りっぽくなる状態を穏やかにしてくれます。

「血の巡りを整える」おやつ

血が上るのを抑えつつ補い、巡りの良い体に
気と同時に、血が上り、滞るのも春の特徴。
血が滞る「瘀血(おけつ)」は、くまなどの黒ずみ、筋腫などのしこり、同じ場所で繰り返す痛みが三大症状。
女性は血が足りない人が多いので、補いつつ、巡りを良くするよう心がけて。

〈中国〉黒ごま揚げ団子

材料〔 6個分 〕
[あん]
黒炒りごま … 大さじ2
黒練りごま … 25g
煮詰めたみりん … 大さじ1と1/2

白玉粉 … 60g
豆乳 … 45 〜50mL
黒炒りごま … 適量


作り方

1. あんを作る。みりんは小鍋に入れて中火にかけ、ふつふつと泡立つまで煮詰めておく。黒炒りごまはすり鉢に入れて細かくすり、黒練りごま、みりんを加えて混ぜ合わせる。バットに取り出し6 等分に丸めて冷やしておく。

2. 団子を作る。白玉粉に豆乳を少しずつ加えてよく練り混ぜ、耳たぶくらいの硬さにする。6 等分して丸め、指先で真ん中をくぼませて1 の黒ごまあんを包んで丸める。

3. 表面に2 の黒ごまをまんべんなくつけ、160 度の低温の油(分量外)に入れ、浮き上がってきたら、箸で転がしながら全体に火が通るように7 〜8 分揚げる。

〈韓国〉なつめ、レーズンの甘酒ファチェ

材料〔 2人分 〕
しょうが … ひとかけ
なつめ(干し柿でも) … 4 個
ドライいちじく … 15g
水 … 300 mL
レーズン … 15g
クコの実 … 6 個
甘酒 … 大さじ1
はちみつ … 大さじ1/2

作り方
1. しょうがは薄切りにする。なつめとドライいちじくは1 〜2cm角に切っておく。

2. 鍋に水としょうがを入れて中火にかけ、しょうがの香りが立って、8 割ぐらい煮詰まったら漉す。

3. 鍋に2と、なつめ、いちじく、レーズン、クコの実、甘酒を入れて4 〜5 分煮る。火を止め、はちみつを加えて好みの甘味に調える。

( memo )
なつめ、レーズンなど色の濃い食材と同様、甘酒も血を補い、巡らせてくれます。また、ベースのスープに使うしょうがは、体を温め、血の巡りを改善します。

「インナードライをケア」するおやつ

体の内側を潤すことで乾燥やほてり、のぼせを軽減
乾燥と血が上りやすい時季に加えて、更年期の女性はインナードライになりやすい傾向にあります。
体の内側の水分を保持できず熱が生まれ、のぼせやほてり、コロコロ便しか出ない便秘、肌の乾燥なども。体の内側を潤す食材でケアを。

〈台湾〉豆花

材料〔2〜3人分 〕
[シロップ]
しょうが … 15g
水 … 200mL
はちみつ … 大さじ1と1/2
レモン汁 … 小さじ1

豆乳 … 250mL
片栗粉 … 小さじ2
寒天(粉末) … 2g
水 … 100mL
トッピング … あんこ、煮りんご、クコの実、かぼちゃ団子など、好みで

作り方
1. シロップを作る。小鍋にしょうがと水を入れて中火にかけ、15 分ほど煮る。粗熱が取れたらはちみつとレモン汁を加えて混ぜておく。豆乳と片栗粉を混ぜ合わせておく。

2. 小鍋に寒天と水を加えてしっかり混ぜ合わせ、中火にかける。沸騰したら弱火にして2〜3 分混ぜながらしっかり寒天を溶かす。

3. 2 に片栗粉を混ぜた豆乳を少しずつ加え、混ぜながら豆乳が温まるまで加熱する。バットなどに移して冷ましておく。

4. 3 が固まったら、大きなスプーンなどですくって器に盛り、1 のシロップをかける。好みであんこ*1や煮りんご*2、クコの実、かぼちゃ団子*3などを盛る。

* 1 あんこはドライフルーツで甘味をつけたもの(作り方は下記に)
* 2 煮りんごは、りんご1 /2 個を皮をむいて4等分に切り、塩ひとつまみと白ワイン大さじ1を加えて小鍋でふたをして5〜6分煮たもの。
* 3 かぼちゃ団子は、皮をむいてざく切りにしたかぼちゃ35 gをゆでてつぶしたものと白玉粉30g、片栗粉5gとよく混ぜ、水20 〜30mLを少しずつ加えてなめらかになるまで練る。

( memo )
体の内側を潤す食材は豆乳。
豆乳は寒天に片栗粉を加えて、固すぎずとろっとした食感になるようにしています。トッピングには、ゆで小豆、落花生の甘煮、バナナなども合います。

〈タイ〉さつまいものカノムモーゲン

材料〔18㎝パウンドケーキ型1 台 〕
里いも … 50g
さつまいも … 50g
煮詰めたみりん … 大さじ3
ココナッツミルク … 60mL
卵 … 1 個
米粉 … 15g
片栗粉 … 10g

作り方
1. 里いもとさつまいもは柔らかくなるまで蒸して皮をむく。みりんは小鍋に入れて中火にかけ、ふつふつと泡立つまで煮詰めておく。

2. 1とココナッツミルク、卵、米粉、片栗粉をミキサーにかけてなめらかにする。

3. オーブンシートを敷いた型に入れて200℃のオーブンで20 分ほど焼く。焼き上がったら冷まし、好きな大きさに切り分ける。

( memo )
さつまいもとココナッツミルクが体の内側に潤いを与えます。
食物繊維も多く含まれるので、便秘解消にも最適。生地はもっちりとした食感にするために、米粉を使用。

優しい甘味
ドライフルーツあんこの作り方

材料〔 作りやすい量 〕
小豆 … 150g
水 … 400 〜500mL
ドライフルーツ(デーツ、干し柿、
いちじく、レーズンなど好みのもの)… 120g
塩 … ひとつまみ

作り方
1. 小豆は洗ってざるにあげて水気を切る。鍋にかぶる程度の水(分量外)とともに入れて中火にかける。沸騰して2 〜3 分ほどしたらざるにあげて水気を切る(渋切り)。再び鍋に小豆と水を入れて中火にかける。沸騰したら弱火にし、水が少なくなったら足しながら50 分〜1 時間ほど炊く。

2. 小豆が小指と親指の2 本でつぶせるぐらいやわらかくなったら、火を止めてドライフルーツをそのまま加える。

3. 5 分程度でドライフルーツがやわらかくなったら、取り出して細かく刻む。

4. ドライフルーツを鍋に戻し、かぶる程度の水(分量外)に調整して中火にかける。沸騰したら弱火にして木べらでかき混ぜながら5 分ほど練り、好みの硬さになったら塩で味を調えて火を止める。


photograph/Yumi Saito styling/Eri Kubohara text/Mie Minezawa
 
大人のおしゃれ手帖2025年3月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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