1. トップ
  2. ファッション
  3. 元宝塚娘役トップ・咲妃みゆさん「いろんな色にも染まってみたい。どんな出会いにもワクワクします」

元宝塚娘役トップ・咲妃みゆさん「いろんな色にも染まってみたい。どんな出会いにもワクワクします」

  • 2024.8.31

輝き続ける宝塚OGの美しさの秘密を“素化粧”から紐解く連載も早24回目。今回のゲストは、元雪組娘役トップの咲妃みゆさん。確かな演技力と心に響く歌声で早くから注目を集め、新境地にチャレンジし続ける咲妃さんが見つけた美しく生きるためのポジティブマインドとは?

いろんな色に染まってみたい。どんな出会いにもワクワクします

お話を伺ったのは……咲妃みゆさん

《Profile》
宮崎県出身。2010年に96期生として宝塚歌劇団へ入団、月組に配属後、’12年『ロミオとジュリエット』で新人公演初ヒロイン。’14年に雪組に組替えし、トップ娘役に就任。’17年に退団後はミュージカル、舞台のほか映像にも活躍の場を広げ、ミュージカル『NINE』ルイザ役、『GHOST』モリー役で第46回菊田一夫演劇賞、『少女都市からの呼び声』雪子役で第31回読売演劇大賞優秀女優賞受賞。最近はドラマ「不適切にもほどがある!」、「警視庁・捜査一課長 2024スペシャル」にも出演。来春にはミュージカル『ケイン&アベル』が控えている。

―素肌美のためにどんなメンテナンスをしていますか?

咲妃:長いことむくみに悩まされてきたんですが、コルギに通うようになってから解消されて目に見えて変化を実感したんです。老廃物を流してくれて腸内環境も整い風邪を引かなくなりました。昔は一度頑張りスイッチを入れると切るタイミングがわからなくて、プライベートもずっとオンのまま。今はリセットする方法を見つけて以前より穏やかになった気がします。

―宝塚について知識がないまま受験し、見事合格された武勇伝も。

咲妃:大学受験を控えた高2のとき、よい経験になるからと父に勧められたんです。一次試験の前日に初めて瀬奈じゅんさんの『ミー&マイガール』を観劇させていただいて、ここに入りたい!と一気に火がつきました。合格して一番動揺していたのは父(笑)。まっさらな状態で宝塚の世界に入ったので、宝塚のあるべき姿がわからない葛藤とすべてが初めてというワクワク感が同時にあって、厳しい規律ですら私の中で新しいステータスになっていく感覚でした。

―雪組の娘役トップになられてからも、お姫様から村娘まで幅広い役を演じられました。

咲妃:小声でお伝えすると、やはり華やかな娘役のお衣裳に憧れていたのですが(笑)、私に求められていることは違うんだと気付いて、それがまたありがたくもあり、今の自分の糧になっています。期待に応えたいと、一生懸命(相手役の)早霧さんを追いかけてました。卒業後もずっと早霧さんのかっこいい生き様が私の中でひとつの指針になっています。

―退団後、舞台に立つことへの気持ちに変化はありましたか?

咲妃:より好きになりました。そしてより難しい仕事とも感じます。正解がないですから。順風満帆と思われることが多かったのですが、向いてないかもと落ち込んでは自分を奮い立たせての繰り返し。今は向かうべき壁のおかげで凝り固まっていたものを打ち壊してもらえて感謝していますし、いろんな色に染まってみたいと思っています。素敵な出会いがありすぎて、もう目が足りないくらい!

―心からチャレンジを楽しんでいる感じが伝わってきます。

咲妃:コロナ禍を経て、やりたいと思ったらすぐにやる!という気持ちが加速して、一昨年に運転免許を取ったんです。すでに1万キロ以上走りました。次は九州の実家まで車で帰りたいと思っています。

―最後に咲妃さんにとって「美しく生きる」とは?

咲妃:「自分が自分を好きでいること」。長所も短所もまずは自分で認めることが美への近道。そう思うようになって意外な可能性に気付けるようになりました。宝塚は群像美の世界でもあり、その中で時々突出してしまう個性に悩んだり、娘役の理想像に縛られて体調を崩したこともありましたが、今は本名の自分との中間地点を探れるようになりました。できないことがあっても、変わってると言われても、それが私。そう思えるようになって、プライベートも仕事もいっそう楽しめるようになった気がしています。

自分のことを決めつけない。秘めた可能性に気付くために

自分の可能性をもっと広げるために、周りにもSOSを出すことにしました。知識を授かることでやりたいことが見えてきたり。昔よりも自分のことが好きになりました。

サーカス仕立ての音楽劇に挑戦!

別役実の傑作童話数作をひとつにまとめた音楽劇で咲妃さんは主人公キキを演じる。「台本を読んで不思議な世界観の虜になりました。すべてのキャストが個性的でサーカスのパフォーマンスも。また新たなチャレンジです」。『空中ブランコのりのキキ』8/6~18:世田谷パブリックシアター 8/31:アクリエひめじ 写真Ⓒ磯部昭子

《衣装クレジット》
カーディガン¥4,950〈ヴァカンシー〉スカート¥7,090〈エーアイシー〉(ともにアンティローザ)イヤリング、靴/スタイリスト私物

2024年『美ST』9月号掲載
撮影/SHITOMICHI(SEPTEM) ヘア・メイク/栗原里美(ThreePEACE) スタイリスト/津野真吾(impiger) 取材/稲益智恵子 再構成/Bravoworks,Inc.

元記事で読む
の記事をもっとみる