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香坂みゆきさん(61歳)が離婚を経て学んだこと「自分で自分の首を絞めてたんだろうな」

  • 2024.3.31

デビュー45周年を記念して始めたインスタグラムの投稿写真が「めちゃくちゃ綺麗!」と話題になった香坂みゆきさん。「アプリの力ですから」と笑いますが、還暦を前に事務所を独立し、約30年ぶりに音楽活動を再開。プライベートではシングルになり、今まさに新たな人生を歩き始め、幸せオーラ全開です。今回は香坂みゆきさんから美しき40代へのメッセージをインタビューを通してお伺いしました。

年齢に縛られず自分でセーブせずやりたいことを楽しんでやればいい

教えてくれたのは…歌手・女優の香坂みゆきさん

《Profile》
’63年神奈川県生まれ。3歳でモデルを始め、’75年フジテレビ系「欽ちゃんのドンとやってみよう!」のマスコットガールとして人気者に。’77年にシングル「愛の芽ばえ」で歌手デビュー後、俳優、タレントとして幅広く活躍。現在はテレビ東京「なないろ日和!」レギュラーMC、ラジオ日本「加藤裕介の横浜ポップJ」木曜パーソナリティ担当。新曲「黄昏とせつなさと」「風にまかせて」がデジタル配信中。

離婚を決めるまで1年半。今はとても幸せです

長男を35歳、5年後の39歳で次男を出産し、40代はママの時代でした。次男のときは一回りほど年下のママ友が多く、皆さんは私を“さん”づけ、私は皆さんを“ちゃん”づけで呼び、いまだに集まっています。インターナショナルスクールだったので、ボランティアが多く、学校で働いているのかと思うくらい学校で過ごしました。子育てはすごく楽しかったけれど、理想を掲げても思い通りにはいかない難しい局面もあって、泣いたりわめいたりいっぱいしました。

子どもを怒っている最中に、「何で怒っているのかわかってるの?」って私が泣いてしまったり。「俺なんていなくていいんだ」とか「死ぬ」とか言われ、ものすごく悩むこともありました。心配するのと甘やかすのはまた別で、どっちに転ぶかはちょっとしたことなんです。甘やかしているつもりはないけれど、夫に「甘やかしてる」と言われて悩んだり。でも、辛かった思い出もある一方で、一番嬉しかったことも子育て。誕生日に、「何もできないけど、ママ好きでしょ」と、アーモンドチョコを2箱プレゼントしてくれて。こんなもので申し訳ないと思ってくれている気持ちが嬉しかったし、そんな小さな幸せが、幸せです。

子どもは26歳と21歳の社会人になって、今も同居していますが、親子だけど対等になって話も楽しい。私よりできることが増えると上から目線で物を言われて、ハーッ?って言いながらも嬉しい。大人になりました。離婚を決めたときも、よく話してわかってくれました。パパともよく会っているけど、私と住んでいるので、「ママを見てあげなきゃいけない」といつも思っていてくれるようです。

離婚は1年半くらいかけて決めました。海外の友人に夜中に電話して相談したり、苦しい時期もあったけど、毎日早朝に家を出て仕事に行くことでシャキッとしていられました。仕事があったこともひとりになることを決められたひとつの理由です。今も思うのは、仕事をしているからできたことがいっぱいあるあるです。結論を出したら、「もう決めた、振り向かない」と開き直っちゃった。ひとりになった結果、いいか悪いかはわからないけど、誰にも気兼ねしなくてよくなって、私にとっていいほうに転がり、自由になれました。

結婚している間も、自由だったし、抑えられてたわけでもないんです。私が仕事や遊びに行っても、行くなとも言わないし、機嫌を悪くされたこともなかったけど、ご飯作らなきゃいけないと自分で勝手に思っていたんですよ。自分で自分の首を絞めてたんだろうな。今はとても幸せです。数年前に母が亡くなったとき思ったんです。今は健康でも、病気になったら何もできなくなるから、先延ばしにするのはやめようと。昔は「ご飯食べに行こう」と口約束だけで、行ってない人がいっぱいいました。これからは「会おう」と言った人とはその場でスケジュールを決めることにしました。

シミやシワがあってもガーッて笑える人が好き

歌は大好きだったのに28歳でやめてしまいました。また歌いたいという気持ちは3年くらい前からあって、離婚後、ここからまた頑張るぞと思ったとき、何をしたいかを考え直したら、やっぱり歌でした。今、ライブの音楽監督とコーラスを担当してくれている森真帆さんは、若い頃から一緒にライブをやっていた仕事仲間。久しぶりに一緒にご飯を食べたとき、「歌をやりたい」と言うと「いいじゃん。やろうよ」から始まって、昔お世話になった元サンミュージックの方や、いろんな方が手伝ってくれて実現しました。口に出して「やりたい」と言ったのが一昨年、動き出して実現したのが昨年。やりたいことは年齢で縛ってはいけない。還暦を過ぎても、楽しもうと思うと楽しめることはいっぱいあると改めて気付きました。

コロナ禍以降旅行には行ってなかったのが、昨年3月にハワイの友人に会いに3泊弾丸で行ったのを皮切りに回遊魚がはじまって、石垣島、沖縄、出雲、佐賀と旅して、先日は海外留学していた次男の卒業式でニューヨークに行ってきました。

50代半ばでは書道をはじめ、昇段試験を受け、書道展にも出品しています。落ち込むことも悩むこともあるけれど、おいしいものを「おいしいね」と誰かと一緒に食べたり、友達と思う存分話したり、旅に出たり。自分が楽しいと思えることをするしかない!シワやシミがいっぱいあってもガーッて笑える人が私は好き。そういう人を見ると幸せだし、シワシワの顔で「はいよ」って言いながらパイナップルを売っている沖縄の可愛いおばあちゃんみたいになるのが理想です。

昨年本厄、今年後厄で厄払いに行こうとしていたら、友人に「あなたは芸人だからヤクがつくほうがいい。厄落としをしてはダメ」と言われ、正しいかはわからないけど「確かにね」と思ったので何もしていません。物事はすべていいように考えます。今日の運勢でラッキーアイテムがカレーなら、夕飯はカレーにしようとか。そんな感じで毎日を過ごしています。

40代のころの私

子育て中心のママ時代。多くのママ友との出会いがあり、私の財産になっています。子育ての合間をぬって、生活情報番組「はなまるマーケット」のレギュラー出演もしていましたが、両立と呼べるほど働いてなかったですね。この頃、背中まであったロングヘアを切ってショートに。

香坂さんが40代に伝えたいこと

年齢に縛りはなく、何歳であってもそのときやりたいと思ったことをやって楽しみましょう。もし、やってだめならまたほかのやりたいことを見つけてやればいいんです。

2024年『美ST』4月号掲載
撮影/彦坂栄治(まきうらオフィス) 取材・文/安田真里 編集/和田紀子

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