人が持っているものに興味津々で、すぐに「貸して」「見せて」と言う人っていますよね。人によってはあまり他人に触られたくない大切なものにも、遠慮なく触ってくることも。今回は大切なものをデリカシーのない人に触られて不快な思いをした筆者の知人、Kさんのお話です。
遠距離恋愛の彼氏から
当時Kさんは仕事の関係で、付き合って2年目の彼氏と遠距離恋愛になったばかり。
お互い仕事が忙しいことや、職種が違うので長期休暇も合わないことから、間もなくやってくるKさんの誕生日も一緒に祝うことができないと言われ、Kさんはとてもガッカリしていました。
「それなら私たちと誕生日パーティーしよ!」
Kさんが学生時代から親しくしている友人数人が、彼氏に会えずに落ち込んでいるKさんのために誕生日パーティーを開催してくれることになりました。
「他にもメンバー集めとくね!」
Kさんの一番の親友が、他の同級生にも声をかけてくれるとのことでした。
せっかくのプレゼントが……
「Kちゃん、お誕生日おめでとう!!!」
誕生日当日。結局4人の同級生がKさんの家に集まり、ピザやフライドチキン、ケーキなどを持ち寄って誕生日を祝ってくれました。
「あれ、誰か来た」
突然インターホンが鳴ったのでKさんが出てみると、宅配便でした。
なんと、誕生日に会えないことを気にしていた彼氏から、サプライズで誕生日プレゼントが送られてきたのです。
「すごいじゃん、開けて開けて!」
Kさんが皆の目の前でプレゼントを開封すると、そこにはKさんが以前から欲しがっていたファッションリングが入っていました。
「すっごくうれしい……」
嬉しさのあまりKさんが指輪を見つめていると、いきなり近くにいた友人がその指輪をひょいと取り上げたのです。
「これ私も欲しかったんだよねー、やっぱかわいいね!」
友人は躊躇なくその指輪を自分の指にはめました。
「え……」
Kさんは、自分もまだはめていない指輪を友人がはめたことにショックを受けて呆然。
「いや、それはないでしょ」
他の友人たちもドン引きし、せっかくの誕生日パーティーは台無しになってしまったそう。
その友人は久しぶりに会った同級生だったのですが、この一件以降、Kさんは距離を置いたとのことです。
友達のプレゼントとして贈られてきた新品の指輪を勝手に指にはめるなんて、デリカシーなさすぎですね。それも大切な恋人から贈られたものとなると、ショックも倍増しそうです。
【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。