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華やかなデコレーションケーキは、誕生日にしか食べない。でも、作るときはキロ単位で!【日登美のタベコト in Berlin・69】

  • 2024.3.24
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ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主宰している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。

誕生日のケーキ

先日双子のお兄ちゃんたちが誕生日を迎えました。我が家では、誕生日の日には好きなケーキをリクエストできるシステムになっています。

今年もリクエストは「ショートケーキ」。日本ではポピュラーなイチゴと生クリームのスポンジケーキですが、ドイツではなかなかお目にかかりません。

クリームのついた誕生日ケーキ作りは特別楽しい! 兄弟みんなで作ります。

それを特大ドイツバージョンで作るのが我が家流。キロ単位のバースデーケーキができ上がりますが、それも6人の子ども(とすでに呼べない程大きいですが)と一緒に食べれば、あっという間になくなるという。ケーキの食べっぷりも今やドイツ流な我が家です。

直径30センチ越えのケーキが我が家のスタンダード。1切れもでかい! でもみんなぺろっと食べるという……。

そういえば、我が家ではこういうデコレーションケーキは、今では誕生日にしか食べません。つまり作りませんし、買いません。

デコレーションケーキはドイツでは「トルテ」と呼ばれることが多く、結婚式や特別な時に出てきます。いわゆるケーキは「クーヘン」と呼ばれ、クリームは基本使わず、バターと卵と粉で作られたどっしりとしたお食事用ケーキになります。

ケーキひとつでハレとケがあるドイツ。つまり日頃の食事は質素で、簡単なものを食べる。そういうつまらない日常を当たり前にしているのが、一般的なドイツの食卓事情ではないかと思います。

もうろうそくが乗り切らないほど大きくなったのね。19歳です。

ドイツの食卓は貧しいといえばそうかもしれませんが、それはバラエティに富んでないというだけで、質としては栄養バランスも優れていたりします。そして、そういうつまらない日があるからこそ、誕生日やお祝いの特別感はひとしおなんです。

みんなお待ちかね。切り分けるのは主役の役目。おやつの時間が特別になった1日。

今では贅沢に慣れてしまって、あらゆることを簡単に喜べない時代になってきているところがありますが、こんなふうに日頃を質素にすることを当たり前にして、本当の特別を年に数回楽しむ食卓にしてしまうと、意外とその方が日頃の満足度があがり、なんなら家事も楽になり一石二鳥な気がしています。

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