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「すっごい苦しい時期もあって…」広瀬すずへの“ライバル心”に葛藤の過去【変幻自在の演技派女優】人気俳優も絶賛した“破格の名演”

  • 2025.4.17

ある作品で明るくキャッチ―な役柄を好演したかと思えば、別の作品では暗くシリアスな役を快演する演技力の高さを見せる女優も多くいます。今回は、そんな“変幻自在の演技派女優”5名をセレクトしました。

本記事では第1弾として、杉咲花さんをご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

2006年に子役デビュー!変幻自在の演技派女優・杉咲花

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(C)SANKEI
  • デビュー:2006年
  • 主な出演作品:ドラマ『夜行観覧車』、映画『湯を沸かすほどの熱い愛』、映画『市子』など

経歴

2006年から梶浦花という芸名で、芸能事務所「スターダストプロモーション」に所属していた杉咲花さん。中学生になり、本格的に女優の道を進むため、憧れていた志田未来さんが所属する芸能事務所「研音」のオーディションに参加します。杉咲さんは見事オーディションに合格し、芸名を杉咲花に改名して俳優としての道をスタートさせるのでした。

その後、数々のオーディションに参加しながら、ドラマ『家族のうた』や『夜行観覧車』などの出演をきっかけに頭角をあらわしはじめる杉咲さん。10代の頃は同世代である広瀬すずさんとオーディションで会う機会が多かったそうで、「1番意識してた」「(広瀬さんが)先を進んでいて、いつもそれをまぶしく見つめていて、でもすごいなとか、自分もこうなりたいなって思うことを素直に認められない自分もいて、すっごい苦しい時期もあって」と当時を振り返っていました。

そんな中でも杉咲さんは着々と演技力を磨き、実績を積んでいきます。そして2016年公開の映画『湯を沸かすほどの熱い愛』での演技力が高く評価され、「第40回日本アカデミー賞」で最優秀助演女優賞を獲得し、さらに女優としての知名度を向上させました。

演技を超えたリアルさ…杉咲花の出演作・映画『市子』

杉咲花さんの演技の幅広さがうかがえる作品が、映画『市子』です。2023年12月8日に公開された本作は、戸田彬弘さんの戯曲『川辺市子のために』を原作に自身が監督・脚本を務めた作品。主人公・川辺市子(杉咲花)長谷川義則(若葉竜也)からプロポーズを受けた翌日に失踪したことをきっかけに、彼女の壮絶な過去が明らかになっていく物語です。

本作は、とにかく杉咲さんの憑依力に目を奪われます。市子には誰にも知られてはいけない過去があり、その過去が彼女を苦しめているという設定です。その苦しみを抱えて生きる市子のどこか儚げで、狂気をはらんだ表情に心が持っていかれそうな感覚を覚えます。

一方で、若葉さん演じる義則との日々で見せる市子の幸せな表情は、ただ陰がある人間というわけではない、幸せを求める普通の人間であることを感じさせるのです。そんな実態の掴めない市子の内面を笑顔や涙、声のトーンなど、ありとあらゆる手法で体現する杉咲さん。それは演技ではなく、市子という人間の人生を収めた実録のドキュメンタリーを見ているかのようです。

共演した若葉さんはインタビューで「次元が違います。細胞レベルでその状況に溶け込んでいる感じがしました」とコメント。SNSでも「杉咲花ちゃんの演技すごすぎる。市子に感情移入しすぎて、見終わった後の虚無感がある」「とっっっても引き込まれました。杉咲花…すごいなぁ…」と、杉咲さんの演技力の高さに驚愕する方が多くいました。

役柄に引っ張られそうになることも…杉咲花の今後の活躍にも要チェック!

映画『市子』で、壮絶な過去を持つ切なく悲しい人間である市子を演じた杉咲花さん。“市子”というあまりにも強烈なキャラクターを演じるにあたり、杉咲さんは「心を侵食されるような瞬間も確かにあった」と話しています。

続けて、杉咲さんは心が侵食されないように「撮影が終わって、衣装を脱いで、ホテルに帰ってきたときに、『おなかすいたな〜』とか、自分の感覚に素直でいることを心がけていました」と語っています。それほどまでに、杉咲さんが役柄にのめり込んでいることがうかがえるエピソードですね。

そんな杉咲花さんの、今後の活躍にますます期待が高まります


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です。