1. トップ
  2. 目黒蓮、永瀬廉に続く“スター”誕生か 2023年の飛躍を経て、映画初主演作でみせる新たな“魅力”とは? 

目黒蓮、永瀬廉に続く“スター”誕生か 2023年の飛躍を経て、映画初主演作でみせる新たな“魅力”とは? 

  • 2025.3.24
undefined
(C)SANKEI

作間龍斗に興味がある。それは自分でも気づいていない無意識的なものだ。

3月28日に公開となる映画『山田くんとLv999の恋をする』で作間は、山下美月とダブル主演を務めている。作間にとっては映画初主演作。筆者は公開より一足先に試写にて本作を観ているが、これまでの作間が演じてきたキャラクターとは似て非なる芝居を楽しむことができた。

作間が演じる山田秋斗は、高校生プロゲーマー。塩対応で絡みづらく、恋愛に興味なしというのが特徴だ。映画タイトルにもなっている通りに、山下が演じる木之下茜が難攻不落とも言える山田との“Lv999”の恋愛を繰り広げていくというのが大まかなストーリーである。

『どうする家康』『コタツがない家』『ひらいて』などで形成されてきた、作間龍斗の俳優としての魅力

作間にとって初の映画出演作となった『ひらいて』をはじめ、作間が演じる人物はそっけないのに、モテまくる! といったようなキャラクターが多い。それは作間自身が持つミステリアスな雰囲気と整った顔立ちによる塩顔からの配役なのは想像に難くない。『ひらいて』では、西村たとえとして寡黙ながら、狂気的な愛情をぶつけられ、怒りの感情を露わに。昨年公開の映画『うちの弟どもがすみません』では、無愛想だけど家族思いな成田源を演じた。この時が、作間にとって初のピアス、初のカラーリングとなっている。

振り返ると、2023年は作間にとって俳優としての大きな飛躍の年だった。それは大河ドラマ『どうする家康』と連ドラ『コタツがない家』という注目度の高い2作品に、同時期に出演していたからだ。『どうする家康』で作間は、豊臣の末裔として異彩を放つ秀頼を好演。凛々しく聡明でありながら、狂気的な顔を持つ秀頼が、時折見せる弱さも演じ切っていた。

民放GP帯連続ドラマ初出演となった『コタツがない家』で演じたのは、アイドルオーディションに落ち挫折する順基。深堀家の長男で“ダメ男”の一人という部分が大きく、とにかく喋って、喋って、喋りまくり、家族を言い負かす。ある種『ひらいて』のたとえとは正反対の役と言えるかもしれない。学生生活ではクラスメイトとのツンデレながら、甘酸っぱい恋愛模様も描かれている。

作間龍斗が『山田くん』で見せる、心情の機微と真っ直ぐな眼差し

改めて、作間が今作で演じる山田は無愛想な高校生だが、ふとした時に垣間見せる無自覚な優しさに多くの女子が落ちていく、そんなキャラクターだ。靴を持った山田が茜の前に現れるシーンは、まるで“プリンス”のようである。先述したように、これまでの作品と求められている人物像は大きく変わりはしないが、筆者が観ていて注目したのは今作で丁寧に描かれている山田の心情の機微である。

ポイントになっているのは、山田が高校生で、茜は大学生という年の差のある恋愛だということ。「興味ないっすね、恋愛とか」と言っていた山田が、あるハプニングをきっかけにして、徐々に茜に惹かれ、自分に正直になっていく、その心情のグラデーションが鮮やかだと感じた。公式サイトには「誰もが茜目線で山田との恋を体験できる!」とあるが、その逆も然りなのではないだろうか。キービジュアルにも使用されている茜のセリフ「山田って、私のこと好きなの?」に至るまでの過程、特に作間の瞳の輝きが印象的だ。

同じSTARTO ENTERTAINMENTで俳優として活躍しているメンバーには、目黒蓮、松村北斗、永瀬廉、松田元太…といったように枚挙に暇がないが、そこに続く一人として作間龍斗の名前を挙げてもおかしくはない、そんな状況になってきている。



ライター:渡辺彰浩
1988年生まれ。福島県出身。リアルサウンド編集部を経て独立。荒木飛呂彦、藤井健太郎、乃木坂46など多岐にわたるインタビューを担当。映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』、ドラマ『岸辺露伴は動かない』展、『LIVE AZUMA』ではオフィシャルライターを務める。