子どもに夢を与えてくれる、サンタさんという存在。
わが家でもクリスマスを前に、サンタさんへの手紙に何を書こうかと盛り上がる季節になりました。
そんなわが家には数年前、玄関ドアから思いっきりサンタさんがやってきたのです。
大人もびっくりのサンタさんの襲来。
それはいつも利用するスーパーからの、サプライズプレゼントでした。
■よくあるスーパーの懸賞で…
その年は、わが家が東京から千葉に引っ越してきた年。
娘は来年に小学校入学を控え、大好きな祖母の家も近くなり、新生活に胸を躍らせていました。
そんな中で、私はある懸賞に応募をしました。
近くのスーパーの、お買い上げ金額◯◯円以上のレシートを貼って応募すると好きなものがもらえるよ!! という、気軽なものでした。
私はなんとなく、本当になんとなく半信半疑で懸賞に応募。
普段使いしているスーパーなので、あっという間に応募金額に達し、私は3通の応募をすることができました。
一通は私の名前でおしゃれホットプレート。もう一通は娘の名前でお人形とベッドのセット。最後は息子の名前で電車のおもちゃのセットでした。
そして私は引っ越し後の片付けや手続き、入学準備に追われ、その懸賞のことなどさっぱり忘れていたのですが…。
ある日、見知らぬ電話番号から着信が!
各種変更手続きでいろいろな着信があった頃なので、私は何の疑いもなくスマホを手に取りました。
「もしもし」
「もしもし!エリンギ様のお宅でしょうか?」
「あ、はい!」
「わたくし、オトクサービス株式会社の徳田と申します」
「(聞いたことない会社だな…セールスかな…)」
「先日はスーパーゲキヤスの懸賞に応募いただきありがとうございました! 抽選の結果、エリンギ様が見事当選されましたので、その件についてご確認を…」
「え…ええええええ!?」
■わが家にサンタさんがやってくる!?
なんとなく応募したスーパーの懸賞に、まさかの当選。
驚きの電話でした。
「(ほ、本当に当たるんだ、こういうの…)」
電話によれば、当選したのは娘名義で出したお人形セットの応募はがき。
その内容をしっかり確認して、今から買いに行ってくれるということでした。
それだけでも感動してしまったのに、なんと後日、サンタ姿の社員さん…いや、サンタさんが直接わが家に届けに来てくれるとのこと。
ヤバい…まだ引っ越しのダンボールが大量に残っている…。
という焦りはあったものの、朗らかで丁寧な電話に感動するばかりでした。
私はいつも通りにただ買い物をさせてもらって、応募しただけなのに…まさかまさかの、クリスマスプレゼント。
そして12月。わが家にサンタさんがくる日がやってきました。
■思い出は一時のものではなく…
前もって都合のいい日時を指定し、その当日。
住所の確認や時間の細かい確認も重ね、私は子どもたちと自宅待機。
「実は…スーパーゲキヤスの懸賞が当たって。明日、サンタさんがきてくれるんだって!」
と前もって伝えられていた子どもたちは、正座で今か今かと待機していました。
そして、鳴るチャイム…。
ピンポーーン
「はいはーーーーい!!」
玄関ドアを開けると…
「メリークリスマス!!」
サンタ姿の若いお姉さんとお兄さんが、大きなプレゼント袋を抱えて立っていました。
白ひげのおじいさんじゃない…なんて疑いも持たず、子どもたちは大喜び。
人見知りながらも「ありがとうございます」と感謝を伝え、記念撮影すると、母が死に物狂いで大掃除したリビングには上がらず、玄関先のみの対応で(このスマートさもありがたい…)、サンタさんたちは笑顔で帰っていきました。
ニコニコ笑顔でリビングに戻り、プレゼントを開けると、中にはお願いしたお人形とベッドのセットがしっかり入っていました。
ありがとう、サンタのお兄さんお姉さん…!
そしてスーパーゲキヤス…!
この日の思い出は、私だけでなく子どもたちの心の中にも強く色濃く残っています。
■そして時はたち…
そして、娘は今や小学5年生。
ほぼ赤ちゃんだった息子も小学1年生になりました。
そんな子どもたちは今でも毎年サンタさんに手紙を出し、クリスマス当日は、家にサンタさんがこっそり隠したプレゼントを見つけては大興奮で喜んでくれています。
「いつも、いつの間に来てるんだろう…!」
「また、ピンポンでこないかな~」
そう、子どもたちの心の中には今もあの日のプレゼントの記憶が残っていて、サンタさんへの想いを一層強くしてくれているのでした。
ありがとう、あの日のサンタさん。
ありがとう、あの日のサンタさんを派遣してくれた会社さん…。
そろそろ事実を知ってどつかれる頃かな~と思いつつも、今年も子どもたちの笑顔のため、サンタさんと秘密裏に連絡を取り合う母なのでした。
(たんこ)